以前チームを組んでいたハルオミとの簡単なミッションを終え帰投したギルバートを見つけた桜色の少女がぱたぱたと駆けてきた。
自分よりも年下で神機使いとしての経験も浅いが現在ブラッドの隊長を務めている少女だ。
「お疲れ様です、ギル」
今日は彼女も別のミッションにアサインされていた筈だ。自分たちの任務よりも難度の高いものだったと記憶している。
この時間帯はまだ出払っているものだと思っていたので予期せぬ出迎えに少しだけ驚いた。想定より早く任務が終わることもよくあるのだが。
「キトリーも任務じゃなかったのか?」
「いつもより早く終わったんです。きっと一緒だったシエルのサポートが良かったんですよっ」
にこにこと嬉しそうに話すキトリーはとても神機使いとして過酷な戦いに身を投じているようには見えない。
特殊部隊ブラッドの隊長である前に彼女は一人の少女なのだと改めて思い知る。
決して普段忘れているわけではないが、どうしても「隊長」という役職が彼女には付きまとう。ミッションでも作戦の指揮など、やらなければならないことは多い。
「ギルのほうは大丈夫でしたか?」
「ああ、殆どが小型のアラガミだったからな。油断しなければ苦戦するような相手じゃない」
「怪我とかは……」
「心配するな。どこも怪我はしていない」
良かった、と安心したように息を吐いたキトリーにギルバートは呆れる。
自分よりも難しい任務を受けていたキトリーのほうが怪我の可能性はあるだろう。見たところ、怪我はしていないようだが小型アラガミを掃討しただけのギルバートと大型種を倒したらしいキトリーとでは彼女のほうが疲労も溜まっている筈だ。
他人の心配をする前に自分のことを心配すればいいのに、と思わないわけではないが気にかけてくれるのは嬉しくもある。
「ギルはこれからお昼ですよね」
「急にハルさんと出ることになって食べる時間もなかったからな」
「わたしもまだ食べてないんです。一緒に行ってもいいですか?」
「ああ」
誰かと一緒に食べたほうがご飯もおいしく感じるのだとキトリーは笑った。
以前なら彼女の言葉の意味が分からなかったかもしれないが今ならその気持ちも分かるような気がする。
早く行かないと食いっぱぐれるぞ、とギルバートはキトリーの手を引いた。その行動に驚いたのか、目をぱちくりさせているキトリーの様子が面白かった。
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