Night time wander
「……泳いでこいよ、山田一郎」
夏。プール。水着。肉体。日射し……否、夏の定番が揃っているこの場で、ギラついてるべき日差しだけが控えめで大人しい。
というのも、時刻は既に午後五時を回っているからだ。貸し切ったホテル併設のプールは本来ナイトプールだったのだが、二郎と空却が待ちきれないというので時間を押して水着に着替え四人で出てきた、というわけである。
「いや、俺今日こそはハッキリさせたいんで」
トルコカラーパラソルの下のビーチチェアで横に並ぶ男二人は、目を合わせないまま会話を続ける。視線はあくまで彼女たちに向いている。その彼女たちといえば、少し離れた流れるプールできゃっきゃっとはしゃいでおり、天上ここに極まれしという尊さを振りまいている。
一郎がサングラスを外す。ティアドロップ形の下から出てきた存外幼さの残る顔立ちが、まっすぐ前を見据えたまま口を開く。
「ずばり、どこに惚れたんスか」
「だーかーら、惚れてない。無理いわれたから付き合ってるだけだ」
「俺は全部ですよ」
……聞いてねぇよ。そうも言えず、天国獄は鼻から息を吐いてより深くチェアに沈む。
今回の旅行を計画したのは山田二郎と波羅夷空却である。休みを合わせて贅沢しよう、と。当然、未成年の山田一郎と二郎にそんな懐の余裕はない。天国獄の奢りだ。俺の奢りだちょっとはしろ感謝、というわけだ。
恐縮する山田一郎に出世払いを『期待しておく』と言って、天国獄は都内のホテルを予約した。夏だから泳ぎたいという女子二人のリクエストに従い有名なプールが併設されている場所を、且つ教育が行き届いた口の堅いスタッフがいるところを、である。交際が世間に知られている獄と空却はともかく、一郎と二郎の関係が漏れればそれは獄の責任になると獄は考えていたからだ。
ホテルはともかく、プールは夜の時間帯だけ貸切ることに獄は決めた。それは多少顔を知られている彼女たちが周りを気にせず全力で遊べるように、という彼氏としての配慮でもあったし、あといってしまえばナンパ対策である。一人でいてもただでさえモテる二郎と空却は二人揃えば二倍どころか二乗効果でモテる。それがプールなんていうオープンな場になれば尚更だ。百八十五センチと百七十九センチの彼氏が目を光らせていたとしても、自由奔放な彼女たちを見守るのは限度がある。無論、ナンパされたところで流されてしまう彼女たちではない。むしろがんつけて追い返す、くらいするし、怖がる振りをして彼氏たちに甘えるというしたたかさだってある。彼氏たちもそれを盛り上がる(なにをとはいわないが)材料にすることもできる。
だが、とにかく、キリがないのだ。入れ食いなのだ。それこそ常時張り付いているくらいじゃないと男は無限に寄ってくる。いくらおいしいシチュエーションだからといって限度がある。だからもういっそ貸切ったということだ。
「そもそもなにをそんなこだわってんだよ」
「一応親友なんで」
温度差、というのか。きゃあきゃあとオレンジ色の夕陽の下ではしゃぎあう空却と二郎の眩いペアに対し、獄と一郎の間で流れる空気はいっそ剣呑なそれである。しかも少々、奢った側の獄に分が悪い。へーこらされても獄は気分が悪いし、恩着せがましくなる気も無いがこういう時にマジで遠慮ないのが山田一郎という人であるな、と改めて実感する。
「親友なら言ってやってくれよ。もっと別の男探せって」
「じゃあ俺が貰おうかな」
一瞬の沈黙。視線は交わらない。
「あのなぁ、大人を挑発すんな」
「大人ってすげぇなぁ。俺ならブチ切れてますよ」
「キレては、いる」
天国獄と波羅夷空却は、今こそ世間に認められたカップルであるが、その馴れ初めは、少々、特殊である。現に、天国獄は未だに波羅夷空却には“惚れていない”と主張する。波羅夷空却は天国獄に追いつこうとしたこれまでの数年で何度も転び、既に傷だらけであるし、天国獄はその傷を労わる資格が己には無いと思っている。
一方、山田一郎と山田二郎が“兄弟”から”恋人”へと成った経緯を、本人たち二人以外は一切知らない。時代が違ければ大罪だった愛に、こうしてカップル同士の付き合いが始まった獄と空却でさえもその中身をまるで知らされていない。
それだから、獄は一郎と二人きりになるのが少々気まずい。いやかなり気まずい。尋問されるのがかなり厳しいのだ。今日だってなるべく二人にはなりたくなかったのに、プールサイドに出た途端彼女たちはぴゅ〜っと二人を置いて走り去ってしまった。そうして恒例の尋問をされている。どこに惚れたんですか。だから惚れてねぇ。
ふと絶え間なくあがっていたはしゃぎ声が小さくなる。みると、二郎と空却は貝殻形の浮き輪に二人でのってぷかぷかと流れるプールの水流に身を任せていた。長くすらっとした脚を伸ばしてぱちゃぱちゃと水面を叩き、二人でのんびりと話をしている姿は、
「空却、まじでかわいいな」
それに限る。獄は「そうか?」となんでもないように答えつつ内心で激しく首を縦に振って同意している。俺の彼女、まじかわいい。まじで地上にうっかり出てきた人魚そのもの。
「お前のとこのもなかなかだぞ」
本心で思ったのでそう言ってみる。実際、かわいいのだ二郎は。空却と並んでも見劣りするどころかそのかわいさを二乗効果させるくらいには。
「二郎!」
突然、獄の隣の一郎が手を口に当てて二郎を呼んだ。愛しい兄の声に、二郎が勢いよく起き上がるのが獄からも見えた。
「獄さんがお前のこと可愛いって!」
え、何言ってんだ、という意味合いで獄が一郎の方を思わず見る。そうこうしている内に二郎は貝殻浮き輪から下りて、プールサイドに上がると水の跡を滴らせながら二人の方へ歩いてきた。獄のそばまでくると、ぺったりと全身を隙なく重ねるようにその体の上にうつ伏せで乗っかる。
「なーんだよ天国獄。俺のこと散々ガキとか言っといて、実はかわいいって思ってんじゃん」
獄のサングラスを外し、そのテンプルの端を噛みながら艶っぽく口端を持ち上げる。
山田二郎。十七歳と思えない色気をもつ彼女は、山田一郎の恋人でありながらなにかとギリギリの挑発を普段から天国獄に行う。兄とは色違いのオッドアイに垂れ目。大きな瞳と唇を強調する黒子。肉感のある体に、くるくる変わる表情。アンニュイな色気のある表情に見惚れていると、ふとした時に見せる年相応の無邪気さ。山田二郎に夢中にならない男はいないが、生憎彼女は一人の男に心を捧げて他には見向きもしない――筈なのに、なぜか天国獄は気に入られている。もっとも問題があるのは、それを止めない山田一郎である。
「離れろエロガキ」
微動だにせず天国獄が言い放つ。
「どかない♡なあ獄、チューしてやろうか」
おい流石にこれは……と天国獄が山田一郎の方を見るが、彼は感情の読めない真顔で二人のことを見下ろしているだけである。まじでこいつら分かんねぇ、と迫りくる唇を手でカードしながら獄はため息をつく。
そんな時だ。ぴゅぅ〜〜と山田二郎の後頭部に水がかかった。「ちべたっ!」と叫んだ山田二郎が後ろへ振り向くと、やたらゴツい水鉄砲を持った空却が仁王立ちして二人を睨んでいた。
「獄から離れろ」
「あーごめん空却」
驚くほど素直に獄の上からどいた二郎は、ふん、と頬を膨らましている空却に軽い足取りで近づきぎゅうと抱き着く。
「次獄にちょっかいかけたら、一郎にチューするからな」
「ごめんってば〜!」
――波羅夷空却。若くして仏道に身を捧げた少女であり、天国獄の恋人。
高校生の自分に天国獄と知り合い、それから惚れに惚れ倒して“未成年に手は出せない”とあくまで言い続ける天国獄がいよいよ折れるまでアタックを続けた。職業弁護士の天国獄の倫理観やルールをねじまげるのにおよそ数年かかり、そんな波羅夷空却の天国獄に対する溺愛っぷりは筋金入りである。既にメディアにも関係を暴露済であり、二人は“ひとくう”として世間に受け入れられているカップルだ。未だに天国獄の主張は「押し切られただけ。惚れていない」を曲げないが、波羅夷空却からは最愛の男を手元に置いてある余裕が滲んでおり、そこがまだカップルとして日が浅い一郎と二郎との最も大きな違いといえる。
「なあもう一回泳ぎに行こうぜ!」
「そうだな」
二人がまたプールの方へ戻っていくのを見ながら、獄は深い溜息をついた。
「お前のとこの、どうなってんだ……」
「可愛いでしょ」
「可愛い。うちのが可愛いが」
***
「ん、これでらうめぇ!」
空却は瞳を輝かせて一気にドリンクを飲み干した。リゾート仕様で浮かれ切ったデザインのドリンクが情緒もクソもなくあっという間に空になり、カランと氷が音を立てる。空却はグラスにささっていたパイナップルにかぶりつきながら「おかわり欲しい!」と声を上げた。
「カウンター行けばもらえるだろ」
「場所怪しい。獄ついてきて」
「わーったよ」
膝に手をついてやれやれと腰の重そうに獄が腰を上げる。空却が手を繋ごうとして獄が腕を持ち上げて逃げて、というやり取りをしながら二人はプールの向こうへと消えていった。
獄と空却が去った後、山田二郎は残されたグラスのストローをくわえてちゅるっと僅かな残滓を吸い上げてみた。
「うわっ!これまじでおいしい!え、俺も飲みたい!」
「じゃあ追いかけておかわりもらってこいよ」
「そうする!」
「走んなよ!」
「はーい」と返事をして、二郎は小走りで二人が消えた方向に足を進める。その内人の気配が少ない場所に辿り着き、向こうに丁度曲がり角が見えた。道が合っているだろうか……と不安になっていると、二人の話し声が耳に届いた。二郎は走るなと言われたのも忘れ、走ってその曲がり角を目指した。
「おーい空却天国ひと……」
そして目にした。
壁に押さえつけられて熱烈なキスをされる空却を。
「〜〜〜〜〜っ!!」
咄嗟に口を押えて隠れるようにその場にしゃがみ込んだ。ドキドキ、と胸が高鳴ってうるさい。
物音がしなくなったのを合図におそるおそる壁から顔を出してみると、ばつの悪そうな獄となんでもない顔をした空却が二郎を待っていた。
「あの……」
「……ドリンクか?」
「あ、うん」
「二つもらってくるから先戻ってろ」
「あ、はい」
来た道を戻る二郎の頭の中には先ほどの光景が焼き付いて離れてくれなかった。
空却、エロかった……あんな苦しそうにして、まさに貪られているって感じで、獄もすごい怖い顔して……俺も、キスされている時あんな感じ?
夢見心地でふわふわしたまま戻ってきた二郎の異変に一郎はすぐ気付いた。どうした?と聞いても二郎はどこかうわの空である。一郎の隣に腰をおろしてもじもじと手を組んだりほどいたりしていたが、やがて意を決したように口を開いた。
「あのね、空却と獄、めっちゃエロいキスしてた……」
「マジか」
あんな冷静そうに見えて、結構ギリギリだったんだな獄さん……と一郎は改めて大人の己を制す力に尊敬を覚えながら自分のコーラを口に運ぶ。
そうしてしばらく誰もいないプールの水面を眺めていたが、ふと気付いた。隣の恋人がまだもじもじとしている。ちらちらとこちらを見てきて、目が合うと弾かれたように逸らされる。
「どうした?」
びくっと二郎の肩が跳ねる。
「あの、俺も……兄ちゃんと、エロいキス、したい」
「ただいまー」
丁度その時空却と獄が戻ってきた。獄は両手に先ほどのジュース、空却はデカくてフルーツやらがこれでもかと盛られたかき氷を持ってビーチサイドチェアに座る。
「これココナッツジュースっていうんだってな。あとうまそうなかき氷あったからもらってきた」
「あと山田一郎、これコーラな。でこれが……」
「すんません。俺ちょっと部屋に忘れ物してきたんで取りに行ってきます。かき氷、食べちゃっててください」
山田一郎が立ち上がる。獄だけは見逃さなかった。その男を熱っぽく見上げる山田二郎を。
「……おうそうか」
「行くぞ、二郎」
「……うん」
そうして手を繋いだままホテルの方向へ小さくなっていく二人を見つめ、獄はため息をついてかき氷にスプーンを突き刺した。
「なかなか見つからなさそうだな、忘れ物」
「だろーな!」
***
日が沈み、ようやくプールサイドにもロマンチックな空気が醸されてきたころ。
「拙僧らちょっと用事ー」
「彼氏さんたちは待ってろよな」
そう言い残して空却と二郎が姿を消した。つまり、男だけでやたら雰囲気のあるナイトプールに残されてしまった。
山田一郎は気にした様子もなくビーチチェアでくつろいでいるが、天国獄はそれなりに気まずい思いをしていた。別に山田一郎との相性は悪くないのだが、このムードだけがある空間に残されるとなると話は別だ。なんだか変な気が起こりそうで……いや間違っても起きないが、とにかく気まずい。
と、そんな時だ。
「「お待たせ!」」
「遅ぇぞ、なにやって……」
振り返った獄は思わず固まった。恋人の水着が、黒と白のバイカラーのビキニへ変わっていた。
獄の隣の山田一郎も手からスプーンストローを取りこぼした。山田二郎は赤いビキニタイプの水着に着替えていた。
二人の少女は最初得意げにしていたが、彼氏たちからの反応がないとなると徐々に不安げに眉を顰め、お互いを見て「失敗したか?」と声もなく訴えかけてくる。獄は難しい顔をして固まっているし、一郎も大差ない。恋人へのサプライズが失敗した不安ばかり膨らんで、ナイトプールのBGMだけがやたら大きく感じられる。
すると突然獄が動き出した。続いて山田一郎も立ち上がり、固まる二人の彼女にずかずか近づく。そして軽々と横抱きに抱き上げた。
「あー」
「あー」
彼氏たちとしてはホテルに直行したかったが――彼女たちの気持ちを汲みそれぞれプールへ向かって歩いて行った。
じゃぷん、と天国獄が胸まであるプールに入る。浮き輪なしでは入ったことのない深いプールに連れられて、空却が焦ったように獄の首に縋りつく。
「満足か?」
獄のいいように空却は顔を上げる。知らぬ人間が見ればイラついている表情だ。だが空却はそうでないと分かっている。腕を伸ばして、ぶに、と獄の頬を両手で挟む。
「満足だよ」
にこ、とそう笑う少女にいよいよ獄は降参という体で苦笑いする。わきの下に手を入れて高く抱き上げてやると「これ赤ん坊扱いじゃねぇか!」と空却が叫んだ。その眩い笑顔に一瞬獄は見惚れて我を忘れた。ライトアップされた場でみる恋人はあまりにも綺麗だった。
「空却ーー!」
と、そんないい雰囲気の中に二郎の声が響いた。思わず獄が舌打ちする。
一郎と手を繋いだ二郎がこちらに向けて手を大きくブンブン振りながら、プールの中を歩いて近づいてくる。
「なあ、写真忘れてた!撮ろうぜ!」
「撮る!」
「あとな、兄ちゃん……可愛いって言ってくれた!」
「獄!拙僧かわいいって言われてない!」
「可愛いんじゃねぇか?」
と、ここまではいい調子だった。
問題はその一時間後に起きた。サービスとしてホテル側がアルコールの提供を行ったのだが、その提供するサービススタッフたちが女性で、さらに言えば少々胸元がオープンな衣装を着ていた。
見てしまう。いくら最強に可愛い彼女がいたとしても、下心はなくとも反射的に見てしまう。女性遍歴の豊かな天国獄は不可避であった。
それに鋭敏に気づいた空却が水鉄砲で怒りの猛攻を行い、ダメ押しに天国獄のしどろもどろの言い訳に腹を立て、結局二郎を連れて二人だけでプールに向かってしまった。
「いいんスか?」
一郎が言葉をかける。
「……よかねぇよ。でもどうしようもねぇだろ」
「その様子だと、喧嘩で自分から謝ることなさそうですね」
ぐしゃり、と獄はセットされた前髪をかき乱し、「あーも」と呟くとその場に立ち上がった。無言で一郎を置いてプールに向かう。
獄の合流と同時に、慌てて離脱してきた二郎が一郎の傍に侍り、不安そうにプールの方を見守っている。
やがて二人が手を繋いで戻ってきた。空却の目元は赤く腫れている。
「俺たち、先にホテル戻るわ」
「あ、なら俺らも戻りますよ。な、二郎」
「あ、うん」
「……」
予定よりかなり早くナイトプールの貸し切りを打ち切るように獄は連絡した。四人はこれからプールを利用する客たちの人並と入れ替わるように、部屋がある最上階へ向かうためエレベーターに乗った。
エレベーターの中は四人だけだった。二人と二人がそれぞれしっかりと手を握っている。無言の時間。
「……むっつりスケベ」
ふと空却が口を開いた。二郎が獄を見上げるとばつの悪そうに頬をかいている。
「なあ、どうやって仲直りしたんだ?」
「してない」
「ふーん」
二郎はそれきり興味を失ったように一郎の腕に絡みつき「にいちゃん、にいちゃん」と甘える。
ちん、とエレベーターが止まった。
誰かが息をのんだ。
***
部屋に一歩入ると同時に二郎と空却はそれぞれの彼氏に抱き上げられた。逃がさないし逃げられない、そんな状態に二人の胸がどくどくと高鳴る。
そのまま部屋の奥に移動し、昨夜四人で眠ったキングサイズのベッドに二人はそっと下ろされた。二つの影が二人を見下ろし、その迫力に空却と二郎は知らず知らずの間に後ずさる。恐ろしいのではない。事実、二人の頬は紅潮し、興奮で息が荒い。
「さて、まず……」
獄が口を開いた。
「どうしようか」
続くように一郎が。二人は腕を組み、追い詰められた草食獣のような二人を見下ろしている。事実今の力関係はそうである。
獄が顎髭を撫でながら無言で思案を巡らせていると、二郎がふと己たちを見下ろしている男たちからは目を逸らさないまま空却をつんつんとつつく。空却も獄から目を逸らさないまま二郎に耳を貸し、二人はひそひそ話を始める。やがて合意に至ったようで、二人の表情がとろりと蕩けた。淫蕩な妄想をしていると一目で分かるそれだ。
「あにょね……♡」
とろーんとした顔の二郎が口を開く。それだけでぶるりと体を震わせている様はまさに“発情”という言葉が似合う。二人の体は既に交尾への準備ができている。
「拙僧らぁ、いじめられたい……♡♡」
空却は指で作った輪っかを口の前に持っていき、舌を出してアピールする。
ぶわり、と男たちから漏れる迫力が一層増した。目の前の雌共を孕ましてやる、という気迫が増した。一郎と獄がベッドに膝を乗せる。ぎしり、とベッドが軋み、二郎と空却は怯えるように一歩後ずさる。だがもう逃げられないし、男たちも当然逃がす気はない。
「は、ふぅ……♡♡」
「んあ、んぅ……♡♡」
四人が予約したホテルは夕食会場にドレスコードがある。男たちのそのネクタイで全裸に剥いた空却と二郎に目隠しをし、更にタオルで両手を後ろでに縛った。
右も左も分からなくなり膝立ちのまま困惑する二人の少女の唇に突きつけられたのが勃起した二本のちんぽだ。セックスを躾けられた二人の少女は、そこから香る強烈な香りでそれが彼氏のものだと分かるや否や暗闇の中でしゃぶりついた。ちゅぱ……♡と亀頭に吸い付き、これから気持ちよくしてくれるちんぽを完全勃起に至るように口での奉仕を始める。
そもそも二人は喉を犯されただけで絶頂できるようにされている。空却は獄に仕込まれたが、二郎は知らなかった。それを四人で濃厚な4pセックスするようになってから、獄が二郎に一郎伝いで仕込んだのだ。今や空却と二郎の口は口を犯されただけでまんこのように口内でちんぽを絞り、射精に導き、本人たちも絶頂できるようにされている。
「ふぁ、んん……♡♡」
「んちゅ、んん♡♡」
段々とお互いの香りが強く混じってきて、空却と二郎は己がどちらのちんぽに奉仕しているのかも分からなくなってくる。お互いの顔は頬が触れ合うほど近く、ちんぽもまた同じだ。時折己の唇に亀頭が二つぶんくっつけられることも察している。するともう一人が見えない視界になりにそれを羨み、唇を開けて今度はここに突っ込んでとアピールするのだ。
さて、そんな不自由な奉仕を見続け施され続けている男たちのちんぽはいい加減完全勃起していた。びきびきと反り返り、きんたまもでぷんと重く垂れさがって二人の少女を孕ます時を今か今かと待っている。少女の顔は先走りでドロドロだし、これ以上ちゅぱちゅぱとされればどちらが早いか射精することも見え始めてきた。
「もういい」
「そうッスね」
ふと二人からちんぽが離れて行った。あ……と切ない声を漏らしたのはどちらか。
余韻に浸る間もなく、二郎は誰かに抱き上げられた。――いや、分かる。この身体の厚みと整髪剤と香水の香りは天国獄だ、と二郎は察する。肌の密着の度合いで、いつの間にか男も服を全て脱ぎ去っていたことを悟る。しかも、自分が獄に抱き上げられているということは、今頃愛しい兄は――……
「やだっ、やだ、にいちゃんがいい……♡」
駄々をこねるが聞き入られるわけがない。いやだ、いやだという間にどこかに立たせられる。そのまま壁に前から押し付けられ、尻の肉を親指で割られる。
「壁に手ぇつけ」
「やだ、やだっ……♡♡」
ぐう、と勃起したちんぽが押し付けられたのは尻の穴だ。獄と寝るようになってから、すっかり縦割れに育てられた肉の輪にちんぽがぐうと押し付けられる。アナルセックスが二郎は苦手だ。兄ちゃんじゃないのも嫌だし、うんちのあなせっくすも嫌だ。いや、いや……と口でこぼし続ける。
だが、いやいやを無視されるのに興奮している。もっといじめられたい、もっとめちゃくちゃにされたい――……めり、とちんぽの先端がアナルの輪を超えた。
「んぅ、んんん♡♡」
「――ひとや、ひとやぁ……♡♡」
強烈な衝撃に喉を反らして喘いでいると、空却の声が聞こえた。切なく恋人の名を呼んでいる。
空却は騎乗位で抱かれていた。同じくアナルに十代のびきびきに漲ったちんぽを押し当てられ、上へ上へと逃げようとしていたが、無駄である。ずぶずぶとちんぽを挿入され、あっという間に直腸を征服された。
別にちんぽに甲乙を付けるわけではないが、一郎のちんぽは獄のちんぽとはまた違った趣がある、と空却は考えていた。技巧派を自称する獄と違い、一郎は勢いがすごい。猛烈にピストンされると羞恥もなにもかも忘れて気持ち良くなれる。ちなみに弾数は大差ない。元気すぎる三十五歳だ。
一方二郎も同じことを考えていた。本能にまみれた兄とのセックスとちがい、獄はとにかく羞恥を煽ってくる。羞恥心でめちゃくちゃになって涙をボロボロ流しながら、的確に気持ちいいところを責められるのが最高にイイ。ただし二郎は絶対にそれを獄に伝えない。
尻肉を開かれ、生ちんぽで無茶苦茶に下から突かれる。がくがくと揺さぶられながら空却は必死に恋人の名を呼んだ。えらばったカリ首でぞりぞりと直腸の壁を削掘され、どちゅどちゅとぱんぱんの亀頭で最奥を殴られる度に頭の中に星が散る。一郎は別の男の名を呼び続け、いやいやと拒否する少女を無言で突き上げ続けた。
「ひとや、ひとやぁ……!ひとやがいぃ……!♡♡」
「くッ……!」
そもそもフェラチオで育てられたちんぽに、ナマ直腸オナホは刺激が強すぎる。一郎はあっという間に見えてきた絶頂に、下腹に力を込めてどちゅどちゅどちゅ!!とラストスパートをかけ始めた。尻肉を跡がつくほど強く掴み、少し上で固定して腰を叩きつける。両膝を折り、つま先で体を支えて鍛え上げた下半身の筋肉で突き上げまくる。
「くっ、出るッ……!」
限界だった。どちゅん!とちんぽを最奥にハメて、びゅう、びゅるるぅ、びゅう……♡♡と射精する。どくどくとちんぽみるくを注ぎながら、(また俺のが早かった……)と言葉に出さず呟く。ぬぽん、と半勃ちで精液まみれのちんぽを引き抜くと、いよいよ限界というように空却の体が前へ倒れこんできた。
「あへ、あひ……♡♡」
最奥でのちんぽみるく射精に呆気なく絶頂した空却は、一郎の肩に額を預けてあへあへ♡と喘いでいる。一郎はその頭をよしよしと撫でてやりながら身を起こし、離れたところで立ちバックをしている獄と二郎に目を向けた。
「にいちゃんっ、にいちゃんっ♡♡」
自分の名を呼んでいる恋人を獄が後ろから猛烈な勢いで乱打している。第三者目線から見るセックスのエロティックに一郎は思わず釘付けになった。絶頂が近いのであろう獄が腰の動きを速めていき、二郎の悲鳴が比例するように大きくなっていく。
獄の腰の動き。筋肉の隆起。くびれた腰から繰り出される雄々しい一打に波打つ二郎の瑞々しい肉。一郎の喉が鳴る。
「ハッ、出るっ……」
「やだ、やだぁ♡♡」
ぐっと獄が二郎の腰を高く持ち上げ、どん!と壁に手をついて小刻みに奥をつく。その迫力に一郎の肩がぴくんと跳ねる。やがて、獄の動きが打ち付けた際にぴたりと止まり、ぶるり、と水を弾く獣のように腰を震わせた。射精しているのだ。二郎も壁に縋りながらぴくぴくと全身を震わせている。二人のセックスを目の前にして、一郎のちんぽはすっかり勃起していた。
「ちくしょう、獄、おぼえてろ……」
イッた体で二郎がそんなことを呟きながらずるずると床に崩れ落ちる。獄は汗でおりた前髪を手でかきあげ、崩れ落ちた二郎を横抱きにベッドへ戻ってきた。二郎の尻の下からみえる獄のちんぽは勃起の太さを維持したまま下向きに垂れている。もういっかいしゃぶらせるか?と一郎が考えていると、獄がおもむろに二郎の目隠しをといた。
あ、もうこれ終わりか。察した一郎も体の上から空却を下ろし、目隠しと手の拘束を解く。ネクタイの下から現れた空却の瞳は真っ赤に腫れて、斜め下をみて鼻をすすっていた。二郎も同じだ。すっかり泣きはらした瞳でキッと獄を睨んでいる。しかしその息が荒い。二人共アナルセックスで絶頂してすぐだというのに、やっと彼氏に抱いてもらえる期待に既に興奮していた。
いつもそうである。4Pプレイは彼女を必ず交換するが、メンタル面的なリスクが高い。必ずその後にフォローしなければならない。具体的に言えば、必ずイチャイチャセックスを挟んで彼女たちのメンタル面を回復しなければならないのだ。いや、空却と二郎もたしかにいやいやと言いながら無理を通されて別の彼氏に抱かれることを楽しんではいるのだが。
「お前らで百合プレイしろよ」
と、思われたが、唐突に一郎がそう言い放った。
思わず獄が一郎の方を見る。今までにない提案だ。すっかり彼女を抱く気でいたし、抱かれる気でいた空却と二郎も顔を合わせて目をぱちくりさせる。
「ゆりってなんだ?」
空却がそう首を傾げる。一郎との交友がある獄は意味が分かってしまった自分に呆れたのか、手で顔を覆っている。
「俺らでいちゃらぶしろってこと」
「へ」
二郎が説明する。固まる空却に対し、二郎は兄からの命令に困惑しつつ頬を紅潮させている。獄は獄で一郎から有無を言わさぬ雰囲気を感じ取り、溜息をついて首をやれやれというように振っている。仕方ない、という体であるが、全くノリ気でなかったらこの時点で止めている。つまり彼も多少興味があるのだ。
空却はごくりと唾を飲み込んで己を見下ろしている二人の男たちを見上げる。一郎の据わった瞳は、親友を自称する空却にも今はなにを考えているか読めない。
「できないなら、今日はもう解散」
「わ、わかった!やる!」
空却が一郎の言葉を遮って真っ赤な顔で声を上げた。二郎は艶やかに唇の端を持ち上げた。
さて、ポジションが大事である。
男たち二人はベッドの下方に腰を下ろし、それぞれリラックスした体勢で目の前で繰り広げられる“百合プレイ”を見守っている。
ノリ気だった二郎が自然とマウント上を取る形になり、空却を押し倒す形でのっかっている。くちゅ、くちゅ……ときこえてくる控えめだが可愛らしい水音は二人のキスの音だ。貪りあうようなそれでなく、舌同士を重ね合って僅かに吸い合うような、戯れのようなキス。両手は恋人繋ぎで繋ぎあっていて、いまだお互いの体には触れていない。ぎゅう、ぎゅう、と押し付け合う二つのおっぱいが卑猥な線と隙間を型作っていて、男共の視線は主にそこに向いていた。
余裕のある二郎がちらりと後方に視線をやる。一郎と獄のちんぽが半勃ちしているのを確認し、キスを止めないまま僅かに目を細める。そのまま繋いでいる右手を解き、空却の下に手を伸ばす。薄い薄い毛をかきわけ、肉がぴっちり閉じたワレメの上の肉粒を優しく押しつぶすと、空却が目を見開いて下半身を跳ねさせた。
「っあ!」
「空却、かわいい……」
唇が離れた拍子に二郎がそううっとりと呟く。くりくりとクリトリスをいじりながら体を上下に揺すると、乳首同士がこすれあって敏感な快楽を二人にもたらした。
二人のバストは平均以上だ。押し付けあう肉は飽和し、横にこぼれている。空却も乳首から得られる快楽を欲して控えめだが体を上下に揺すり始め、あっという間に卑猥な上下運動に二人は囚われた。
「なぁ、……みてるだけで、いいのぉ……?」
ふと空却がそう持ち上げた口角の隙間からそう言葉を漏らした。二郎も空却の視線を追って一郎と獄に視線をやる。二人は緩く己たちのちんぽを手で扱いていた。その光景に二郎の笑みが深くなる。
「拙僧らのココ、つっこみたくねぇ……?」
空却も手を下に伸ばし、二郎のまんこを指で左右に開く。二郎も空却に同じことをした。男たちの気配がぶわりと膨らみ、いっそ殺気と呼べるほどの剣呑なオーラが部屋に充満する。二人はそんな迫力をもろに向けられ、ぶるりと全身を震わせた。
「……あとで泣くまで犯す」
「ぜってー犯る」
獄に続いて一郎がそう呟く。二人のこめかみには血管が浮かんでいた。そう言いつつ手の動きが止まっていないのを、二人共かわいい♡と内心で思いながら、空却と二郎の二人は顔を見合わす。
「あとで、ねぇ……」
「ねぇ……」
そしてまたお互いに夢中になる。先ほどまんこを広げた指でお互いの膣口をくちゅくちゅと指で弄る。
「ふぁ、きもちぃ……♡♡くーこ、くーこ……♡」
「せっそぉ、も、きもちぃ……♡♡」
キスもすっかり激しくなっていた。気持ちが先走るあまり舌が先行してしまっている。ちゅこちゅこ♡くちゅくちゅ♡と上からなっているのか下からなっているのか二人には見当もつかない。始めはやらされた百合プレイであったが、二人はすっかり優しい快楽に夢中になっていた。
べたべたになった手を言葉もなく繋ぎ合い、二人はクリトリスが擦り合うように股の位置を調整し、腰を揺すって擦り合った。乳首もだ。三点がもたらす快楽は大きく、ぎゅうぎゅうと手を握り合って快楽に溺れている。
やがて上の位置をとっていた二郎の体から力が抜け、横にころりと転げた。それでもしっかりつないだ手は離さないまま、やはり乳首とクリトリスの擦り合いで得られる快楽に夢中になっている。
と、そんな花のような二人に二つの影が射した。動きを止めて、横目で空却と二郎はその影を見上げる。股間のものをすっかり完全勃起させた男たちが歯の隙間から息を荒げて二人に近づいきていた。拳銃を向けるように先端から汁を滴らせるちんぽを向ける。それでも尚、二人はふわりとほほ笑んだ。
「せっそぉらに、ちんぽ、いれたいの……?」
「いれたいの……?」
くすくす、とすっかり蕩け切って一つの生き物のようになった空却、そして二郎が笑い合う。
「いれさせて、」
「あーげない……♡♡」
がぽっ、と口からちんぽを引き抜く。ぼろぼろと涙を流している空却はハッハッと息を荒くしてガチガチと歯を鳴らす。
「ごめっ、なさい、もうちんぽいれて、ちんぽいれてぇ」
調子に乗ったお仕置きに頭をわし掴んで喉を散々突かれ、おまんこは疼くばかりでもう限界だ。
二郎も同じ有様だった。喉ばかり突かれてそれ以外は全く触れられない。喉での絶頂による甘イキばかりを誘発させられている。
「ちんぽいれてるだろ」
獄がまた空却の口にちんぽを突っ込む。がぽがぽがぽ!と狭い喉を押し開いて数回突き、びくびくと体を震わせるのを見下ろしてまたずろろ〜〜と引き抜く。ばちん!とちんぽが腹を叩いた。
はぁ、はぁと口端から涎を垂らして、空却は必死に言葉を紡ぐ。
「ちがう、まんこに、まんこにいれて」
「“いれてください”だろうが」
ずいっと唇にちんぽを押し当てられ、ひぃっと空却が悲鳴を上げる。隷属の圧をかけられぞくぞくと背筋を震わせ、戦慄く口で「いれてくださいぃ……」とようやく漏らした。
「よし。そっちは?」
「二郎」
「いれて、ください!おまんこにちんぽ、いれてください!」
二郎が慌てたように口を開く。兄をまっすぐに見上げ、期待と畏怖が入り混じった瞳でちんぽだけをガン見している。一郎は首を僅かに傾げてそんな妹を見下ろしている。
そんな二人を見ながら、獄はやはりこの二人の関係性は謎であると己の考えを改めて認めた。普段は明らかに二郎が一郎に懐いていて、一郎は素っ気ないと思うほどその愛情にあからさまに応えない。始めの頃、一郎は二郎に罪悪感と義務感で付き合っているだけかと獄が思ったほどだ。しかし違うと気付くのも早かった。付き合いを深めていくうちに、むしろ一郎の方が二郎を拘束していると分かった。愛情も恐らく兄がむけるものの方が強い。それも強烈に。いっそ彼女が気の毒になるくらい妹を愛し束縛する男と、普段の万屋を営む真面目な長男坊が獄の中ではどうしても重ならないのだ。
「おて」
「ワン!」
一郎が差し出した手の上に二郎が手を乗せる。突然隣で始められた特殊なプレイにげっと獄が眉を顰める。構わず一郎は二郎へのコマンドを続ける。
「ごろん」
「ワン」
二郎が手足を丸めてうつ伏せになる。一郎がいそいそとその背後に回るのを認め、獄も空却の体に腕を回してひっくり返した。
お互いそれぞれバックの体位で挿入する。散々焦らされたちんぽを空却と二郎は声を上げて歓待した。
「きゅぅ……♡♡」
「ちんぽ、きちゃぁ……♡♡」
そのままピストン運動が始まり、水を打ったような音がそれぞれのリズムでばらばらに重なる。空却と二郎の顔の前にはお互いの顔がある。後ろからばちゅばちゅと穿たれて前後に揺れながらも必死にお互いの唇を捉え、くちゅくちゅと舌を絡め合う。
「じろ……♡♡」
「くぅこ……♡♡」
彼女たちの鋭い八重歯が口内を傷つけないかと心配だった獄も、その蕩けるような囁く声を聞いた瞬間カッと頭に血が上った。それは一郎も同じだった。まるで合図したように二人の腰を叩きつける強度と速度が上がる。
「んぁっ♡あっあっ♡あんっ♡」
「ひぃっ♡♡ん♡あ♡あ♡」
めちゃくちゃな快楽に翻弄されてもうキスも危うい。それでも二郎と空却は必死に手を絡ませて、お互いの舌を貪った。そんな眼下の光景に男たちのちんぽが益々イライラムラムラと煽られる。本当に嫌なら無理に引きはがせばいいだけの話なのだ。しないということはつまりそういうことである。
「はっはっ……」
「っあ……」
低く唸りながら獄はちらりと一郎を見る。額に汗を滲ませながら一心不乱に腰を振る姿はリビドーには直結しないがセクシーだと思った。
そんなことを考えられているとはつゆ知らず、一郎は身体を前に傾ける。シーツに手をついてガクガクガク!と妹の体を乱暴に揺さぶる。
「イくっ……」
「早ぇな十代っ……俺もっ」
一郎の低い唸りに獄が応える。ぐっと腰を構え直し、ばちゅばちゅばちゅ!と二人は射精に向けて一際強く早く腰を叩きつける。翻弄される空却と二郎はぼろぼろ涙を流しながらお互いの喘ぎ声をキスで飲み込んで耐えた。
一拍早く一郎が二郎のまんこから引き抜き、背中にびゅぅ〜〜〜♡びゅう♡♡と精液をぶっかける。尻に熱をかけられた二郎はそれだけで絶頂し、シーツに崩れ落ちてびくびくと舌をこぼして震えた。
そのあと一際深くに腰を突き出した獄も空却の中で射精した。びゅぅ〜〜♡びゅるる♡♡と子宮口に亀頭をくっつけて射精し、子宮に精液を注ぎ込む。
「やあ、イく、イッちゃう、イくっ……♡♡」
中で射精されたらイく、と躾けられている空却が背筋を反らしてぷしゃああとシーツに潮をふく。ぎゅうぎゅう、と中の柔肉で射精したちんぽをちゅぽちゅぽと吸い付き、射精したてのちんぽにアフターフォローを施す。子種口を丹念に吸われた獄はちんぽを突き入れたままぐぅっと呻く。
「いいなぁ、中出し……」
「せっそぉらぁ、こんやくしてるから……♡♡」
二郎がシーツに頬をつけたままむぅと頬を膨らます。
「でもじろうたちも、すぐだよ……♡」
「うん……♡♡」
うっとりとそう語り合う恋人たちを前に、そろそろこちらを向いてほしいと無理やり突き上げて二回戦目を促したのは、一郎の方が早かった。
***
「なんかさぁ、俺らめちゃイチャイチャさせられたのに兄ちゃんと獄あんま絡んでないよな」
「ブッ」
高級ホテルの部屋併設のバスルームは広い。それこそ四人で入っても余裕があるくらい。
バスタブにゆったりと浸かるのは獄と一郎だ。空却と二郎は二人のリクエストで体の洗いっこをしていた。可憐な花に喩えられるほど完璧なプロポーションの二人が石鹸であわあわぬるぬると戯れる姿を快適な湯船で堪能していた獄は、突然向けられた矢に思わず噴き出した。
「すんません獄さん。無理です」
「俺もだわ!」
体を流し終わった空却と二郎がそれぞれの彼氏の膝に――と思われたが、なぜかお互いの彼氏の膝に座る。二郎は獄の膝へ、空却は一郎の膝へ、だ。しかし彼氏たちは特になんのリアクションも起こさない。慣れっこなのだ。
「腹減ったな……」
「メシもいいけど拙僧まだえっちしたいぜ獄」
「もう枯れてんのかよ三十代ーぷぷー」
「よし後で分からせてやるこのガキ」
「やだこわーい」
おまけ
「なあ、めっちゃあった!」
ミニスカメイド服の二郎、こちらもスリットがいろいろギリギリチャイナ服の空却はそれぞれ嬉々として両手にぐろい大人のおもちゃを持っている。叩き起こされた男たちが最初に見たのはそんなごちゃごちゃ世界観の頭が痛い光景だった。
「二郎、かわいいな」
「へへ、ありがと兄ちゃん!」
「拙僧は?」
「かわいいかわいい」
寝起きの獄が頭を押さえながら上半身を起こす。昨夜全裸で寝た四人の中で服を着ていないのは先に起きた彼女たちを除きこれで一郎と獄だけだ。知らない人間が見ればなにやら勘違いされそうな絵面である。
「で、な獄。拙僧ら、これ使われたい」
獄の首に抱き着いていた空却が手に持っているのが、やたらリアリティに凝ったディルドである。色、形、恐らく硬さも。だがそれだけだ。普段使うディルドと特段変わった点は見当たらない。
「ディルド?」
「違うんだよ!これ見てて」
といって、空却の指が根元の睾丸部分を指でぎゅう、と押し潰す。見ているだけで血の気がひく光景に獄があらぬところを冷やしていると、そのディルドの先端からびゅっと白濁した液体が噴き出た。
「な!」
「な!じゃねぇ」
「俺、中出しされたいの!」
抱き枕にされている二郎がきゃははと笑いながら兄と戯れている。その二人と空却に交互に視線をやり、最後に空却を見下ろして獄は首を傾げた。
「お前も?」
「拙僧も使ってみたい」
「本物のちんぽならここにあるが」
「獄はそれ見てシコシコしててほしいの。だーっ、朝勃ちちんぽ押し付けんな」
顎髭を擦りながら想像してみる。にせものちんぽに突っ込まれてひぃひぃ喘ぐ恋人、もうむりもうやだほんものちんぽがいいと請われること、それを見て自慰をする自分、倒錯した空間……うん、悪くないかもしれない。
「まあいいか」
「やった!……獄、これ脱ぐ?着たまま?」
空却が無垢な瞳で上目遣いに獄に伺う。自称極上品の男は前髪を手のひらでかきあげる。
二郎はガーターベルトをつけたまま下着のクロッチ部分を横にずらしてディルドを挿入された。それを横で見ていた獄も空却の腰上まである深いスリットのチャイナをめくり、同じことをしようとしたらパンツをはいていなかった。これには大層ちんぽがイライラして、そのまま空却は数回スパンキングされた。
「うにゃぁ……♡♡」
「にゃあじゃねぇ」
いらだちのまま二郎と違って乱暴に挿入されたディルドに空却はぴぃんと背中を反らした。イッたことは獄だけが気付いた。
まだなにも始まっていないのに既にドロドロのシーツとその上に転がる二人の少女を見下ろし、獄はため息をついた。さて本当にこのありさまで続けられるのかと。
「くぅこぉ……」
「じろぉ……」
ちゅぅちゅぅと口の周りについたミルクを舐め合う子猫のように空却と二郎がお互いの唇をぺろぺろと舐め合う。またおっ始めた、と獄が呆れてふと隣を見ると、一郎はほとんど睨むように絡み合う二人を見て緩くちんぽを扱いていた。
「お前あーいうの好きか?」
「まあ、好きッスね」
ほうそんなものかと獄は納得して、また二人に視線を戻す。向かい合う二人はいつの間にかお互いのディルドに手を伸ばし、ぐちょぐちょと抽挿させていた。それが男たちのちんぽを煽るためなのか、それとも単に快楽を追いたいだけなのか最早どちらかも見当つかない。ただ獄はちんぽを意味ありげに一撫でだけした。
「俺らのちんぽよりヨさそうだな、二郎」
「そ、そんにゃことないよ……」
快楽に耽っていた二郎が慌てたようにそう答える。自分から他に意識を逸らしたことにㇺッとした空却が、二郎の乳首を咎めるようにキュウッと指でつまんだ。
「あうっ、くうこごめ……」
「空却、俺のちんぽとどっちの方がいい?」
くふくふ、と空却が笑う。その笑顔から、あ、なにかよからぬことを企んでいるなと察したのは一郎も同じだった。二郎と空却はタイプの違う美少女だが、空却の方がやや恋人を煽りたい傾向が強い。
「でぃるどのがおおきぃ……くふふっ」
「へぇ……」
獄はベッドの上を膝で歩き、空却と二郎の頭側に回る。そして二人の顔の前にちんぽをズイッと突き出した。
艶やかに笑って男を煽っていた空却の顔から途端に余裕が消える。二郎もだ。目の前にあらわれた先走りを滴らせるちんぽが欲しくてたまらない。空却の口端から涎がたらぁと垂れる。二郎も、もちろん愛おしいのは兄のちんぽであるが、獄のちんぽにはアナルを開発された前歴がある。反射的に股座が疼く。
「あ、あ……」
空却が口を大きく「あ」の形に開く。躾けられているので行儀悪く勝手にしゃぶりつくような真似はしないが、しかしただでさえ物足りないディルドで疼いていた体には拷問に等しい焦らしだ。空却の目はちんぽしか見えていない。
「二郎にしゃぶらせてやろうかな」
「え、やだ!」
空却の瞳が潤む。獄の胸が僅かに痛んだ。
「……じゃあディルドの中出しでイくなよ。イッたらちんぽおあずけだからな」
こくこくっと空却が必死な様子で何度も頷く。
獄は身体を前に倒し、空却のディルドを掴んだ。一部始終を見ていた一郎も二郎のディルドに手をかける。猛烈な快楽を予感し、少女たちの体がぶわりと鳥肌が立つ。
次の瞬間にはぐちゅぐちゅぐちゅ!!と激しくディルドをピストンされていた。
「あっ、っあ!♡やあっ!♡」
「ひっ♡ひぃっ!♡んやあっ!♡」
どちらの結合部も透明な泡で泡立っていた。根元のにせものきんたまでつっかかるところまで挿入し、ぐりぐりと押し付けて子宮口を抉ると二人共背中を逸らして快楽に喘いだ。
「もう出すぞー」
呑気ともとれる調子でそういったのは一郎だ。ごちゅん!!と根元までにせものちんぽを押し付けてぎゅう、とにせものきんたまを力いっぱい握る。びゅう、びゅうう……と掴んでいるディルドからなにかが噴き出ている感触がした。ナカの様子は見えはしないが、二郎は顎を反らしてぴくぴくと震えている。空却も同じだ。
「二郎、ニセモノザーメン中出しされてイッたのか?」
「ひぃっ……♡♡」
一郎はわざとディルドで内壁にニセモノザーメンをこすりつけるように動かしながらゆっくりと引き抜く。こぷり、とJKまんこからこぼれる白濁の光景に一郎はぴきっと頭の血管が軋むのが分かった。中出しを禁じているのは当然二郎の体を考えてのことだ。何故おもちゃに先を取られなければいけないのか。
「空却……」
「ひとゃ……」
獄はぬぽん、とディルドを引き抜き、空却を逆さまに見下ろす。にへらぁ、と力なく笑った空却が「せっそぉ、イッてない……」と呟く。
本当か?怪しいな……と訝しんだ獄も、空却のまんこから白いトロトロがこぼれているのが視界に入ると一気に頭に血が上った。ニセモノとはいえ自分以外のザーメンをこぼしている図以上に雄を煽るものはない。それは一郎も同じだったらしく、二郎の脚を折り曲げて無言の圧を放ちながら種付けプレスの体勢をとっている。たっぷりとしたレースをめくるのに手間取っていると思ったら、舌打ちをした。あれは相当苛立っている。
獄も強引に空却の体をひっくり返し、バックの体勢をとって小さいまんこを指で広げる。一説にはちんぽのカサ部分は前の男が出した精液をかきだすためのものだといわれている。獄と一郎はそんな本能に支配されていた。このメスを自分たちが孕ますという本能だ。
「ひゃぁっ!♡♡ひっ、にいちゃんっ!♡にいちゃんん♡♡」
「んにゃっ、ひとや♡♡ひとやっ♡♡」
ほとんど同時にちんぽを挿入された一郎と空却が叫ぶように喘いだ。
激しいピストン運動が始まる。先のにせものザーメンをかきだすことに重点を置いた乱暴なピストンだ。ちんぽに絡みつく見知らぬザーメンに一郎と獄はこめかみに血管を浮きだたせ、腰で腰を殴るように乱暴にピストンした。
その後“中出しはしない”という一抹の理性の下二組は大変盛り上がり、夕飯を食べそびれた一行は、結局滞在を二日伸ばした。