「ナマエ、ちょっといいか?」
「は、はい!総長!」
本部の中でナマエの姿を見かけて呼び止めれば、素直に立ち止まってくれた。書類を抱えているその手を引いて、オレの執務室に連れ込んだ。隣同士に並んでソファーに座り、上着のポケットから小さな袋を取り出した。
「これ、この前言ってたやつ。全く同じじゃないけど、結構似てるの見つけたから」
袋から取り出したのは小さい蒼い石がついたネックレス。ナマエの掌に乗せてやれば、ナマエは驚いたように俺の顔を見上げた。
「総長、これ、あの、おいくらしたんですか?」
「二人きりの時は名前で呼ぶ約束だろ。値段のことは気にしなくていいよ。オレが勝手に買ってきただけだから」
「総長……あ、えっと、サボくん、ありがとう」
「つけてやるから貸して」
ナマエの掌からネックレスを取り、正面から首の後ろに手を回してつけてやった。目線の下に見えるつむじすら愛おしく見えるのは、たぶんオレが相当ナマエに惚れ込んでいるということだろう。ネックレスをつけ終わると、身体を離す前に、ナマエの額にキスを落とした。
「サ、サボくん!」
「うん、いい感じだな」
満足そうにナマエの首元で揺れるネックレスを見ていると、オレの胸にナマエが凭れかかってきた。
「サボくんが私に甘すぎる」
「甘すぎるのはダメか?ナマエのことが好きだから、甘えてほしい、笑っていてほしい、喜んでほしいって思ってるだけだ」
「私の方がサボくんへの好きの気持ちはずっと重いと思ってたのに」
「ははは。オレは案外好きな奴には甘いし、重いんだ」
「ネックレス、本当にありがとう」
「次は失くしたらすぐに言えよ」
ナマエは先日の戦闘中にお気に入りだったネックレスを失くしてしまい、元気がなかった。コアラにどうしようと泣きついているところを盗み聞きしたオレは、似ているネックレスを見かけ、今日こうして渡したのだ。まだ凭れかかっているナマエの身体に腕を回して抱きしめると、ナマエもオレの背中に手を回した。たぶんオレはいつまでもナマエに甘い男にしかなれない。