電車にナマエと並んで座ると、きまってナマエはオレの方に体を預けてくれる。でも、目線は手の中のスマートフォンに向けられたまま。オレはナマエの腰に手を回して、更に体をくっつかせる。
「今日の飯どこがいいか決めたか?」
「まだ決まんない。お肉も食べたい気分だけど、麺類も捨てがたい」
「スイーツもだろ」
「スイーツは決まってるの。この前オープンした牛乳屋さんのミルクアイス」
「並ぶのか?」
「もう予約取ってるんだぁ。褒めて」
「流石ナマエだな」
ナマエが見ているのは今から行くショッピングモールの館内案内のサイト。もうすぐルフィの友達のゾロが誕生日だというので、プレゼントを見る予定だ。
「なぁ、ナマエ」
「なぁに?サボくん」
「今日は泊まれるのか?」
「明日1限からだからどうしようかな。サボくん手加減してくれる?」
「うーん、ナマエの今日の下着の色が黒なら手加減してやってもいいかな」
いじわるそうにそう言うと、ナマエは睨むようにオレを見上げた。さっきちらりと見えたスカートの中の下着が黒色ではないことをオレは知っている。ってか、短いスカート履いてもいいけど、中に何か履けっていうのも守ってないナマエが悪い。
「サボくん、知ってて言ってるでしょ」
「今日は水色、当たってるだろ」
「むぅ…サボくんのえっち」
「男は誰でも好きな子にはえっちなんだよ」
ナマエの肘がオレの脇腹に刺さって痛い。
「明日の朝、ふわふわたまごのオムレツ作ってくれる?」
「そのくらいお安い御用だな」
「じゃあ泊まってあげる」
こうしてなんでもない時間が幸せだって思えるのもきっとナマエがいてくれるからだと思った。