かわいいな、好きだな、と思った瞬間、気付けば身体が動いていた。目の前に座るナマエの唇に自分のそれを重ねていた。ここが革命軍本部の食堂だということは頭からすかkり抜け落ちていた。
「え、ちょっと!サボくん何やってるの!」
「なにってキスしただけだ」
「ナマエちゃん!生きてる?大丈夫?」
どこからともなく駆け寄ってきたコアラがナマエの心配をしている。ナマエは顔を両手で隠しているが、赤くなった耳までは隠せていない。照れてるだけだな、これは。
「サボくん!いくら恋人同士だからって、こんないっぱい人がいるところでそういうことするのはよくないよ!」
「仕方ないだろ。楽しそうに飯食って笑ってるナマエがかわいかったんだから」
「それ仕方なくないよね!我慢しなよ、そういう気持ちは。ほんっとにナマエちゃんのこと溺愛しすぎだよ、サボくん」
「溺愛ってほどでもないだろ。恋人のことを好きだって思うのは普通じゃないか」
「そういうことを公衆の面前に言うもんじゃないって話よ!」
「なんでだよ。みんなにもオレとナマエのことはバレてるのに何が問題だ?」
「え、これもはやそういうプレイなに?新しい形の惚気方なの?」
コアラは頭を抱えてぶつぶつと呟いているが、オレとしては恥ずかしがって照れてるナマエの顔が見たい。
「ナマエ、顔隠すなって」
「今絶対真っ赤だから無理」
「真っ赤な耳は見えてるぞ」
「うぅ」
指をちらっとずらしてナマエと目が合う。やっぱりかわいい。
「早く飯食っちゃえよ。ここでキスしたらコアラがまた怒りそうだし。オレの部屋行こう」
「……は、はい」
ナマエは顔から手を離して、黙々と飯を食べ始めた。部屋に行ったらいっぱい抱きしめてキスしたいな、なんてことを考えてたら、後頭部をコアラに叩かれた。
「なにすんだよ、コアラ」
「考えてること全部顔に出てるよ、サボくん」
「悪いかよ」
「他のメンバーの士気にも関わるからしっかりしてくれる?参謀総長」
「参謀総長だって普通の男だって方が親しみやすいだろ」
そう言ったらもう一発殴られた。まあいいか。後でナマエに慰めてもらおう。
どんなに力があっても、どんなに地位があって、大好きな女の子を前にしたら誰だってただの男でしかないんだから。