世界一嫌いだと言ってくれ


「ねぇ…ちょっと…」
「なんだい?今、忙しいんだけど」

ザエルアポロの馬鹿。いつ話しかけたって、今忙しいとか言って相手にしてくれないくせに。せっかく私が従属官になってあげたというのに、ザエルアポロはなんか悪趣味な従属官を自分の手で作り上げている。
私だけじゃ力不足とでもいいたいのか。

「お前、うざいよ」
「あぁ、そう」
「…むかつく。爆発しろ」

たまには私の相手もしろよ。馬鹿。何のために私がここで、ザエルアポロみたいな嫌われものと一緒に居てあげてると思ってるの。

「なんでかまってくれないの」
「へぇ。かまってほしかったんだ?」

ザエル馬鹿はにやりと口角を上げて私を見てきた。

「暇なだけ」
「僕が相手してくれないから?」
「…馬鹿」

わかってるならかまってよ。

「わかったよ。でももう少しだけ待ってくれ。あと少しで、完成なんだ」

ほら、そうやって私を後回しにする。もっと私に優しくして、もっと私を大事にしてよ。

「ちゃんと待てたら、ご褒美でもあげるよ」

そう言って、私の頭を撫でてきた。なんだか恥ずかしくなって、ザエルのその手を叩き払った。

「馬鹿。早くしてよカス。大嫌い」
「ひどいなぁ」
「世界一嫌い」
「そうかい」

ザエルアポロは満足そうに笑った。

「…変態」
「君に対してだけだよ」