殺意は後から芽生える
そう、あの時の俺はどうかしてたんだ。
だって、怖かったんだもん!!!
「イェーイ!!」
と聞こえた場所ではなにやらカマ野郎と貞子が何故かキャッキャッとしていた。
「よっしゃ!!!さらにヤル気が出てきたわ」と、カマ野郎はタフマンを一気に飲み干した。
「(…なんか嫌な予感がする)」
そう思った俺は慌てて、貞子に歩みよった。
「おい、お前。アイツに一体何吹き込んだんだよ?」
「何の事ですか?」
明らかに嘘をつく貞子は白々しい顔をする。それに俺はイラっとした。
「もういい」
もう一度ベッドに戻ると、「さ♪撮影を始めましょ♪」とカマ野郎がウキウキでカメラを構えだした。
「じゃ、まず四つん這いになってね♪」
「え?四つん這い?」
「そう、四つん這い」
「…?四つん這いって何?」
「んもう、好きでしょ。四つん這い」
「え?なんで俺が四つん這…」
「うるせぇーなぁー!!黙って四つん這いになれって言ってんだよ!!早くしねーと、俺のピー≠テメェのピー≠ノぶち込むぞコラァ!!!」
「ヒィィィ!!やります、やすます!すんません!すんません!」
恐怖を感じた。俺の尻の穴が危機感を感じたんだ。俺が四つん這いになると、「分かってくれればいいのよ♪因みにさっき赤まむしを飲んだの。言うこと聞かないと私の息子が暴走するわよ♪」と言いながら俺を上半身裸にし、下半身にうまくシーツを掛けて整えた。
さっき飲んでたのはタフマンじゃないんかい。
「さっ、撮ーるーわーよー♪私にお尻を向けたまま顔だけこっちにちょうだい♪
あぁ〜ん、そうそう、それそれー!ちょっと泣きそうな感じの顔をして!あー、堪んないわ!これ個人的に自宅に飾るわね!額縁に入れて。
ちょっと、アシスタント!いい感じのタオル持って来て、新品のヤツね!え?いい感じのタオルがどんな感じのヤツか分からない?テメェこの空気見て、いい感じのタオルが分かんねーのかよ!?分かんだろ!?目隠し出来る長さに決まってんだろーが!おぅ、分かりゃいいんだよ。それでモデルを目隠しして。…あぁん♪いいわー♪ちょっと、唇を開いて。…それそれぇー!!チュウしてもいいかしら?あら、ごめんなさい、私欲が出ちゃったわ。次は仰向けになって、両手を頭の上に置いて。あぁー、この攻めてる感じ堪んないわぁー♪じゃ、次はね…(以下、延々と続く)」
こいつの言葉だけ聞いたらもう分かるだろ?俺が一体どんなショットを撮られているか。
ただ、俺の考えは狭いのか、この特集が非常に受けたらしい。なぜか。ヅラはこう言った。「今の時代はね、色んなタイプの人間がいるの。もう攻められたいと思う女性だけじゃないわ。肉食系の女性は男を攻めたいと思う子が多いし、今はゲイもオープンにする時代だしね。私みたいに♪そう考えたら男を攻めたい男もいる訳だから、そーゆー目線でも見れる特集って事で高評価みたいよ」と。
「さすがあなたのなまえちゃん、良い案を出してくれたわ」と。
あのクソ女。
殺!!!
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