陸拾陸：何が切っ掛けで
　　　　料理が好きになったんですか？


「好きな子に「美味しい」って言ってもらえたから」

「「そうだったのか！？」」

「ちょっと主！それ初耳なんだけど！？」

「言ってないもん。聞かれたことなかったし」

「そうだけどさ…！」

「大将に好きな人がいたことも初耳だぜ？」

「あー…。まぁ今となっては"好きな子"だったなぁって話だからね」

「当時は無自覚だったと？」

「うん。小学生の捻くれてなかった頃かな、調理実習の班員が俺以外みんな料理ダメだったんだ。うちで言う薬研とズオとイマツルみたいな」

「う…、それは悲惨な…」

「失礼だな」

「で、俺が主担当で作ってたんだ。そしたら同じ班の女の子が「美味しい」って騒ぎ立ててさ、友達にも食べさせたりするわけだよ」

「それで好きな子にも主の料理を食べてもらえたってこと？」

「そういうこと。その後から料理するようになったんだけど、さっきも言ったように俺は無自覚だったからさ。"その子が好き"とかは考えたこと無かった。ただ誰かに食べてもらって「美味しい」って言ってほしかっただけ。だから料理が好きだし、もっと美味しい物を作ろうって思いながら料理してる」

「へぇ。大将にもそういう子供らしい時期があったんだな」

「薬研も失礼だな。俺だって最初からやんちゃしてたわけじゃないよ」

「で、その子とはどうなったの？」

「何も無いよ」

「なんで！？」

「だから無自覚だったんだって。何回か話したことはあったけど、もうずっと会ってないよ」

「伴侶を逃したのか。勿体無ぇ」

「伴侶言うな(……"会えない"…が正しいのかな…)」





陸拾漆：瑪瑙が作る料理で
　　　　一番好きなのはなんですか?

　　　　瑪瑙の料理はどのくらい美味しいの？
　　　　あと瑪瑙の料理で好きな料理は何？


「クニは何が好き？」

「オムライスとプリン」

「"一番"なのに二つか」

「この二つに順位はつけられん」

「そっか。大好物だもんね。薬研は？」

「カレーだな。色んな味がして旨い」

「お前食べながら香辛料の分析してるね？」

「ああ。分量変えたらどうなるのか興味あるから試しに作ってみて良いか？」

「「ダメ！」」

「ちぇー…」

「薬研くんは絶対に厨に立っちゃダメだから！」

「薬研の料理は最強の生命力を誇るゴキもイチコロだからなぁ。で、光忠は？」

「主の料理はどれも好きなんだけど…。強いて言うなら、"国産牛フィレ肉とフォアグラのロースト ランド風ポテトと野生茸のフリカッセ 旬の彩り野菜 フランス産モリーユ茸とヴィンテージポルト酒のソース"かな」

「…は？」

「今なんて？」

「はは、もう一度言うよ？"国産牛フィレ肉とフォアグラのロースト ランド風ポテトと野生茸のフリカッセ 旬の彩り野菜 フランス産モリーユ茸とヴィンテージポルト酒のソース"」

「「…………」」

「あはは！そりゃ名前だけ言われてもピンとこないよな。簡単に言えば肉料理だよ。でも、そんな名前してるけど俺が前に一度食べたフランス料理を再現して作ったやつだから、正しく言えば名前の無い料理なんだよね」

「へぇ〜。ん？俺たちは食べたこと無いよな？」

「うん、無いね」

「俺もか？」

「うん、クニも無い」

「なんで燭台切だけ？」

「えーっと確か、十三振しかいなかった時に第一部隊と第二部隊を送り出して、光忠が留守番だったから俺と二人で昼飯ならこれでいっかと思って作った」

「「ずるい！！！」」

「あはは…、ごめんごめん。美味しかったよ」

「感想じゃなくて大将の料理が欲しい」

「今度は全員分作ってやるって」

「あと、質問では"どれくらい美味しいか"だっけ？表現するのは難しいんだけど…、他の誰かが作った料理が物足りなくなるくらいかな？不味いとかじゃないんだけど、主の料理が恋しくなる。ね、クニくん」

「ああ」

「そりゃ嬉しいね。じゃ、今晩作ってやるか〜」

「「！！」」

「光忠、作るの手伝ってよね」

「オーケー、勿論だよ！」





陸拾捌：クロ、瑠璃、翡翠をもてなすとしたら
　　　　どんな料理を作りますか？


「おもてなしね…。もう三人とも俺の料理食べたことあるからなぁ。クロちゃんは和食でしょ」

「そうだな。あの人は前菜から甘味まで"和"って感じだ」

「魚が好きみたいなんだよね。共同生活中も凝ったものより一般的な料理を好んでた筈だから、焼き魚とか…、鯛飯、海鮮丼あたり？煮物もよく食べてたなぁ。デザートはやっぱり和風パフェだよね」

「ふふ、喜んでくれそうだね。瑠璃さんは？」

「瑠璃は…うーん…、あの子は結構子供舌だからな…。ハンバーグ？」

「デミグラスソースの？」

「いや、ケチャップ」

「「「ケチャップ！？」」」

「前に瑠璃の本丸で作ろうとしたことあるんだよ、デミグラスソースのハンバーグ。そしたら「お弁当に入れるようなハンバーグが良い！ケチャップの！」って言われてさ」

「弁当のハンバーグはケチャップなのか？」

「デミグラスソースのもあるよ。でも本人がケチャップでって言うから…」

「主はケチャップで作ったの？」

「うん。ご希望に沿えたらしくて完食してくれたし、瑠璃に出すならケチャップのハンバーグ」

「そ、そうか…ケチャップ…」

「なんて安上がりな…」

「あの子の場合は家が金持ちだからね。贅沢なんだけど、高いものは瑠璃の口に合わないみたい」

「へぇ…」

「あとは翡翠か。あいつはベジタリアンだから、旬の野菜使ったパスタとかミネストローネとかかな。あ、野菜で作るアイスクリームとかも好きだね」

「翡翠くんは時々来るし、もう好みはバッチリだね」

「あの三人の中じゃ一番付き合い長いし、わかりやすいからなぁあいつ」






陸拾玖：もしも彼女にするなら
　　　　シロ、クロ、瑠璃のうち誰ですか？
　　　　もしくは好きなタイプはありますか？


「あの三人でって…、考えたこと無いよ…」

「主の好きなタイプは僕らでも知らないね」

「だな、大将は女に現を抜かすお人じゃねぇし」

「女審神者とも絡まないしな」

「んー…、そうだなぁ。やっぱりクロちゃんかなぁ？シロちゃんはまだよく知らない子だし、瑠璃は楽しいけどたぶん疲れる」

「はは…。まぁ確かに、クロさんなら特別任務で人柄も知ってるしね」

「そうそう。一緒に戦ってて息も合うし、やりやすいし。俺としては彼女候補にしてたかな。あくまで"好きになるなら"って話だけどね。タイプって言ってもよくわかんないけど、時間を共有して苦じゃない子なら大歓迎かな。ただそこにいるだけで良い関係」

「成る程な。そんなお人が現れたら、きっとやんちゃな大将に振り回されるんだろうな」

「はは！でも、それさえも受け入れてくれるなら、俺もその子を全力で守ろうと思うよ。この回答はこれくらいで良いかな？
光忠、お茶ほしい」

「はい、主」

「サンキュ。クニ、次の質問は？」

「読むぞ」





漆拾：結婚するならどの刀剣男士？
　　　(付き合うなら、などでもOK)


「んぐッ！げっほ、げほっ」

「わ！主、大丈夫！？」

「ケホッ、だいじょぶ…。というか何なのこの質問は？クニ、嘘吐いてない？合ってんの？」

「そんな嘘吐いてどうする」

「お、大将もう一つあるぜ」



　　：嫁にするなら誰がいいですか？(刀剣男士含む)
　　　また、嫁にいくなら誰がいいですか？



「何？俺ってソッチ系に見えるの？」

「うーん…。でもこれだけ大勢の刀剣男士と暮らしてるわけだし、男でもソッチに目覚めちゃう人もいたりとか…」

「あー…環境がそうさせちゃう感じ？そうだなぁ、これも考えたこと無かったな…」

「あって堪るか」

「大将は同性愛については賛成なのか？」

「まぁ、どっちかっていうと賛成かな。愛情は色々あって良いと思うよ」

「そうか。ま、とりあえず普通に女からいこう。嫁にしたいのは？」

「さっきの回答と同じくクロちゃんかな。イメージ的に合いそうな女性は」

「じゃあ男は？」

「あーー…男ねぇ……」

「「「…………」」」

・
・
・

一時間経過。

「………この世から女性がいなくなったとして」

「時間を掛けてついに脳内から女を消したか」

「人類が進化を遂げて男でも子孫を残せるようになったとしよう」

「どこまで先の未来を予想してるの主？」

「そうでもしないとイメージつかないんだよ。で、そうなった場合に嫁にしたいのは…」

「「「…………」」」

「…………うん、クニかな」

「なっ！？お、俺！？」

「ほぉ〜？理由はあるのか？」

「初期刀だし、お互いに遠慮なくモノ言えるし。ソッチに目覚めるなら番はクニが良い」

「番とか言うな！！！」

「ははっ。やっぱり僕らじゃクニくんには敵わなかったね、薬研くん」

「だなぁ。お幸せにな山姥切！」

「ソッチに話を進めるなッ！！！」