オレの彼女のナマエはよく眠るし、一度眠ると起きない。
食べてる最中に突然眠るエースがいるから、初めてそれを知った時、似たような体質の人間っているんだなと思った。
大学の授業が終わって今日はナマエとそのままデートに行こうと、図書館で待ち合わせていた。ナマエの方が先に授業が終わったようで、スマートフォンに「いつものところで待ってるね」とメッセージが来ていた。
図書館の2階の一番奥の窓際の1人用のデスクがナマエのお気に入りの場所。思った通り、ナマエの姿はそこにあった。デスクに腕を枕にして、ナマエは眠っていた。

「また寝てる」

近くにあった椅子を拝借して、ナマエの顔が向いている方に座り、気持ちよさそうに眠っているナマエを見る。ナマエには言ってないけど、オレはナマエの寝顔が一番かわいいと思っている。少しだけ開かれた口に髪が入りそうで、指でどけてから、頬を撫でる。

「髪食うなって」
「…んっ……むにゃ…すぅ…」

多少反応はするが、この程度では起きない。

「サボ…くん……」

寝言で俺の名前を呼んでる。夢でもオレと会っているんだろうか。こういう姿がかわいいから、ナマエを起こすのが勿体なくて、ついこうしてナマエの寝顔に魅入ってしまう。

「ほんとかわいいやつ」

まだナマエの寝顔を見ていたい。でも、今日はナマエがずっと行きたがっていたアフタヌーンティーの予約が取れたから、眠って行けなかったら悲しむのはナマエだ。起こすしかない。

「ナマエ、起きろ」

身体を揺すってから、ナマエにキスをした。角度を変えて、数回ちゅっと音を立ててキスをしていれば、ゆっくりとナマエの瞼が開いた。

「ん……サボくん?」
「そうだよ。おはよ」
「あれ?私また眠ってた?」
「うん。かわいい寝顔だった」
「はうぅ、寝顔なんてかわいくないのって。それに、またチューして起こしたの?」
「眠り姫は王子様のキスで起きるっていうのが定番だろ」
「ふふ、自分で王子様って言っちゃうんだ」
「悪いかよ」
「ううん。サボくんは王子様だよ。かっこいい私だけの王子様」

ナマエは一度背伸びをして立ち上がった。オレも椅子を元の位置に戻して、ナマエの手を握った。ナマエも握り返してくれた。アフタヌーンティーで喜ぶナマエの顔も楽しみだ。

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