「クロの本丸にいる刀剣男士の数は二十五。全員クロのこと認めてくれてるみたいだから命令はちゃんと聞いてくれるだろうし、そこは安心して大丈夫だよ」
「なら良かった」
「それと、近々審神者を集めて会議をすることになっててね」
「会議?」
「うん。月に一度だけ審神者が刀剣男士を一人か二人連れて集まるんだ。会議って言っても内容は毎回ほぼ同じだけどね。出陣してておかしなところは無かったかとか、生活環境の不具合は無いかとか。そんな話をしながら…」
「刀剣男士を見るんだね」
「シロも頭の良い子で助かるよ」
頭を撫でようとした手をバッチィインッと叩き落とす。
え? 涙目? 見えないよそんなもの。
雨漏りでもしてんじゃないの? あ、外快晴だわ。
そんなことは置いといて、会議で政府が見てるのは刀剣男士の様子だ。男士の状態から、審神者がどれだけ仕事をしているのか……、男士への対応が適切なものなのかを判断しているのだろう。
「黒本丸に成り得る可能性のある審神者には厳重注意を促し、既になっている本丸の審神者は解雇処分及び刀剣の刀解。刀剣が暴走したり政府が手を出せない黒本丸にはクロみたいに力の強い審神者を送り込んで修復してもらうんだ」
「それもそれでどうなの? 審神者って政府が抜擢した人間がなってんでしょ? 最初の見極めが甘過ぎんじゃないの?」
「うぐっ! それを言われるとグサッとくるな…」
「刺してんだから当たり前でしょ」
「うぅ…
(どうなってんのクロ!! 君の妹怖いんだけどッ!?)」
「それで?」
「そ、それで……、月に一度と決まってるクロのお見舞いの日をその会議の日にしたらどうかと提案を……」
「……!! それって、クロがここに刀剣男士を連れて来て良いってこと?」
「そ」
「やったぁああああ!!!」
「ういうこと……
(話は最後まで聞いて……)」
刀剣男士に会える! 刀剣男士に会える!!
どんな人なんだろう? あ、人じゃなくて付喪神様だった。刀ってどんなことを思ってるのかなとか、昔はどんな生活してたのかなとかいっぱいいっぱい聞きたい!!
でも何よりも一番聞きたいのはクロをどう想ってくれてるのかだ。
クロは肉体的にも精神的にも凄く強い子だってわかってるけど、全然心配じゃないのかって聞かれたらそんなわけが無い。
ただでさえ私の身体が弱くて気を遣わせてるのに、いつの間にか人質になっちゃってるし。今まで散々私のことで脅されてきたに決まってる。
そんな彼女に従える刀剣男士たちが、彼女を良く想ってくれてるのかどうか。気掛かりなのはそれだけだ。
自分のことより私を優先させるのは、最早手遅れなクロの癖だ。
一人だけで良い。刀剣男士の中で、そんな彼女を支えてくれる存在がいてくれたのなら…どれだけ彼女が救われることか。
「真黒!! 会議の日にクロのこと絶対連れてきなさいよね! 刀剣男士も二人連れてきてって伝えて丁重にもてなしなさい!!」
「は、はい……。(じ、女王様気質……?)」
月に一度のお見舞いが私の毎月の楽しみなんだ。しかも今月はクロが審神者になって初めてのお見舞い! 私の知らない話が沢山聞ける!
次に会えるの楽しみにしてるからね。
待ってるよ? 夜雨。
「早く会議の日にならないかなぁ。
あ、真黒はもう帰って良いよ。しっしっ!」
「ひ、酷い……っ。
(この子瑠璃より酷い! 私の癒しはクロだけだよ!!)」
「……っ!?」ゾクッ
「どうした大将?」
「いえ、何か……いきなり鳥肌が……。もう治まったので風邪ではないでしょうけど」
「大丈夫か? 一応身体の温まる薬煎じといてやるよ」
「ありがとうございます」