帝統は本当に77kgあるのか - hpmi
「提出したプロフィールに虚偽があると思います」
中王区でのラップバトルを控えた乱数達からエントリーシートの提出を頼まれた。帰るついでだしと請けおったのだが、鞄にしまう前に何となく中身を見てみるととある数字にどうしても引っ掛かりを感じてしまった。
「も〜幻太郎、ちゃんと書かないとダメダメだよっ」
「嘘と言ったら小生みたいなのやめてください。虚偽とはどの部分のことですか?」
「ここのとこ!」
帝統の体重が77kgと書かれていたのだ。ふざけて書いたのではと疑ってしまうほど7だらけのプロフィールを二人の眼前に突き付けた。ちなみに当人は例のごとく賭場に行っている。
「あんなにしょっちゅう文無しになって横浜の森までサバイバルに行ったりしてるくらいなのにこんなに体重ある?」
「うーん、ぱっと見は痩せてるもんねぇ。実はムキムキだったりするのかな?」
「帝統あんまり自分のこと話したがらないし、もしかしたら問い詰めても本当のことを言わないかもしれないから、三人で銭湯でも行って真偽を確かめてきてよ!」
「面倒ですね…そこまでする必要が果たしてありますか?」
「だって、このせいでエントリーがちゃんと受理されなかったら元も子もないでしょ」
幻太郎は億劫そうだったが「いーじゃんいーじゃん、裸の付き合いでバトル前に親睦深めようよぅ!」と乱数は乗り気の様子だ。乱数によろしく頼んでその日は事務所をあとにした。
そして後日、エントリーシートをもらいにまたお邪魔すると今度は三人揃っていた。どうだった?と乱数に耳打ちすると、乱数はにやーっと笑った。
「それがなんとねぇ、本当っぽいよ!帝統ってばスゴいんだ!」
「ええ、嘘……」
「そこまで疑うなら自分で確かめてみては?」
「おまえら、コソコソなんの話してんだよ」
振り返ると訝しげな顔の帝統がいて、言い訳する間もなく後ろから幻太郎に背中をトンと押された。つんのめった勢いのまま帝統の固い胸板にぶつかって「おっと」と難なく受け止められる。取りすがった上半身は思っていた以上にがっしりとしていて私はごくりと唾を飲む。これはやっぱり筋肉なのか……?
「帝統、ちょっと脱いで見せて」
「は!?いや、何でだよ!」
「全部見せて」
「意味がわから……に"ゃーーー!!」
ていうか目の前で体重計乗せればいい話だよね?と乱数が言っていたのは聞こえないふりをした。