師走

 十二月は書き入れ時だ。クリスマスから年末年始と忙しくなる。
 バイトの時給も良くなり、臨時のバイトも増える。

「晋助、俺バイトの掛け持ちすっから、夕飯は作れねぇ、悪いけどスーパーで適当に見繕って食べてくれ。あと、買い物頼むわ。買い物で無駄なもん買うなよ」
「さっさと行け」

 ひいじいさんの古い本を読み耽っている晋助に声を掛けて玄関を出ていく。
 晋助は人の話は聞いているが、人の言うことは聞かない。
 一抹の不安を抱えながらバイト先へ急ぐ。


 夜遅くに帰宅して、疲れていたのでそのまま自分の部屋でぐっすり眠った。
 昼少し前に起きて、朝食兼昼食を作ろうと台所に入れば

「なんじゃこりゃぁぁ」

 白菜、長ネギ、キャベツ、みかんにりんごその他がテーブルに放置されていた。

「晋助! あれほど無駄なモン買うなっつただろうが、てか金、足んねぇだろ? お前、夕飯、何食べたんだ?」

 縁側でのんきに白石さんとくつろいでいる晋助に詰め寄る。

「夕飯は鯖の味噌煮定食を食べた。そこの通りの先の定食屋だ。台所のアレは買ってねぇぞ、ヒマつぶしに通りの商店街をブラブラしたらもらったんだ。それからメモにあったモンは買ってきたが」
「もらったぁぁぁ?! お前、何したの? 商店街ってどういうことだよ」

 呆れて声も出ないでいる俺をチラリと見た晋助は楽しそうな含み笑いをした。

It is over.

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