お互い様の戯れ


「くっ……」

 ちゅ、ぽん。
 尿道に残る残滓までも吸い上げた空却の唇が、そんな音をたててちんぽの先端から離れる。まるで性行為の途中と思えない猫のような茶目っ気を纏い、“してやったり”顔で唇をぺろりと舐める無垢に眩暈がする。
 頭を撫でてやるところだろう。「よかった」なんて囁いて。今度はこちらの番とばかりに、どろどろに愛撫で甘やかしてやるべきだろう。しかし――
「初めてじゃねぇな?」
「ぐふ」
 さっきまでちんぽを扱いていたまぁるい頬を片手で掴んでぎろりと睨みつける。
 分かってしまったのだ。舌、唇、の動き。口で奉仕しながらも上目で男を煽る目つき。挙句の果てに喉まで誘い込みきゅうと締め付け、射精させる。これが初物にできる動きなわけがない。それなりの経験がある俺には、分かってしまった。
 空却はびくりと肩を跳ねさせて、頬を掴まれたタコのような面のまま目を逸らす。誤魔化されるわけがない。
「言え。誰に仕込まれた?」
「……黙秘権」
「俺のベッド。俺の国だ。拒否する」

 俺、天国獄は最早数えきれないくらい波羅夷空却のいたいけな求愛を地に叩きつけてきた。
 そんな俺に、空却の過去にいちいち妬くツラなどあっていい筈がない。しかしだ。恋人は十九。ただでさえ未発達な四肢が、まだそれより幼い時に――恐らく東都にいた数年だろう。白い肌を喰らい、それどころか自分に都合イイ性技を仕込んだクズ野郎が、いる。想像しただけで腸が煮えくりかえる。
 空却は頭を振って俺の手から逃れると、素早く後ろに下がってべぇと舌を出した。
「絶対いわねー!」
「テメッ……!」
「テメーこそ!乳首しつけー責め方どの女で覚えたんだよ!過去に妬くならお互い様だろうが!」
 手を伸ばして空却の舌をつまむ。急所をとられた空却がカエルの潰れたような声を出して目を見開いている。
 空却の丸い額と自分のをコツンと合わせる。
「……キスもセックスも十六も下のガキを悦ばすために一から覚えたんだよ。高坊のテメーにディープストローク仕込んだクズ吐かねーなら泣くまで抱き潰すぞコラ」
「やってみろよ……」
 至近距離で見た空却の瞳には、たしかにハートが浮かんでいた。


***


「ひとやっ、ひとやぁっ」

 ごりゅっ、とあえて避けていた浅瀬のしこりを強めに潰すと、全身に電流でも通されたように白い肢体が反った。
 すかさずぷりんとした亀頭を掴んで先端だけをこしゅこしゅと手のひらで扱く。腰がくねくねと動いて逃れたがるのを、右腕と左腕でホールドする。今の俺は挿入していない正常位のような体勢で、左腕を空却の太ももの裏に通してアナルとちんぽを同時に責めている。
「っあ、ひとやぁ!これとって!とってぇ!」
 どれのことを言っているのだろう。獄のネクタイでされた目隠しか、それともチープな手錠か。それとも――
「とるわけねーだろバカ」
 ぴんっと天に向いてぷるぷると震えているピンク色のちんぽをでこぴんの要領で指で弾く。その根元には透明なコックリングがはめてあった。
 有事の際に――と思って念のために購入しておいたアダルトグッズが役に立った。空却はまずネクタイで目隠しをされ、その次に後ろに回した腕に手錠をされた時などはむしろ悦んでさえいるように見えたが、性器の根元を戒めるなにかをつけられた時には流石に暴れていた。だが時すでに遅い。いくら熊とタイマンで勝つフィジカルがあろうと両手と視界の自由を奪われていれば押し倒すことなどなんら不自由にない。
 それからはしつこい手マンと手コキを続けている。精巣を内側から押し込み、ちんぽを扱き、射精を促し続けられるのはさぞかし苦しいだろう。ネクタイの目のところはぐっしょりと色を変えている。泣かすとはいったがまさかこんなに早く泣くとは。
「ひとやっ、ひとやくるしいっ」
 かわいそうに。本来の雄としての役割を果たしたことのない、そしてこの先一生果たすことがないであろう綺麗なピンク色のちんぽはぷるぷると震えている。しかし責め苦をやめるわけがなかった。空却が吐くまで、そう何時間でも続けるつもりであった――
「ひとやぁっ!なめるから!なめてあげるからっやめて!」
 くちゅくちゅとちんぽを扱いていると――空却がそう叫んだ。
 ハッと笑う。
「またお得意のディープストロークでか?いらねーよたーけ」
 う〜〜う〜〜と頭をシーツにこすり付けながら空却が息も絶え絶えに言葉を紡ぐ。
「じゃ、おしえて……ひとやのちんぽのなめかた、おしえろよぉ……」
 ……危なかった。なにが危なかったって、いろいろ許してしまうところだった。全て放り出して抱きしめてしまうところだった。かわいいにもほどがあるだろいい加減にしろ!しかし口には出さない。歯を食いしばって萌えの衝動をやり過ごす。
「わーーったよしゃーねーな。おきあがってこい」
 一旦体を引き、解放してやる。空却は何度もよろけながら腹筋で体を起こすと、目隠しされたままきょろきょろと首を動かす。
「ひとや……どこぉ?」
「……ここ」
 いちいちあざとい。イライラして刺激もされていないちんぽが更に服の下で漲る。腕を引くとそのまま前に倒れこみ、空却の目の前にズボンに包まれた股間が丁度きた。
 空却は頬をそこにすりよせ、ぱんぱんに張ったその膨らみを何度も確認しているようだった。しあげにくんくんと鼻を鳴らしたあと、嬉しそうに口角を綻ばせる。……だからあざとい!
「ひとや、ちんぽ、ちんぽ出して……」
 カチャカチャとベルトを抜いて前を緩める。チャックを下ろすとむわあっと熱気が解放された。すかさず空却はそこに鼻を埋め、深く深呼吸する。すると、とろん、と顔がとろける様子はまるでまたたびを与えられた猫のようだ。そんなものを見せられているこちらのイライラもいい具合で、パンツに包まれた性器は先端に染みを作った。 
 空却は相変わらずスンスンと鼻をならして好きな男の匂いに酔いしれている。
「ちんぽでびんたされたい……」
 と、恍惚というので、俺は頭を抱える。それも例のクズ野郎に仕込まれたんじゃねぇだろうなと言いそうになったが、そんなことよりも、うっとりとろける一級品のかんばせをグロいちんぽでビンタしたくてたまらない。お望みどおりにパンツのゴムをちんぽの先端ぎりぎりまで押さえて、下げきる。びたん!と跳ねたちんぽが空却の白い頬を打った。
「も、もっかい……」
「はああ?」
 仕方ない、という体で腰を軽く振ってもう一度ちんぽで頬をぶってやる。びたん!と頬をぶたれた空却は恍惚として口端から涎を垂らした。俺も垂れそうだ。
 しかし本番はまだこれからだなのだ。
「どーしたらいい、? ひとやのちんぽ、どうやってなめたらいい……?」
「…………」
 ちんぽがぐぐぐと反る。気付いたのか空却が「お♡」と声を漏らす。お♡じゃねぇ。
「あーそうだな……」
 髪をかきあげる。十九のガキに一からフェラチオを仕込むことへの興奮で正直ちんこはバッキバッキである。ふーと口から息を吐く。
「まず……さきっぽにキスしろ」
「ん」
「もうちょっと右……」
 ちゅう♡ピンク色の唇が真っ赤に腫れた先端に触れる。思わずその刺激だけで射精しそうになり腹に力を込める。
「で、俺は……亀頭の周りをベロでくるくるされるのが好きだから、それを覚えろ……」
 空却がかぱあと口を開く。唾液が幾筋も糸を引く、ぬっとりとした赤いおくちまんこ。そこに光る犬歯は知らないものが見ると恐ろしいだろうが、空却の非常に絶妙な力加減の甘噛みは素晴らしいし、今後俺以外が味わうことは一生無い。先行した舌にからめとるように迎え入れられた口内はあたたかくてぬるぬるしていて最高の一言に尽きる。空却は少し戸惑うような素振りを見せながら、まずはおずおずと亀頭の周りを舌を使って円を描くようにくるくると舐め始める。思わずぐぅっと声が漏れる。
「そうだ、いい子だな……」
 ぐうと力がこもったちんぽが空却の口内で反り返り、空却は舌を絡めていた亀頭の膨らみにやや驚いたようだった。なだめるように頭をなでてやると、褒められたと勘違いしたのか、空却は熱心に舌を動かし始めた。至極真剣な顔つきと口からはみ出るちんぽ。アンバランスな絵面が視覚的な興奮を煽る。
「空却、覚えとけ……俺が好きなのは、裏筋、な。そこ、舐めてみろ」
「ん」
 空却が口からちんぽを抜く。つう、と唇と亀頭を繋いだ唾液を舌ですくって切る動きに胸がキュンとなる。空却はちんぽを見上げるように首を傾げ、口からちろりと出した舌でビキビキの裏筋をちろちろと舐める。またはちゅう、と吸い付く。
 はあ、と俺も熱い息を吐きながら、きんたまも揉むように言おうとして両手を戒めていることを思い出す。これは次の機会だ。
「そんで、もういっかいくわえろ……そうだ。で、舌を裏に這わせたまま頭上下に振ってみ……」
 空却は言われるがままに熱心に裏筋を責める。覚えたことをすぐ実行する様子は殊勝でかわいらしくて、頭を撫でる手が止まらない。
「抜くときは、唇に力入れろ……そうだ。一回抜け。ちゅぽん、って音立てるようにな」
 ちゅ、っぽん。空却の唇が赤い先端から離れる。
「で、根元までキスしながらおりてけ……そうだ、んできんたま舐めろ……」
「き……?ど、やってぇ……?」
「まず舐めて……慣れてきたら口に含んで吸ってみろ……ちんぽも扱きながら」
「ひとや……手、使えんで……」
「…………そうだったわ」
 空却は薄い舌でぺろぺろときんたまの表面を舐めていたが、やがて片っぽを口に含んでちゅうちゅうと音を立てて吸い始める。
「おおお゛」
 やはり睾丸責めは気持ちいい。空却の狭い喉で竿を締め付けられるディープストロークも悔しいことに正直たまらなかったが、こちらは体勢的にも征服感が強い。
 俺の声に気をよくしたのか、空却の口の吸引力が上がる。やりすぎると痛いのだが、そこは流石同性同士、加減をよくわかっている。
「はぁ、きもちい、うまいぞ空却っ」
「ん、じゅぱ、ジュっ……んんっ」
 きんたまを交互に舐める空却は必死すぎるのか、徐々に体が傾き、今ではシーツの上で肩で体を支えるだけの仰向けのようになっていた。それを腰でこちらも追うので、空却の顔をほとんど跨ぐ形である。
「んっ、じゅっ……」
「そろそろ、裏筋も……」
「んん〜〜……」
 こちらの声がきこえていないのか、空却は夢中になってきんたまを吸っている。向こうもつるりとしてずっしりとした睾丸が気に入ったらしい。かわいらしくて口角がゆるゆると緩む。この中にあるのが欲しいの欲しいのとねだられているようで気分は悪くない。
 僅かに火照った白い肩を撫でる。そのまま撫での延長線でゆっくりゆっくり押して、肩だけで支えていた体を完全に仰向けにする。腕は後ろに回して拘束しているため、空却はやや胸を反らせている。
「空却……こっからちょっと苦しいぞ……」
 空却の喉を犯した男が、俺以外にもいる。今考えてもこめかみが痙攣するほどいらたつ事実だ。そんな野郎よりも、もっと深くに触れたい、もっと深くに。
 腰を引くと、夢中になって舐めていたきんたまを取り上げられた空却が「あ」と声を漏らした。
「空却、顎、あげろ……」
 ちんぽの先端を空却の口に挿入する。そのままずずず……と腰を進めていく。ここからはフェラチオではなく、こちらが主導のイラマチオだ。
「お、ごっ」
 喉には容易く触れた。しかしまだ止まらない。その先に腰を進める。仰向けの空却の喉にちんぽの形がぼこりと浮かび上がる。
「ご、ごえっ」
 空却は嘔吐する際のような声を漏らしていた。そして……きんたまがべちんと空却の顔面にぶつかる。奥まで、入った。
 空却の細い体はびくびくと震え、時折痙攣している。胸から喉にかけては真っ赤に染まり、息をするたびに大きく膨らんでは縮むを繰り返している。足は藻掻くようにシーツを何度も蹴っている。いやもがいているのだろう、酸欠に、嘔吐感に。
 俺は息をつき、前髪を手でかきあげた。胸がスッと空くようであった。残酷かもしれないが、この光景に満足していた。
「空却……動いていいか?」
 がくがくがくと震えながら持ち上がった空却の右手は、サムズアップの形をしていた。
 俺の恋人、男前すぎる。
「空却っ……!」
 腰を引き、ばちゅん!と叩きつける。反った空却の体がびくん!と電気を流されたように跳ねる。
 構わず腰を振る。空却の喉がちんぽを挿入する度にその形にぐにゃぐにゃと変わった。膜の薄いホースのようである。空却の喉からはひっきりなしにカエルの潰れたような声が漏れているが、構わずピストンを続ける。
 凹凸としてカーブが激しい喉の内側にちんぽを摩擦され、涎が出そうなくらい気持ちがいい。
「ごえっ、おえっ、お゛え゛ぇ!」
「空却、空却っ……」
 手を空却の腰の両側につき、一心不乱に腰を振る。ばちゅんばちゅんと金玉で空却の顔面を殴りつける背徳感がたまらない。
 目の前にある空却のちんぽは勃起し、ふるふると震えていた。一方的な蹂躙のような行為だが、空却が快楽を拾えているらしい。なら容赦する理由もなくなった、腰の猛威は止めない。
「空却、出すぞっ……!」
「お゛゛♡」
 ばちゅん!と叩きつけた腰をぐりぐりぐり……と押し付ける。喉奥、食道に亀頭をがっぽりはめてびゅ、びゅう〜〜〜〜♡♡と射精する。胃に直接精液を流し込むことになっているだろう。ざまぁみろ、と顔も名前も知らない男に勝ち誇る。俺の方がこの少年を深くまで征服したぞ。
「はっ……」
 名残惜しいぬかるみからゆっくりと腰を引き抜く。粘度の高い唾液をぐっちゃりとまとい、性器は白い液体でどろどろである。空却の顔もどろどろだ。鼻水を垂らし、涎etcの液体でひどいことになっている。まるで全力疾走してそのまま倒れこんだかのように全身はしっとりと汗ばみ赤い。もしくは、ひどい凌辱をされたあとのようでもあるし、そうかもしれない。口はなかなか閉じないのかあきっぱなしで端からだらだらと唾液を垂らしている。さかさまに垂れる唾液はセックスの時に使う撥水性の高いシーツの上で水たまりになっていた。
「おい……大丈夫か」
「……れ」
 何か言っている。少し悩んでから、空却の体を起こしてやり、背中から抱きしめるような形になって口元に耳を寄せる。空却の体は全く力が入らず、されるがままだ。なんて?ともう一度促すと、がくがくと痙攣しながら空却が言葉を紡ぐ。

「これ、まいかいやるの……?」

 ……そういえばこれはフェラ調教だった。途中から主旨が変わってしまったため、仰向けイラマチオなどという超上級者向けのテクをさせてしまった上に恋人はこれを俺の性癖だと勘違いしてしまっている。
「いや、これはちがって……」
「じゃ、これでさいご……?」
「……いや、さいごではない、……かもしれない」
「え、じゃあまたあるってこと……?」
「いや、うーん……」
 痛々しいほどに腫れあがったちんぽの先っぽをつん、と指で弾く。あう!と空却がそれだけで大げさにあえいだ。よし、話を逸らせそうだ。
「ひとやぁ……拙僧がんばったろ?そろそろいきたい…ちんぽいれてくれ」
 がんばった。それはもう本当に頑張っただろう。しかし忘れてはならない。これはお仕置きなのだ。
「どうしようかな……俺ももう若くないんだわ。もうフェラで二発も出しちまったしな」
「どの口が言ってんだよ……アッ」
 十九のちんぽを適当に弄ぶ。手持ち無沙汰のように先端をこしゅこしゅと扱いたり、根元をくりくりとしたりする。びきびきに筋立たせ先端からひっきりなしに液体を漏らすちんぽ。正直かわいい。
「そうだな……どうしても抱いてほしいならちんぽに媚びろ」
「ち、んぽに…!?」
「おう」
 空却は少し考えるような素振りを見せた後、手を動かして俺の萎えたちんぽに触れた。戒められた手を器用に動かして手コキする。対した刺激ではないが、手錠のついた手が不自由ながらに指先を動かしてちんぽを扱く絵はなかなかくるものがある。半起ちくらいにまで復帰する。
「ん……はや」
 空却の体が前に倒れたそうにしているので、大人しく解放してやる。空却が尻だけ突き出すような体勢で四つん這いになるのに合わせて、俺も膝立ちになる。まだ柔らかいペニスを空却の尻のあわいに挟む。
 丸い尻が目の前でふりふりと振られる。それに合わせてちんぽもしゅこ、しゅこと扱かれて快楽を拾う。快楽を追うためにゆるゆると腰を振りながらも、いまいち空却の意図がつかめず内心で首を傾げる。あの喉に締められる強烈な快楽を知った大人ちんぽに今更こんな甘いケツコキしてどうしようというのか。
「ん〜〜ちんぽ、はいらん……ちんぽいれてほしいのに、はいらんわ……」
 けつをもぞもぞ振りながらなにか言っている。
「ひとや、しりこきだけでがまんで、いいの……?」
 ……なるほど。あくまで堕ちる気は無いらしい。
「俺は媚びろつったんだよ、クソガキ……」
 ゆるゆる振られるケツからちんぽを離し、こめかみに血管を浮きだたせながら輪っかにした親指と人差し指でシュコシュコと扱く。クソガキを“分からせる”ためのちんぽを臨戦態勢にする。ケツの後ろでちんぽが漲る気配を感じたのだろう、空却の口角が持ち上がる。
「ひとや、ちんこ、いれさせてあげよっか……?」
 Evil Monk。Evilとはよくいったものだ。テメェの喉を征服したのは俺なんだよ、テメェは俺のものなんだよ、永遠に俺意外に股開かねぇんだよ、なにを命令してやがんだぶち犯すぞああ犯してやる。
 縦にふっくら割れたけつまんこに亀頭をぷっちゅりとくっつける。
「ちんぽ欲しいのは……テメェだろっ!!」
「んあああああ゛っっ♡♡」
 ケツをわし掴み、根元までばちゅん!と一息に挿入する。空却の顎が反り、叫び声のように喘ぐ。
 自分のたくらみがうまくいってさぞかし嬉しいだろう。極上の男が己の痴態に誘われて望み通りちんぽをくれてやったのだ、嬉しいに決まっている。だがこれで勝ったと思うのがまだ青い証拠だ。
「ちんぽ、ちんぽきたっ……!」
 これでいけるぅ……と空却が歌うように喘ぐ。なるほど、コックリングで戒められた前ではなく、前立腺を刺激されて後ろでいこうという魂胆だったか。
 しかし、だ。いつまでも動く様子がない俺に、空却が次第にそわそわし始める。
「ひ、ひとや、うごいて……?」
「テメェで動け」

 カチッ。ボシュッ。
 その音に空却が勢いよく振り返る。ネクタイで隠されて見えないが目は信じられないという風に見開かれているだろう。ベッドの上で、しかもセックスの最中にタバコなどマナー違反の極致にあるし俺の流儀にも反する。しかしこれはセックスではなく、正しくお仕置きだ。腕を伸ばしてベッドサイドの灰皿に灰を落とし、「オラ」と促す。タバコを持っていない方の手はポケットに突っ込む。
「動けよ」
「クソがっ……」
 四つん這い、正しくは腕を戒められ額と両膝で体を支えているので三つん這いとでもいうのか。空却の腰がつたなく振られ始める。
「っつ、っあ、んんっ、んあっ」
 タバコを吸いながら眼下で必死に上下に動く腰を見下ろす。右に傾いたり、左に傾いたり、落ち着きのない頼りない動きのそれで拾える快楽はしれているだろう。早速、空却は音を上げる。
「ひ、ひとやうごいてくれ、たのむ……」
 コックリングで前を戒められている空却はいい加減限界のはずだ。言葉尻は震えている。その間も腰はぱちゅぱちゅと振られているが、どうにももどかしさが募るだけらしい。がくがくと体を支える膝は震え、今にも崩れ落ちそうだ。
「ひとや、うご、うごいて……!いきたいっ……!」
 フーと煙を吐き出す。
「“うごいて?”」
「っ……!ちんぽがちがちにしてるくせにっ……!!」
「あ?なんつった?」
 ぬるる〜〜……と腰を引き抜くと、空却が焦ったように「ああ!」と叫んで慌てたように尻を沈める。まって、まってと舌足らずに焦る様子はほの暗い征服感で満たされる。
 沈黙の時間が流れる。四つん這いで「んん」とか「ん」とか喘ぎながら空却は己のプライドと闘っているらしい。手錠に戒められた手がぎゅっと拳を握りしめるのが見えたと思うと、空却がぼそぼそとなにやら呟き始めた。「きこえねぇよ」と煙を吐き出す。
「……さい、う……うごいて、くださぃっ……!」
「オラよ」
 ばちゅん!と腰を叩きつける。それだけで空却は絶叫した。
「も、もっと、もっとおねがいっ!」
「だから、敬語」
「あうっ!!♡♡」
 ケツを平手うちする。へにゃへにゃへにゃ……と空却の体が溶けるのを見て、舌打ちする。くそ、こんなことで甘イキするとは……もっと焦らすつもりであったのに。
「にゃ……もっと、もっとぉ……」
「次、敬語忘れたら抜くぞ」
「……!! も、もっとついてくださいっ、うごいてくださ、い!!」
 へこへこへこ……とやる気なく腰を振る。
「あっあ♡もっとつよくっ♡ばちゅってなるくらいっ……おねがいしましゅっ♡」
 いわれて、少しピストンに力を入れる。ぱんぱんに張ったきんたまが尻とぶつかりぱちゅっぱちゅっと音を出す。
「あっいい♡もっと、もっと♡もっとばちゅばちゅって♡ね、もっと♡せっそうのけつ、おなほだとおもってやって♡♡」
 ぐしゃり。タバコを灰皿に押し付け、目の前で揺れる腰を痣になるくらい強く両手でがっしりと掴む。物々しい空気を感じ取ったのだろう、空却の火照った肩が跳ねる。
「だからっ、敬語、つってんだろっ!!」
「あああああああっ゛♡♡」
 ばぢゅん!ばぢゅん!
 びくんびくん、と内壁がわななきちんぽをぎゅーぎゅーと圧迫する。ケツイキでまとわりつく肉壁を無視して、構わず腰を振りたくる。腰で尻を殴りつけるようだ。何度打っても刺さらぬ釘に焦れて打ち付ける杭の動きに似ていた。
「いっ♡♡いまっいってる♡♡いってる、からぁ!!♡♡」
「俺は、イって、ねぇんだよ!!」
「やらあああ!♡♡くるし、くるしぃ♡とまって、とまってっ……♡♡」
 ぶちゅんっ!!と勢いよく腰を引き抜くと同時に空却の体を突き飛ばす。ころん、といともあっけなく転がった空却は、仰向けでぜぇぜぇと息をついている。コックリングをはめられたちんぽは哀れなくらいぐしゃぐしゃで、その下のけつまんこは突如失ったものを求めるようにぱくぱくと開閉している。
 ようやく訪れた絶頂に浸っているのだろう空却に膝で歩いて近づく。首をまたぎ、まるくてかわいらしい顔の上に、ずし……♡と重いちんぽを乗せる。
「あ♡」
 しゅるり、と目隠しをとる。金色は相変わらず新鮮な輝きを保っているが、とろりと蜂蜜のように潤んでいる。そして羨望ともいえる視線を、顔の上の熱気を放つちんぽに向けている。
「おら、媚びろよ」
 たらぁ、と空却の口端から涎が垂れる。欲情、羨望、屈服……それらを煮詰めた蜂蜜の瞳に、ハートが浮かび、理性はガラガラと崩れ落ちていくのが見えるようだ。ケツイキの余韻は空却の上等な脳みそを絡めとり、確実に雌に落としていく。
「あ、ちんぽ……♡」
「ちんぽ“さま”だ」
「ち、ちんぽしゃま……せっそう、のけつ……ぐちゃぐちゃに……」
「“けつまんこ”」
「せっそうのけつまんこ、ぐちゃぐちゃにしてくらはいっ……」
「よし……ちんぽに誓いのキスしろ」
「んっ♡」
 空却が唇を尖らせてちんぽにキスをする。ただでさえバッキバキだったちんぽが一層反り返り……なんというか、グロい有様となった。
「空却……犯してやるから、四つん這いになれ」



「あっ♡ああっ♡んあっあっ♡んぃぃ♡」
 本気交尾。本気でこのメスを屈服させる。本気で勝つ。その意気込みで一心不乱に後ろから腰を振りたくる。
 ばぢゅんばぢゅんばぢゅんばぢゅん!!
「で、誰だ?俺より先にお前に仕込んだのは」
「え…え?♡♡」
「言えたら中出ししてやる」
 ぐりぐり……とけつまんこの奥にちんぽを擦り付け存在を主張する。結腸の入り口を張った亀頭にぐりぐりと押されて空却が仰け反りながら「いぃ〜〜♡」と喘ぐ。最早機能を放棄したクリトリスちんぽは、コックリングが引っかかっているだけとなりピストンの度にぺちぺちと上下に振れている。
「しゃしゃらっ……しゃしゃらでしゅっ♡♡」
 簓…オオサカの…あのクズ野郎!!
「い〜い子だ空却っ……ご褒美にっ、一番奥にぶっかけてやるっ……!!」
 ぶびゅ、ぶびゅ〜〜〜〜♡♡びゅるる〜〜♡♡
 三発目と思えないほどの量の精液が奥の結腸にがっちりとはめこんだ先端から吹き出す。けつまんこの奥を白濁で満たし、孕め、孕め……と無心で腰を押し付ける。
 ようやく放出が収まったら、かくかくかく、と腰を振って残滓を吐き出し、しっかり奥にすりこんでから腰を引く。ぬとぉ……♡♡と白濁まみれのちんぽの後を追うようにこぽり、と白濁がふっくらとしたけつまんこの入り口からこぼれる。
「空却、お礼は?」
 がくがくと痙攣しながら、空却は見事なトロ顔を晒している。それでも俺の呼びかけににへらぁと笑う。
「ありがとうございましゅっ……♡♡」




「なぁ獄〜……簓のこと、勘弁したってくれや」
「あ〜?ガキのテメェぶち犯したクソ野郎をか?」
「そーだけど……」
「……わーったよ、そんな顔すんな」
 俺意外の誰かを思って切なげに歪む顔など、見たくない。ベッドで寝転ぶ空却の後ろから腹に両腕を回し、はぁとため息をつく。
「なぁ、またやろうな」
「……なにを?」
「お仕置きセックス♡」
「たーけ、結果的にお仕置きっつーかご褒美だったろ」
「じゃあまだ、上があるってこと……!?」
 振り向いた空却が目を輝かす。げっと口元をゆがめる。こいつ、なにやら厄介なこと考えてやがる……。
「おい、本気でキレた大人は怖ぇぞ。下手なこと考えんな。……きいてるか空却」
「んーーーー……なぁ獄♡拙僧、実はね…昔……