いつものように食堂にナマエに会いに行ったのに、姿が見えなかった。

「なぁ、ナマエは?」
「ナマエなら今日は部屋にいるってさ」
「休み?なんで?」
「体調悪いんだとよ」

恋人のオレよりサッチの方がナマエの不調を知っているのがなんか悔しかった。たしかにナマエはサッチの隊に所属してるけど、体調悪いなら先にオレに言ってくれたらいいのに。モヤモヤした気持ちになりながらも、ナマエの部屋に足を向けた。ナマエはナース達との相部屋で、普段オレもあんまり入ったことがないから、部屋の前で一応ノックをした。ドアが開くと、中から同室のナースが出てきた。

「エース隊長?どうしたんですか?」
「ナマエいる?体調悪いって聞いたけど」
「あー、言っていいのかな。ナマエちゃん、昨日から月のものきちゃって、痛みがひどくて夜も眠れなかったみたいなの。顔色も悪かったから、みんなで今日はお休みしなって言ったんです」
「それって大丈夫なのか」
「病気じゃないですし、マルコ隊長がお薬くれて、今は少し落ち着いたみたいで眠ってますよ」
「入ってもいいか?」
「どうぞ。エース隊長がいてくれる間に、私ナマエちゃんのご飯もらってきますね」

オレと入れ替わるようにナースが部屋から出て行った。部屋に入って、窓際のベッドに近付く。いつもより顔に血の気がないように見えるナマエが眠っていた。ベッドの縁に座って、頬に触れるとナマエの目がゆっくりと開いた。

「……エース、くん?」
「大丈夫か?」
「うん。エースくんの手、あたたかい」

オレの手に顔をすり寄せるナマエに愛おしさがこみ上げた。抑えきれなくて、額の髪を少し除けて、唇を落とした。

「今日のエースくん、雰囲気がすごく甘いね」
「なんだよそれ」
「弱った私には一番のお薬ってことかな。ねぇエースくん、手ここに置いてて」

ナマエはオレの手を引いて布団の中に引きこむと、服の上から腹のあたりに置かせた。たぶん女の子にとって大事な場所。

「やっぱりエースくんの手は温かいね」
「温める方がいいんだっけ?」
「うん」

眠っていた時よりナマエの顔色は良くなったように見えた。

「じゃあ、こうしててやるから、ゆっくり寝てろよ。さっきまでこの部屋にいたナースが飯取りに行ってるから、戻ってきたら起こしてやる」
「わかった。エースくんもありがとう」
「ん」

もう一度、額にキスをすると、ナマエは安心したように再び眠りについた。

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