加州 清光
「言いたいこと?俺から主に?」
「そう、なんでもいいよ。嫌なこととか要望とか」
これって絶対あれじゃん、主ってそういうとこわかりやすいよね。ここ最近のあんた見てたらわかるって、なんでもいいとか言いながら聞きたい事は一つなんでしょ?まあ、なんでもいいって言ってるし?俺から言いたい事なんてあれくらいだけど。
「あんたがこんのすけに教えて貰って初めて鍛刀したのは前田だけど、初めて自分で鍛刀したのが俺って事を忘れられてた事?」
「うっ…………その節はほんと…」
「あはは、良いよ別に。強いて言うならってだけ、最初の頃のあんた皆の名前覚えるので精一杯だったもんね。でも正直不満はあったよ?だってあんた俺の事ギャルだヒールだ距離が近いだ言って全然話とかしてくれなかったし」
「うぅ………」
「最初の頃は全然だったくせに、いつからか切国とばっか話すようになっちゃってさー。妬けるよね、俺あんなに可愛くなろうと頑張ってたのに。ボロい布被ってじめじめしてる切国ばっかり可愛がっちゃって」
「強いて言うならって言ったのにめちゃくちゃ不満出てくるじゃん……ごめんね…?」
言い出したら止まらなくなったけど、こんなの可愛いもんじゃない?前の俺ならこんなこと言う俺可愛くないかもって言えなかったけどさ、今の俺はあんたに愛されてるってわかってるから。これくらいじゃ主は俺のこと嫌いになったりしないでしょ?
「でもまあ、俺あいつのこと好きだよ。綺麗な顔してるんだからもっと可愛くすれば良いのにとは思ってたけど、普通に良い奴だし。修行から帰ってきて可愛げなくなっちゃったけどね、俺の前では今でも良く悩んでるくせにさ」
「悩む……?まんばくんが?」
「あんたは知らないだろうね、あいつあんたの前では頼りになる自分で居たいからってカッコつけてんの」
「えー…?」
「ほんとだって、つい最近も"頼ってもらえるようになったと思っていたが勘違いだった、俺では駄目なんだろうか…"って久々に布被ってじめじめしてたよ」
「……」
「あんたも切国もめんどくさいよねー」
「返す言葉もないです……」
二人に何があったのか俺はなんとなくしか知らないけど、どうせまたすぐ引っ付き始めるんだからさっさと仲直りしちゃえばいいのに。
「二人がそんなんだと本丸全体が変な感じだから。さっさと話し合って早く仲直りしなよ」
俺はさ、あんたが俺と話せるようになるまで慣れるの頑張ってくれた事も、安定と一緒に出陣させようとしてくれた事も、修行の申し出を聞いて寂しそうに、でも笑顔で送り出してくれた事も嬉しかったよ。特に切国より先に修行に出れた事は、唯一俺が切国に自慢できる事だし。
主が切国ばっかりなのは嫌だけどさ、俺これでもあいつに意識してもらおうと頑張ってるあんたの事、応援してるんだから。
「まあなんでもいいけど、早く元気になって俺の事も可愛がってよね」
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[しおりを挟む]春曙