ドラゴンさんが連れて帰ってきたのは女ヶ島育ちで元九蛇海賊団という女だった。

「彼女のことはお前に任せる」

その言葉と女を残してドラゴンさんはオレの部屋から出て行った。

「えっと、お前名前は?」
「ナマエ。17歳です」
「なんで革命軍に?」
「天竜人に奴隷として連れていかれた姉を取り戻したいんです。姉と言っても血は繋がっていないけど。私は姉に救われたんです。だから世界政府を倒して、姉を助けるために革命軍に入りたくて、ずっと探してきました」

それからナマエ自身の話を聞いた。本当の出身地は北の海で、10歳の時、故郷が災害に遭ったこと。孤児だったのを九蛇海賊団の一員だった姉と慕う女に救われ、そのまま九蛇海賊団に入り、女ヶ島で育ったこと。シャボンディー諸島で自分を庇った姉が天竜人の奴隷にされたこと。話終わる頃には緊張の糸が切れたのか、気を失うようにぱたりとソファーに眠ってしまった。そのままでは身体も休まらないと思い、オレは横抱きにして自分のベッドに寝かせた。

「ずっと戦ってきたんだな。この小さい身体で」
「……んっ、おね、え、ちゃん」

頬にかかった髪を払ってやると、閉じられた目からぽたりと涙が一粒流れ落ちた。その涙を拭ってやると、ナマエの口に少しだけ笑みが浮かんだ。
月日が流れ、ナマエが革命軍に入ってから4年が経とうとしていた。今日もコアラとナマエは仲良さそうに稽古をしていて、オレはそれを少し離れた場所で見ていた。隣で同じように見ていたドラゴンさんが話しかけてきた。

「お前は一緒に稽古しないのか?」
「コアラに止められたんですよ。オレはナマエに甘いからって」
「恋人に甘くなるなんていう、かわいいところがサボにもあったんだな」

少し前にナマエが初めて単独で潜入調査をしていたが、大怪我を負って帰ってきて、そのまま3日間も目を覚まさなかった。その時オレは心臓が止まりそうになったし、ナマエを失いたくない気持ちと、ナマエへの特別な感情に気付いた。そして、目が覚めたナマエに告白して、オレたちは恋人になった。

「ナマエは生き急ぐ性格だから、オレっていう存在がいれば、無茶はしないかなって思うんですよ」
「それはお前にも言えることだろ」
「それもそうですね」

オレの言葉にドラゴンさんは静かに笑っていた。

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