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「あ、お兄ちゃん」
「帰って来たのか?!」
「違うよ、上、見て」
盆を迎えた赤城の夜。今日のパーキングには、私たちふたりしかいなかった。
資料館の外灯と、私たち二台のヘッドライト。空を見上げれば、星の海。
ペルセウス座流星群が近づいているとどこかで言っていた。ボンネットに仰向けに寝転がり、星の瞬きを出来るだけ視界いっぱいに埋めたくて見つめているそのときだった。
たった数秒、一秒二秒あっただろうか。長い長い尾を引いて、白いひとすじが横切った。
白だったのか、銀なのか。黄金かもしれない。その輝きは、まさに。
「もう一度、見たいなあ」
「ライト消そうか、アネキ」
よりハッキリとなった星たち。瞬きが集まる川に自らも流されるように、輝きに身を委ねた。
今、あなたの目指すもの。どこへ向かって、流れてゆくの?
その、まっすぐで。その、はやさで。いつも私たち妹弟を導いてくれる。
愛しくて、大切で、ときどき儚げに微笑む、あなたのこと。
私たちは、ずっとずっと、そばで追いかけるから。
あなたの背中は、私たちが守るから。
「帰ってきてね」
だから安心して。だから無事に。
ただいまと、言ってくれるまで。
私たちは、待っています。
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長編『モアザンワーズ』とは別設定の死神戦、そのころの妹弟。極短&お名前変換なくてすみません。
きっと妹ちゃんは啓介みたいに割り切れないと思うなあ。家にいても落ち着かなくて赤城に行っちゃう。涼介さんがどこで何をしているのかまったくわからないけど、きっと同じ空を見ていると信じて、流れ星にお願いごとをしてそう。
最終戦が8〜9月だとすると死神戦はちょうどお盆あたりかなと思って、今年のペルセウス座流星群とリンクしてみました。いやー、流れ星すごかった!ちなみに家主の願いごとは『高橋に会いたい』です。
2013,8月アップ