放課後、校門のところでナマエを待っていると、先に現れたのはエースとルフィだった。
「あ!サボだっ!サーボ―!」
「ナマエ待ちか?」
「あぁ」
ルフィは俺の腰のあたりに抱きつくから、後ろに倒れそうになる。
「なぁなぁ、サボォ、今日の夕飯は俺の食いたい飯にしてくれよぉ。昨日はエースの好きな辛ぇやつばっかだったし」
「わかった、わかったから!ナマエを家まで送ったら帰りにスーパーに寄ってやるよ」
「やったー!」
「ほんとにお前はルフィに甘いな」
「いや、お前に言われたくねぇって」
夕飯の担当は俺、朝飯と弁当はエースの担当って分担制にしてる。二人と話しているとナマエが近付いてきた。隣に見慣れない男がいるけど、誰だそいつ。
「ねぇねぇ、いいじゃん、ナマエもたまにはサボ以外と遊びたいって思うだろ?」
「思いません。サボくん以上に好きな人もかっこいいと思う人もいないですから」
「でも、サボって兄弟大好き野郎じゃん。すっげぇブラコンって有名だぜ」
「兄弟思いの素敵な人なんです。もう、ついてこないで!」
大人しいナマエが珍しく人前で声をあげて嫌がっている姿に一瞬で頭に血が上った。駆け寄ってナマエに付き纏っている男の頭を右手で掴んだ。締め上げるように爪を食いこませていく。左手はナマエの肩に回し、自分の胸元に顔を寄せるように抱き寄せた。
「ぐっ!痛てててて」
「お前、俺の彼女に何してんだよ」
「サ、サボ…」
このまま頭蓋骨を割りたいくらいの怒りを覚えていると、その男の両頬が左右から殴られた。
「ぐはっ」
右からルフィに、左からはエースに殴られた男は俺が手を離すと、その場に崩れ落ちた。
「兄弟の彼女をいじめる奴は許せねぇだろ」
「そうだそうだ!ナマエは将来俺のねーちゃんになるんだからな!いじめる奴は俺の敵だ!」
「お前ら」
ルフィとエースの言葉に感動してると、俺の額がぺちっと叩かれた。
「ナマエ?」
「でも、暴力はダメだよ」
地面で伸びてる男の横で、俺とエースとルフィはナマエに怒られたが、そんな彼女も俺は可愛いと思った。