悪いけど、俺はFF派




「やっぱり高杉さんも気になりますか?」そう言うとあなたのなまえは眼鏡をクイッと上げた。「お、おぅ」気付けば少し身を乗り出している俺がいた。


「そうですか…内緒の話ですが、ここの味噌ラーメンのスープのベースは実は…」


「え?なに?何使ってんだよ?…って、違うー{emj_ip_0792}俺が聞きてぇのはそこじゃねぇ{emj_ip_0792}」


俺は立ち上がってテーブルを叩いていた。「え?違うんですか?」とあなたのなまえは俺を見上げる。


「おい、どーした兄ちゃん」


店長が急に大声を出した俺を気にかけて来た。ヤバイ。数人しか居ない客も全員俺を見ている。俺は慌ててあなたのなまえを引いて立ち上がらせる。


「いや、なんでもねぇ。美味かった、また来る」


そう言ってラーメン二人分の代金を置いて店を出た。後ろから「あーい、また来てなー」と店長の声がする。周りに気付かれる前に車に戻った。車内に戻ると「いったい何が気になるんです?」と言いながらあなたのなまえはエンジンをかける。俺は俺で食べてすぐ走ったもんだから気分が悪い。


「つーか、お前目悪ぃの?」


振り返る事も無くドライブに入れて動き出した車。あなたのなまえはただ前を見ている。


「そうです。ゲームのやり過ぎです」


「ホントかよ、それ」


「はい。ドラクエXのせいです。ご存知ですか?あの親子3代に渡る壮絶なストーリーがたまりませんね。高杉さんはカジノはハマるタイプですか?私はギャンブルは嫌いなので、冒険を中断してまで、カジノに入り浸る方では無いのです。しかしながらグリンガムのムチは魅力的ですよね。高杉さんは思い出とお金どちらが大事ですか?やはりお金では買えないのが思い出なのです。そう考えるとビアンカですよね。それはおそらく情もあるんですが、でも「分かった{emj_ip_0792}分かったぁぁぁぁ{emj_ip_0792}お前のドラクエ愛はもう分かった。充分俺に伝わった{emj_ip_0792}結婚するのね、ドラクエXした事ないけど、結婚しなきゃいけないのね{emj_ip_0792}親子3代って言ったからきっとそうだよね、分かったよ、もう分かったから…」…そうですか。と言うことで私が眼鏡をかけている理由は以上です」


「…」


【分かった事。こいつは興味のある事になると止まらねぇ】


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