{ #name2#ちゃん(はぁと)
なぁに?}

{今日何時まで?
んー7時ぐらいかなー}

{その後用事ある?
ない}

{ほなうち来てー(はぁと)(はぁと)(はぁと)
なんで}

{うちでご飯食べへん?(はぁと)
ご飯食べる!}

{明日は?
やすみー}

{ほなお泊りやな(はぁと)
(はぁと)
(はぁと)
(はぁと)
(はぁと)

きもい}
やめて}
きもい}

{ひどい!(ぷんぷん)
{#name2#ちゃん?
{#name2#ちゃん!

なにー}

{来てくれるん?
終わったら行く}

{待ってる(はぁと)





ピンポーン

「おじゃましまーす」
「いらっしゃい(はぁと)」
「んー!いい匂いするー!」
「コート掛けてくるな」

と、私のコートを持って部屋を出た大倉。
さすが。
亮だったら自分で掛けなきゃシワシワになるし。
なんて思いながらダイニングに入ると目に入るテーブル。
えっ何これすごい…
テーブルに乗せられたキャンドルに綺麗に活けられた真っ赤な薔薇。
両サイドにはナプキンからフォークナイフ類が綺麗に並べられていて、さながらフレンチレストランのよう。

「座っててー?すぐ用意するな」
「え?あ、うん」

何これ凄すぎるんだけど…
あいつこうやって女口説いてんの?

「はい、お待たせー」
「きゃー!すごい!」

出てくるのはグレービーソースのかかったローストビーフにマッシュポテト、ルッコラのサラダにアヒージョまで出て来た。

「これ全部作ったの?」
「んふっ今日は頑張ったで」
「すごい!私の好物ばっかり!」
「はよ食べよ(はぁと)」

それを合図に大倉の料理に舌鼓を打つ。
どれも素人が作ったと思えない程の料理で、レストランに行かなくてもこんなに美味しい料理が食べられるって大倉すごいなーとひたすら感心した。

「デザートもあるで。持ってくるな?」

と、空いたお皿を下げに行った大倉を見送って考える。
私はなんでこんなにおもてなしされてるのだろうか…
なんかあったっけ?

「ねー大倉ぁ」
「んー?はい、デザートは#name2#ちゃんの好きなミルクレープにしたんやで」
「すごーい!大倉すごい!」
「シャンパンも飲むやろ?」
「あ、うん」

シャンパンを注いで向かいに座った大倉は、自分は食べないらしく「早く食べて」と言う顔をした。
揺れるキャンドルの炎に照らされた優しい目をした大倉の視線にむずがゆくなる。

「おいし?」
「うん、すっごく!」
「ほんまぁ?よかったぁ」
「あのさ、こんなにおもてなししてもらってすっごく嬉しいんだけど…」
「ん?」
「なんで?なんかあったけ?」
「えー?わかってなかったん?」
「いや、普通わかんないでしょ」
「もーホワイトデーやん!」
「あ、ホワイトデーかぁ!」
「わかってへんとかびっくりやねんけどー!(笑)」
「そっか、だからか!ありがとう!嬉しい!」
「喜んで貰えて嬉しいけど、もう一つあんねん。これ」

差し出されたのはとっても見覚えのある、こっくりと赤い細長いケースだった。
ケースでさえ肌触りのいいそれはさすがハイブランドと思わせる物で、上蓋を開くと細くて華奢なゴールドのチェーンに一粒のダイヤがついたブレスレットだった。

「ちょっと…大倉これ…」
「綺麗やろ?#name2#ちゃんに似合うと思ってん」
「綺麗だけど…いいの?」
「#name2#ちゃんに買ってきたんやで?貰ってくれな困る(笑)」
「忠義…ありがとう。大事にするね」
「んふっどういたしまして」
「……今日、泊まってく」
「ほんま?やったー!お風呂入れてくる!」

バタバタと浴室に走って行った大倉の背中を見ながら思う。
大きくなったんだな、と。
あのいつも下を向いて自信なさげにしていた頃が嘘のように、立派になったな。




「それにしてもこうやって女口説いてんの?」
「え!そんなわけないやん!こんなんしたん初めてやし!」
「へーそうなんだ。うっかり落とされるとこだったよ(笑)」
「落ちてくれてもよかったんやけど…」
「ん?なんて?」
「べつにー?」
「そ?」




素敵なホワイトデー、ありがとう忠義


15.3.14
Chloe