好きな子に告白したらフラれた。

「サボくんは誰にでも優しいから、彼女になっても苦しい思いをしそう」

ナマエは同じゼミを選択している女の子。元々はコアラと幼馴染らしく、コアラを通じてオレも知り合い、いつの間にか好きになっていた。
何度か二人きりで映画を観に行ったり、買い物をしに行ったりして、デートと呼べるようなことを繰り返していくうちに、ナマエもオレのことは嫌いじゃないと確信を得た。いつもみたいに二人で出かけた帰り道、ナマエの家の近くの公園で告白した。そして冒頭に至る。

「……そんな風に見えるのか?」
「うん」
「オレが優しいのはナマエにだけだ。好きだから、他の奴よりも大事にしたいと思ってるし」

ナマエは座っていたベンチから立ち上がり、オレの前に立った。

「サボくんの優しいところ、私すごく好きだよ」
「なら」
「それに好きだから、サボくんの全部を独り占めしたいって思うの。でも、サボくんのことはきっと独り占めできない」
「……なんで」
「サボくんには自由に生きててほしいから。私のこんな重たい気持ちで縛りたくない」

そう言って俯くナマエの足元に、ぽつりぽつりと涙の滴が落ちていた。オレも立ち上がると、ナマエを抱きしめた。

「オレの自由にはナマエが必要だし、オレの生きる世界には一緒にナマエもいてほしい。それに重たいなんて言ったら、オレの気持ちの方が絶対に重いと思うぞ」
「サボくんって意外と負けず嫌いだよね」
「そうか?」
「……こんな重たい私を彼女にしてくれるの?」
「うん。オレの彼女になって」

顔を上げたナマエの唇に触れると、そこからじんわりと熱が上がっていくような気がした。
その日のうちにコアラにはナマエと付き合うことになったとメッセージを入れておいた。大学でコアラから「この要件人間!私の幼馴染奪っておいて、もっと言うことあるでしょ!」と腹に一発パンチを入れられたオレをナマエは苦笑しながら見ていた。

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