何故こんなことになっているのだろうか。
先程からギルバートと手を繋いだまま極東支部を歩いており、意識するととても恥ずかしい。
元々はブラッドのメンバーと、それから一部の極東所属の神機使いで簡単なゲームをしていた。
負けた人は罰ゲーム、なんてありきたりなルールで始まったゲームは思っていたよりあっさりと決着がついてしまう。要するにキトリーが負けてしまったのだ。
にやにやしながら「罰ゲームとしてギルと手を繋いだままよろず屋で買い物してくること」なんて言い出したロミオとコウタを思い出すと少し悔しい。
勝ち抜けていたギルバートも突然の指名に驚いたような表情を浮かべていた。
決して嫌ではない。それどころか罰ゲームとはいえ彼とこうして手を繋いで歩けるのは幸せなことだ。
ただ、少し、周りの視線がどうしても気になってしまうというか。
「あの、ギル?」
「どうした?」
「ギルは嫌じゃないんですか? せっかくゲームは勝ったのに、わたしの罰ゲームに付き合うことになって」
「まあ、嫌だったらとっくに断ってるだろうな。それよりお前こそ俺が相手で嫌じゃないのか?」
「そ、それは、嫌なわけないじゃないですか……!」
ギルバートがそうであるように、罰ゲームではあるが嫌だったらロミオやコウタに抗議しているだろう。
無理難題を言われたら最初から断るつもりでいた。それがギルバートと手を繋いで買い物、なんて内容で拍子抜けしたくらいだ。
「罰ゲームですけど、こういう機会をくれた二人にはお礼に回復錠でも買ったほうがいいですかね」
「お礼、か。どうせあの二人のことだから最初から俺とキトリーに何かさせるつもりでゲームを始めた気もするが」
「そ、そうなんですか?」
「恐らくは、な」
そう言われてしまうと余計に恥ずかしくなる。
嗚呼、だから罰ゲームを決めていた彼らはにやにや笑っていたのだろうか。
何度も言うが決して嫌ではない。ただ、今の自分の顔はマグマ適応型のアラガミより赤くなっているような気がする。
「でも、嬉しいですよ、ギルと手を繋いでお買い物できるなんて」
おしゃれな店ではなく、怪しげなよろず屋ではあるが、心からそう思った。
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