『えーと…。まず近侍ですけど、私誰にも固定していませんでしたよ?私に付きっきりにさせるのも申し訳なかったですし、第一部隊長だって毎回違ったでしょう?』


乱「うーん……言われてみれば…?」


燭「確かに…。でも主の傍に一番控えてたのは薬研くんだったよね?」


『??そうでしたっけ?』


薬「いや?俺っちは大将にとって最初の刀だからそういう印象が強いんだろ。シロの見舞いだってついてったしな。大将はさっさと仕事終わらせちまうから近侍とか考えたことねぇだろ?」


『そうですね』



ただでさえ出陣に内番までこなしてもらっているのに、他にも仕事を頼むのが申し訳なくて決めていなかったというのが半分。
期限内に自分で出来る範囲の仕事だったから、わざわざ頼む必要もないと判断したのがもう半分の理由だ。

でも、今回に限ってはそうも言っていられない。あくまで目的は修復と更正、敵は時間遡行軍ではないのだ。つまり、いつものように力業で破壊することは許されない。

そんな敵地に乗り込むのに審神者と言えどただの人間である私が、全てを把握して指示を出すことなど不可能。ならば、私の戦い方を知り、尚且つ戦い馴れている者に近侍としてついてきてもらった方がスムーズに事が進むと思ったのだ。



『そんなわけで近侍と部隊長は薬研に頼みました。よろしくお願いします』


薬「おう、任せときな」


『因みに長谷部にはお留守番中の本丸を任せましたので、お留守番組になった方は長谷部の指示に従ってください。長谷部、今回もよろしくお願いしますね』


長「はっ!主命とあらば!」


鶴「成る程なぁ…」


「「「「「(だからこんなに生き生きしてるのか…)」」」」」



何だろう?妙に納得された空気が漂ってきたような…?
気のせいでしょうか?



『部隊に入るのはあと二人。長谷部からの推薦で、小夜左文字』


小夜「!」


『薬研と組み馴れている者から、乱藤四郎』


乱「!はーい!」


『それと、部隊とは別に私の刀として今剣』


今「!わかりました!」


『以上です』


和「あ?刻燿は連れて行かねぇのか?」


刻「ふふ〜、だってボク大太刀だよぉ?建物の中じゃあ振り回せないもんねぇ〜」


『はい。すみませんがお留守番です』


刻「気にしないでぇ〜。ボク長谷ちょんと頑張るからぁ〜」


長「は…っ!?」


「「「「「(″長谷ちょん″…!?)」」」」」


鶴「ぶはっ!!は、はせ…っ長谷ちょ…はははっ!!」


長「本気で圧し切るぞ鶴丸ッ!!」


燭「まぁまぁ長谷部くん落ち着いて」



あああ、笑い転げる鶴丸に長谷部の怒気が…。光忠はいつも宥め役お疲れ様です。
でも長谷部、刻燿から″長谷ちょん″と呼ばれることは拒否しないんですね。


その後、光忠の声も虚しく長谷部の怒りと鶴丸のからかいで乱闘になった為、他の者には留守番を言い渡して解散した。










ズボッ!
長「のわっ!!?」

鶴「あ?ああ、昨日作った落とし穴だなそれ!」

長「つ〜る〜ま〜る〜ッッ!!!」



燭「はぁ…(もう知らない…)」


 

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