I am not alone


月の光が、赤城山の雪を照らしているおかげで、辺りは仄かに明るかった。





FCの中、涼介さんに抱き締められて、随分、時間が経った気がする。

ずっと、涙がとまらなかった。





「雪が、怖くて」


「うん」


「冬、いつも、思い出して」


「うん」


「夏に、インプが家に来たときから、ずっと」


「…うん」


「彼が、頭から離れなくて」


「うん」


「でも、涼、介さんが、」


「うん、」


「いま、冬に、涼介さんに、会えて」


「……ん」


「少し、だけ、怖くないって、思えたの」


「………俺は、陽向さんの『雪』を溶かせたのかな」


「………、うん………」




腕が、ぎゅって、強くなった





「好きだよ」


「涼介、さん」


「独りじゃないよ」


「……う、ん…っ」


「陽向」


「りょ、すけ、さ、」


「好きだ」


「……、すき……っ」








俺たち以外、誰もいない赤城の駐車場で、


狭い、FCのバケットシートが窮屈で、


でも、触れ合うにはちょうど良くて、


何度も、何度も、陽向の呼吸を奪った




「ん……、はっ、りょ、すけ、さ、くるし…!」

「陽向…、」

「ふ…ぅ、ん…!」

「もっと、呼んで、陽向」

「…りょう、すけ…ぇ…っ、涼、す……っ」




キスだけじゃ、足りなくて


もっと、もっと、溶かしてほしい


暖かい、あなたに、包まれて



一緒に、解けていくの
















You have arrived,you saved me from the fading stars

And the light you gave me filled my empty heart

Then you gently wept my frozen tears away

Saviour is your name today


そして貴方が現れた、消えていく星空から救ってくれた

貴方の光が、空っぽの心を満たしてくれた

貴方は、凍った涙を拭ってくれた

私を救ってくれたのは、貴方だった




Melt the snow in me







end






**************


陽向さまへ



この度は1000hitフリーリクエストにご参加下さり、ありがとうございます。以下反転でお返事です。






まず、なんとお詫びしたらよいでしょう、




5話完結→8話て



\(^o^)/ワァアアア


5話になるだけでも長いのに、ちょ、ほんと長くなってしまってすみませ……!!!陽向さまから、ヒロインちゃんの気持ちまで事細かにお伝え下さっていたので、これは家主、プレッシャーに勝てるのか…!!!と、自分なりに奮闘した結果が、8話、というorz


補足で申し訳ないのですが、拓海ちゃんはお姉ちゃんが亡くした彼のことを知っています。知っているので、『姉ちゃんを守るのは俺だ』と。禁愛ではなく親愛・姉弟愛のシスコンで。さあ、尊敬する涼介さんに愛しのお姉ちゃんを取られた拓海ちゃんはどう出る。応援したいけど悔しい、モヤモヤ悩むといいよダウンヒラー!


【辛い失恋を抱えている】とのヒロイン設定を、ちょっと崩させて頂きました。ご容赦下さい…。


本当に、素敵なお題を頂きまして、ありがとうございました!


2012,12,15りょうこ






















眠っている陽向を起こさないように、出来るだけゆっくり、赤城を下る


月は、まだ高らかに照らしていた


渋川に着くまで、安らかにおやすみ


目が覚めたとき、胸元のペンダントに気付いてくれるといいな


「メリー、クリスマス。陽向」