「ただいま戻りまし…」
「「「「おかえりなさい!!!」」」」
「た……」
鳥居を潜り本丸に一歩踏み入れた瞬間、お留守番組の皆さんが一斉に群がってきた。涙目だったりほっとしてたり…、戦地から帰った息子を見るような眼差しを向けてくる者がちらほら。
あの…、いつも出陣してるのは貴方たちでしょうに。お見送りもそうでしたけど、こんなお出迎え初めて見ましたよ?
「どうだ驚いたか!!」
ああ、鶴丸の提案ですか。納得です。
「おかえり主!!」
「おかえりなさいませぬしさま!!」
「クロちゃんおかえりぃ〜」
「ただいまです。加州、小狐丸、刻燿」
「主、政府へのお勤めご苦労様でございました」
「長谷部もお疲れ様です。留守中は何もありませんでしたか?」
「はい。皆、各々に割り振られた仕事を全うしておりました。来訪者もおりません」
「そうですか。皆さん、お留守番ありがとうございました」
「「「「「はいっ!!!」」」」」
「すげぇ出迎え…」
「なんて大袈裟な…(よっぽど寂しかったんだね…)」
薬研と大和守は皆さんの勢いに引いていた。何故だろう、皆さんすごく輝いているような?お留守番そんなに楽しかったんでしょうか?
「主、お風呂とご飯の用意は出来てるよ。どっちにする?」
「…用意周到ですね。さすが本丸のお母さんです」
「燭台切の旦那、割烹着姿が様になってるな」
「光忠はほうちょうにてんしょくをかんがえるべきです!ね、小夜くんもそうおもいますよね?」
「うん…。包丁の方が向いてると思う…」
「包丁…」
「小夜ちゃんまで頷かないでっ!主!包丁にはならないからね!?」
「……わかってますよ」
「その微妙な"間"が不安なんだけど…」
正直なことを言うと光忠は戦場より厨の方が似合うと思う。今剣と小夜に同感したのは黙っておこう。光忠が涙目になっていますからね。
「そ、それでどうするの?」
あ、そうでした。お風呂とご飯でしたね。
まだ日は沈みきっていないけれど、この後のことを考えるとお風呂は後回しにしておこうか。
…長話してたら湯冷めしてしまう。
「先にお夕飯でお願いします。食事が済んだら話したいことがあるので、皆さん全員広間に残ってください」
「…………」
「…主……」
「?なんだい、改まって話なんて」
「詳しいことは後で話します」
首を傾げる皆さんには悪いけれど、今ここで中途半端には語れない。薬研と大和守と目が合い、大丈夫だという意味でゆっくり瞬きすると困ったように苦笑されてしまった。彼らにはお預けばかりさせて申し訳ないです。