バイトが終わった18時過ぎ。もう6月半ばになると、この時間でもだいぶ外は明るい。近所のスーパーの前を通りかかると、ちょうど中からエコバッグを2個持ったナマエに会った。近寄って2個ともエコバッグを奪い、片手で持って、空いた方の手はナマエの手を握ってオレは歩き始めた。
「サボくん、重くないの?」
「重たい。でも、ナマエと手繋ぎたいし、オレが持ちたいからいいんだよ」
「1個持つよ」
「ダメだ」
「どうして?」
「こういう時は荷物持ってやって、かっこつけたいのが男だから」
「そんなことしなくてもサボくんはかっこいいよ」
「嬉しいこと言ってくれるな」
ナマエと同棲している家まではあと15分。
「買い物の中身からして今日はカレーか?」
「うん。材料見えた?」
「オレの中ではナマエのカレーが一番美味いカレーだな」
「いっぱい作るからいっぱい食べていいよ」
「オレも作るの手伝う。ついでに明日の分まで作っておいて、エースとルフィも呼ぶか。あいつらもナマエのカレーは美味いって言ってたし」
「サボくんたち三兄弟に褒めてもらえるの嬉しいなぁ。張り切って10人分くらい作らなきゃかな」
楽しそうに笑うナマエにオレも頬が緩む。高校の時から付き合い始めて、エースとルフィにも紹介して、大学は別々の所に通ってるけど、入学と同時に同棲を始めた。それから4年目の春。就職先も決まっているオレの頭の中では、ナマエとのはっきり未来も描いている。たぶん、ナマエもオレと似たようなことは考えてくれているっぽい。というのは、ナマエの友達でもあるコアラからの情報だ。
「ナマエが作る料理はなんでも美味いよな」
「今日のサボくんは褒め上手だね」
思わず先走りそうになる言葉を飲み込んだ。プロポーズするなら、ナマエが自分が一番幸せだって思えるような思い出に残るようなプロポーズをしてやりたい。ずっと好きだと、永久に愛してると、オレと幸せな家族になってほしいと全部の想いを伝えたいと。そんなことを考えながら、ナマエの手を握る力を少しだけ強めると、ナマエも握り返してくれた。