一人で決意するカズマ
「ねえ、痛いよ、」
泣きそうな、か細い声が鼓膜を揺らす。抱き締めた身体もまた声同様か細く、小さく―――――消えてしまいそうだ。果たして自分は、この腕で何が救えるだろう。この、壊れかけた傷だらけの右腕で、何を守る事が出来ると云うのか。貫き通すと決めた時から揺るがなかった想いは、今、何処に在るのだろう。
だが、何と言ってもやはり小難しい事を考えるのは苦手だ。いちいち悩む時間が勿体無いし、思考を巡らしたからといって答えが見付かる訳でもない。考えるより先に動いてしまった方が、余程良い。ああそうだ、俺はまだ、あの日の心を失くしてはいない。それは探すまでもなく、今も確かに俺の中に在るのだ。
「決めたんだ。決めてたんだよ、とっくの昔に」
「、……何、を?」
眼前で、女は首を傾げながら目を瞬かせる。分からないのなら分からなくて良い、分かる必要は無い。決して口には出せぬ誓いを一人、何度も繰り返し胸の内で呟いた。
2016/05/02 23:25
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