誰かが言う「敵討ちなんて虚しいだけ」

※死ネタ前提のモノローグなので、一応追記に。
軍籍設定ですが、誰が相手とかは決まってないのでお好きに補完してください。


お前は戦争を嫌いだと言った。軍人のくせに、戦う事は虚しい事だと憂えた顔をして戦場に赴き、憂えた顔のまま戻って来ては溜息を零していた。当時は、やる気も無いのに生きて帰ってくるのが不思議で、首を傾げたものだ。
そんなお前が、ついに戻らなくなったのは何時の頃だっただろうか。何時も通りに敵陣へ向かって行って、そしてそれ切り帰っては来なかった。あの切なげに歪められた双眸を目にする事は、もう二度と出来ない。

「(ああ、……そうか)」

お前が居なくなった今ならば、お前の言っていた虚しさがどんなものかも、少しは分かる気がする。殺して、殺されて、また殺して、それこそ終わりの見えない鼬ごっこだ。確かに虚しいし、そして何よりも不毛な事だと思う。
お前を殺した誰かを殺して仇を討っても、今度は俺がまた誰かの仇になるのだろう。嗚呼、なんと空虚で無意義な連鎖か、―――――本当に下らない。誰の生命を引き換えにしたとて、お前はもう二度と、此処へ戻っては来ないのだから。

2016/05/03 00:02


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