今日のキトリーはいつも以上に上機嫌に見えた。
コウタやロミオと一緒に聞いて覚えたのか、それとも本人に直接教わったのか定かではないが時折、歓迎会でユノが歌ってくれた曲を口ずさみながら楽しそうに料理をしている。
「あ、ギル」
「機嫌良さそうだな」
「聞いてください、今日はいつもより苦戦せずにアラガミを倒せたんですよ」
満面の笑みを浮かべたキトリーはすごいでしょうと言わんばかりに胸を張る。
なるほど、それで上機嫌なのか。今日はお互い違うミッションに出ていたのでキトリーの活躍は見ていないがそういえば彼女と一緒だったジュリウスとシエルも「今日はいつもより早く終わった」と言っていたような気がする。
良かったな、とキトリーの頭を撫でると彼女は顔を綻ばせた。こうしてみるとキトリーは神機使いではなく年相応の少女である。
「あ、そうだ。良かったらわたしが作ったオムライスの味見をしてくれませんか?」
「いいのか?」
「余っていた材料を譲ってもらったので作ったんですけど、自信作なんです」
足りない材料もあったのでもしかしたら少し物足りなく感じるかもしれませんけど、と苦笑したキトリーは皿に盛り付けたオムライスをギルバートの前に差し出した。
流石に調理師の資格を持っているムツミには及ばないかもしれないが、彼女の料理の腕もかなりのものだ。
一口、オムライスを口に運ぶ。卵もふわふわで、とてもおいしい。
材料が足りないと言うが、少なくともギルバートには何が足りないのか分からなかった。
「……うまいな」
「本当ですか? 良かったあ……」
自信作とはいえ、やはり人に食べてもらうとなると緊張するらしい。
ギルバートとキトリーでは味覚も違うのだから自信作でも口に合わない可能性もあるし当然ではあるのだが。
「少しですけどおかわりもあるので、遠慮せずに食べてくださいねっ」
ふわりと笑んだ彼女に釣られて思わず笑みをこぼす。
嗚呼、任務の合間の何気ないこんな日常が幸せなのだと。満たされていく自分を感じた。
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