ぎゅう、と。これでもかってくらいに堅く堅く閉じられた瞼にそっと唇を落とす。すると緊張で強張っていた肩が大袈裟なくらいに跳ね上がって、真っ赤な顔をしたキトリーが、僅かに涙に濡れた瞳で見上げてくる。口をぱくぱくと開閉させ何かを伝えようとしているが、全く、声になっていない。その様子はいつ見てもおかしくて、愛おしくて。彼女の代わりにという訳ではないのだが、ギルバートは声を上げて笑った。
「もう、笑わないで下さい……! ギル、ねえ、聞いてますかっ?」
「聞いてる。にしても……ッハハ、お前、本当に慣れないんだな」
「ま、まだ笑いますか!?」
頬を膨らませて不服そうな彼女に悪びれる様子もなく、ギルバートはキトリーの頭を撫でる。これである程度大人しくなるのを知っているからだ。……ほら、もう口を噤んでしまった。まあ多少、眉間に皺は寄っているけれど。
しかしそんな表情ですら可愛いと思ってしまうのだから、これは、きっと重症なのだろうと思う。
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