女の育て方




俺の所にヅラが連れてきた新しいマネージャー。俺、こんなタイプはオーダーしてねぇけど?


「こちらあなたのなまえちゃん、私の親戚になるの。大学を卒業したばかりでね、インターンシップな感じでやってみてちょうだい」


「おいてめぇ、職業体験で芸能人のマネージャーとかあるかよ{emj_ip_0792}」


この俺様にまさに今井戸から這い上がってきた様な貞子をマネージャーにする気かよ…


「つーか俺メンタル強ぇ奴を連れて来いって言ったよな?こいつすげぇ気弱そうじゃねーか。そんな奴が務まんのかよ?」


下向いて今にも泣きそうじゃねぇか。すぐ泣く奴俺は嫌いだ。


「あら。あなたのなまえちゃんメンタル強いわよ?ほらこの無表情をご覧なさい。あんたがさっき言った貞子って暴言なんてスルーしてるわよ」


あ、下向いてんのって無視してたワケ?


「ひとまずしばらくはあなたのなまえちゃんをあんたのマネージャーとして働かせるから。あんたに拒否権なんて無いからね。あ、あとあんたにお願いがあるんだけど」


あ?貞子押し付けられた上に更に面倒事かよ。俺が嫌な顔をするとヅラは俺の隣に来て耳打ちをしてきた。どうやら貞子にバレたらいけねー事の様だ。


「…分かるでしょ。元男の私でもあそこまで女子力の無いあなたのなまえちゃんにはビックリしてるのよ。昔はすっごく可愛い子だったんだけどね。何があったのかしら」


見た目は女のヅラも声はまだ完全じゃねぇ。まだなりきれてない声に鳥肌が立った。


「だから何だよ」


「あの子、一人っ子なの。彼女の両親が将来の不安をしてるわけ。つまりあなたのなまえちゃんを女にして欲しいって事なのよ」


は?つまり…それは、


「あいつとセックス…」


違うわよ{emj_ip_0792}


「痛ぇ{emj_ip_0792}耳元でデカイ声出すんじゃねぇよ{emj_ip_0792}」


バカかこいつ…鼓膜破れたんじゃね?キーンと耳鳴りが鳴り出した。


「あら、ごめんなさいね。あんたがそういう事を口にするから」


大体女にしろってのはそーゆー事だろ。俺に何を求めてんだよ。貞子の方をチラッと見るとさっき俺が消したテレビを付けて昼ドラを見ていた。この俺がいるのにキャーキャー騒がない女初めて見たわ。


「で?結局どーゆー事よ」


ヅラは貞子がテレビに夢中になっていて、もう耳打ちの必要は無いと思ったのだろうか。


「あなたのなまえちゃんを綺麗な女性にして欲しいのよ」


と小声で言った。冗談じゃねぇ。俺はイッコーじゃねぇんだよ。つか見た目を綺麗にすんなら心も身体も女になってるヅラの方が適任だろ。


「あんたの言いたい事は大方分かってるわ。でも私じゃダメなのよ。一緒に居れば分かってくるはずよ」


何がわかんだよ。あーもう面倒クセェ。


「あー、はいはい。分かりましたよ、ヤりゃいいんだろ?」


「あんた今ヤりゃ≠フや≠ェカタカナになってたでしょ?いい?私の大事な妹分なんだからね{emj_ip_0792}分かってるでしょうね?ちゃんとしてくれたら報酬として休み10日間あげるわ」


「マジか!!あー、んなら…俺から一つだけ条件を出す。泣いたらしめぇだ。泣いた時点でマネージャー終了。…いいな?」


「商談成立ね」



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