ごちそう

「ねー修兵くん、ご飯まだー?お腹すいた!」
「うっせ!あとちょっとだ!」
「はーやーくー」

同期の優はたびたび俺の部屋に来て、タダ飯を食うのが習慣になっていた。飯を作るのも俺の役目で、優は本当に食べるだけだった。

「ねーお腹ぺこぺこなんだけど。お腹と背中くっついちゃうよ」

なんて言いながら、優はお腹を、というか胸を俺の背中にぴったりくっつけてきた。

「…悪くねぇけど、料理中に俺が手滑らせたらどうすんだよ」
「私に傷がついたら修兵くん責任とってくれるでしょ?」

ふふ、と笑いながら横島はか細い手で俺の体を撫で付ける。そういうことされると食い気より色気が勝ってくる。

「お前な……いいから、遊んでねぇで座っとけ」
「暇なの」
「飯、後にするか?」
「んー……修兵くんがご飯食べなくても元気なら、それでもいいかも」

仕事の疲れが無い訳ではないが、密着されて誘われて、それでも休んで飯を食いたいと思うほど疲れてはいない。飯は後にしてやろうと思いコンロの火を切った。振り返ってみるとやけに肌色が多く目について、優はどういうつもりなのか、裸にエプロンしか纏っていなかった。

「それは料理手伝う気だったのか俺に食われる気だったのかどっちだ?え?」
「どっちでもいいようにだよ」

優は楽しそうに笑いながら背伸びして、唇を重ねた。体を抱き寄せれば直に肌に触れることになり、体がびくりと震えていた。

「あっ…」

首筋に舌を這わせ胸を揉みしだけば、さっそく胸の先端が固く反応を示していた。場所を変えようと思い、優の体を抱き抱えて居間に連れていった。布団なんてまだ敷いていなかったから畳みに降ろし、エプロンを剥ぎ取った。

「修兵く、んっ」

胸に吸い付き秘部に手をやれば優の口から甘い声が漏れる。可愛いことに、既にそこは濡れていてすんなりと指が呑み込まれた。

「待って、ここじゃ背中、痛いから……」

優は体を起き上がらせ、俺に向き合うように足に跨がってきた。

「……この体勢でも入るかな?」
「…意外と大胆なことするよな」
「飽きられたくないもん」

可愛いこと言いやがって。
優は俺のモノをあてがって、ゆっくりと腰を下ろした。ずぶずぶと呑み込まれ、心地よい熱に包まれる。

「…修兵くん……好きだよぉ」

好き好きと言いながら腰を振られ、目の前で揺れる胸に目を奪われる。

「優っ……」
「はっ……うっ、ん」

ぽたぽたと雫が落ちてくるから汗かと思ったが、優の顔を見てぎょっとした。

「何泣いてんだよ」
「し、修兵くんとえっちできて、嬉しくて…」
「…嬉しそうな顔には見えねーけど」

このままヤるのもどうかと思い、優の体を抱き締めた。

「もしかして、飽きられたらどうしようとか思ってんのか?」
「……うん」
「で、考えてたら泣いてたってか」
「……うん」

馬鹿なくせに余計なこと考えやがって。

「泣くくらいならちゃんと言え。最中に泣かれたら萎えるだろ」
「えっ、ご、ごめんね、泣き止むから続きしよ」
「だから、そういう無理もするなって。優に無理して欲しくねぇし、大事にしてぇんだよ」
「…修兵くん、私のこと好き?」
「好きに決まってんだろ。じゃなきゃこんなことしてねぇよ」

優しく口付けてやれば、優の表情が明るくなって安心した。

「ごめんな、不安にさせちまって」
「ううん、修兵くんのせいじゃないから」
「…元気でたか?」
「うん、ありがとう」

優はにこっと微笑んで、また唇を重ねた。本調子に戻ったみたいでよかった。

「…さて、気を取り直して」
「えっ、続きするの?」
「優が可愛いから我慢できねぇ」
「…なら、しょうがないね」

優も満更でもないようだし、申し訳程度にさっき剥ぎ取ったエプロンを畳みに敷いて、優を押し倒した。

「いただきます」