玖拾陸:クロさんは努力家で何でも出来るイメージが
    強いんですが、苦手なことなどは
    あるのですか?(笑顔や人付き合い以外)
    もしくは、出来るようになるまでに比較的
    時間がかかったことなどはありますか?


『何でも出来るように見えますか?』

薬「見えるしそうだろう?」

『何でもってわけではないと思いますが…。今のところ知っている物事に努力はしてきたつもりですし、苦手なことも克服していますね』

薬「(じゃあやっぱり何でも出来るんじゃねぇか…)
時間が掛かったことならあるか?」

『それはもう沢山ありますよ。まず運動嫌いですから剣術なんて以ての外でした』

薬「は?あんなに強いのに!?」

『今でこそ負け無しですけど、最初に養成所で組んだ相手とは引き分けです。竹刀を振り回していただけの酷い手合せでしたよ』

薬「全然想像できねぇ…」

『それで敗北ではなくても勝てなかったことが悔しくて、空き時間には一人で素振りしたり先生に手合せを頼んだり…。次の授業からはずっと勝ち続けました。期間にして七日ですね』

薬「七日…」

『もっと時間が掛かったのは勉強です。私、約五年間は学校に行っていなかったので、その分の知識は殆ど持っていなかったんです。字もミミズが這ったみたいにすごく下手で、漢字も書けないし読めないし。自分で書いた字さえ読めたものではありませんでした』

薬「!(親戚にいた時か…)」

『自主的に本を読んだり、それでわからない言葉は辞書を引いたりして何かしら得ようとはしていましたけど、やはり学校で学ぶのとは訳が違いますね。養成所で初めて受けた座学もさっぱりわからなかったので、毎日授業が終わる度に真黒さんのところに行って勉強しました。そのお陰で試験結果は見事に全て一番です』

薬「…大将はすげぇ努力家だな。剣も勉強も。″諦める″なんて言葉知らねぇだろ?」

『買い被りすぎですよ。いつも″負けない″と言っているでしょう?自分が″負けた″と思わない限りは負けていません。引き分けても次があるのなら必ず勝ち取ります』

薬「!(…綺麗な瞳だ)」





玖拾漆:クロさんと薬研くんの両方に質問です。
    この人、この刀剣男士のここだけは直して
    貰いたい!などがあったら教えて下さい!
    複数回答可


『特には思い付きませんね』

薬「本当に?」

『はい。薬研はあるのですか?』

薬「鶴丸の旦那の度が過ぎる驚き提供」

『そんなに度が過ぎることありましたっけ?』

薬「大将…。あんたが自然に回避してるから知らねぇだけだぞ?」

『…………』

薬「…目ぇ逸らしたってことはわざとか」

『回避した後の鶴丸の驚く気配が楽しくて…』

薬「避けんのは良いがその後別の奴が引っ掛かってんだぞ、それ」

『そうなのですか?』

薬「想像してくれ。まず、大将が歩いた先に落とし穴があったとする」

『…はい』

薬「あと一歩で落ちる」

『はい』

薬「ところが、大将はふと何かを思い出したかのように方向転換。落とし穴はその後たまたま通り掛かった長谷部の旦那を飲み込む」

『はい。長谷部にボックスから物を取ってきてと頼んだ時のことですね』

薬「やっぱり長谷部の旦那が落ちたのもわざとか!!」

『落とし穴は長谷部の係りです』

薬「係りって何だ係りって!?」

『最近落とし穴の回数が増えてきたのでどうしようかと悩んでいたところ、長谷部が相談に乗ってくれたのです。五虎や前田たちが落ちたら危ないでしょう?かと言って、鶴丸は不発だった落とし穴はちゃんと埋めていますからやめろと言うのも…』

薬「(埋めてんのかよ…)
そこは言って良いんじゃねぇか?」

『楽しみを奪われるのは悲しいじゃないですか』

薬「…………」

『というわけで、長谷部に落とし穴係りになってもらったのです』

薬「ちょ、どういうわけでそうなった!?」

『誰かが落ちる前に長谷部が落ちることで落とし穴がそこにあると周知させるのと同時に、本丸内の落とし穴の数が減ります。私が避けるという驚きに加えてそこを通り掛かった長谷部が落ちるという驚き…。鶴丸にとってこれ程楽しいことはないでしょう』

薬「長谷部の旦那もよくわざと引っ掛かるな…」

『ああ、長谷部はわざとではありませんよ』

薬「は?」

『確かに長谷部には落とし穴係りをお願いしましたけど、わざと引っ掛かってもらうのもなぁと思って。私が通る度に、そこは恰も普通の地面として捉えられるように術を施して地面と同化させています』

薬「質悪すぎじゃねぇか!?」

『長谷部なら怪我しませんし、お願いした時は凄く喜んでいましたから大丈夫でしょう。寧ろその任をやめろと言った時の方が怖いです』

薬「(さすが主命第一の旦那だ…)
驚き提供はまだまだ続くってわけか…」

『怪我人は私が出させませんからご安心ください』

薬「(安心できるような不安が増したような…)」





玖拾捌:お二人に質問!今の本丸でリフォームしたい
    (改善したい)場所とかありますか?


『新しいものと古いものの差があり過ぎます』

薬「電化製品が沢山あるよな。明かりは燭台とか行灯から蛍光灯まで。水も外には井戸があるけど水道だってあるし、厠は水洗といれってやつだ」

『誰でも使えるようにということらしいですけど、それなら私が古いものの使い方を覚えるので統一してほしいですね』

薬「新しくなくて良いのか?全部新調しろって言えば政府も聞いてくれるんじゃ?」

『構いませんよ。本丸の雰囲気にも古いものの方が合いますし、現代人の私にとっては古くても新鮮な気持ちで扱えます。知らないことを知るのは楽しいですから』

薬「大将って結構好奇心旺盛だよな」

『好奇心は私が気になったものに限りますよ。どうでも良いことにはとことん無関心です』

薬「すっげぇよくわかる。(せめて自分への無関心さを無くしてほしいんだがなぁ…)」





玖拾玖:恩人と呼べる相手はいますか?
    その人は、どんな場面であなたを
    助けてくれたのですか?


『瑠璃様ですね』

薬「養成所でか?大将は助けることはあっても助けられることって少ないんじゃ?」

『そんなことありませんよ。私だって困ることはありますし、その時たまたま瑠璃様が助けてくれただけです』

薬「その時って?」

『階段から突き落とされたことがあって』

薬「!?」

『瑠璃様がその方たちに制裁を…』

薬「待て待て待て待て!突き落とされた!?」

『はい』

薬「瑠璃が受け止めてくれたってことか?」

『いえ、瑠璃様が来たのは事後です。反射的に前方に手をついて…どうなったんでしたっけ?怪我はしてなかったと思うんですが…。あんまり覚えてないです』

薬「…………」





佰:次の文の○○に言葉を入れてください。
  【世界は○○に満ちている】


『世界は"驚き"に満ちている』

薬「いや、そりゃ鶴丸の旦那だろ?」

『世界は"悲しみ"に満ちている?』

薬「それは江雪。大将、最後なんだから真面目に答えようや」

『すみません、すぐ思い付いたのがそれだったのでつい』

薬「はは、確かにぴったり当てはまるけどな」

『でもそうですね…、世界が満ちるものって何かありましたかね…』

薬「…………」

『うーん………』

薬「……………」

『…………………よし』










こ「真黒様。クロ様からの回答です」

真「はいはい、ご苦労様こんのすけ。
えーと……うん、全部埋まってるね。……ん?」

こ「どうかされましたか?」

真「……ふふ、いいや。クロらしい答えだ」

こ「???」









佰:次の文の○○に言葉を入れてください。
  【世界は○○に満ちている】


回答:世界は"彩り"に満ちている


薬「彩り?」

『はい。十人十色という言葉があるでしょう?この世に全く同じ人物は二人も存在しません。それは薬研たち刀剣男士も同じこと。各本丸に薬研藤四郎という刀剣は存在していますが、同じ時間を歩まないのですから私の薬研藤四郎は貴方だけです』

薬「…………」

『他の刀剣男士も同じ。人間も。それぞれ個性という色があって混ざり合い、濁れば争いに。綺麗に混ざれば友情や愛情が芽生える。新たに作られた色は新たな感情になる。この本丸で皆さんと触れ合ったことでそう思ったから…』

薬「世界は"彩り"に満ちている、か。大将らしいな」

『設問は以上ですね。お付き合い頂いてありがとうございました』

薬「いいや、俺っちも大将のことが沢山知れて良かった。これからもよろしく頼むぜ、大将」

『こちらこそよろしくお願いします、薬研』


 

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