以前、たまたまデータベースで見た少女の情報。即ち、誕生日が5月15日であると。それはギルバートの誕生日と同日だ。
「わあ、偶然ですね〜」
誕生日が同じだと知った少女――キトリーはどこか嬉しそうにそんなことを言った。
何がそんなに楽しいのかと思うほど、ギルバートといるときのキトリーは楽しそうにしている。例えば一緒に任務へ行くことになったとき。ブラウニーを焼いたとき。特に会話をするでもなく、ただ隣にいるだけでも幸せそうな顔をするのだ。
彼女のそんな表情は決して嫌いではなく、それどころか今では心地よさを感じる。
キトリー、と呼べばふにゃりと笑う彼女の姿。
「誕生日、欲しいものはないのか?」
「欲しいものですか?」
そうですねぇ、と呟いて少し考える素振りを見せるキトリーに苦笑する。
真剣に考えているのか、それとも何も考えていないのか分からないけれど、欲しいものが何もないというわけではないだろう。
キトリーが望むのならばブラウニーを焼くことも苦ではない。誕生日くらい、彼女の望むことをしてやりたいと思うのだ。
「あ、そうだ」
「ん?」
「ギルは何か欲しいものありますかー?」
彼女の頭の中でどう繋がったのか定かではないが、どうやらふとギルバートにも誕生日プレゼントを贈りたい、と思ったらしい。
その気持ちは嬉しい、が此方から贈るつもりだったプレゼントの話はどうなったのだろうか。
ぽん、とキトリーの頭に手を乗せる。
「……俺は何も貰わなくてもこれで十分だよ」
「じゃあ、わたしもギルがいてくれるだけで十分です」
キトリーは本当に心から幸せそうに笑うなあ、と。きっと、そういうところが好きなのだ。
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