轟くんの氷でかき氷 - mha



残暑が厳しく、まだまだお風呂上がりのアイスが欠かせない季節だ。しかし寮では夜の外出は原則禁止で、ちょっと近くのコンビニまでというのも許されない。一階の共用スペースで窓を開け放ってもゆるゆると生ぬるい風が流れてくるだけで、何となく集まった者達は見事にだらけていた。

「あー、アイス食べたいー…」
「食いてぇな〜」
「あ!!私ひらめいちゃったよ!」
「何ー、透ちゃん」
「轟くんの氷でかき氷つくれないかな?」

みんなの視線がバッと轟くんに集中して、たぶん会話の内容は聞いていなかった轟くんが「お」と顔を上げた。

「かき氷食べたい…!轟くん、お願いできないかな?」
「おお、わかった」
「やったぁ!そしたら、ヤオモモにかき氷器創ってもらって」
「私の部屋にかき氷のシロップあるから持ってくるわ!」
「え、お茶子ちゃんシロップだけ持ってたの?」
「たまに薄めて飲むと結構空腹が紛れるから…」

切ない笑顔のお茶子ちゃんの肩を抱いて、今日はいっぱいかき氷食べようねと励ました。ヤオモモはかき氷器について手早く調べて「なるほど、刃がこうついていて…鋼でよろしいでしょうか…押さえを回して氷が削れるというわけですね」とすぐにぴかぴかのかき氷器を創り出してくれた。早速轟くんが手のひらから氷を出してくれる。

「切島くん、任せた!」
「おう!削りまくるぜー!!」
「私もやりたい、私も!」

みんなできゃっきゃとはしゃぎながら、切島くんがすごい勢いでハンドルを回してかき氷を量産していく。お茶子ちゃんがシロップを持って戻ってきた。

「これがかき氷か」
「私も食べるのは初めてですわ」
「味はどれも同じだから好きな色選んでね!」
「それよく聞くけどよ、ほんとなのか?」
「香料と色が違うだけらしいよ。イチゴ味もメロン味もブルーハワイ味も思い込み」
「ブルーハワイ…」

かき氷は初体験らしい轟くんとヤオモモは興味津々に色とりどりのかき氷を見ている。轟くんはブルーハワイが気になっているようなので渡してあげた。

「はい、どうぞ」
「ありがとう。いただきます」
「……どう?ブルーハワイの味する?」
「よくわかんねえけどうまいな」

ぱくぱく食べ進める轟くんを見て、よかったなと思った。それからしばらくかき氷が流行って、轟くんは引っ張りだこになっていた。