「坂田さん…」
片手を着物に突っ込んでいる坂田さんがそこにいた。
「あー、前に旦那に世話になってるとか言ってやしたですねィ」
「はい、警察は警察らしく市民の税金でもすすってなさい」
そう言うと坂田さんは私の肩を軽く抱いて「じゃーねー」と歩き出した。
「大丈夫か?何もされてない?あんな顔して超ドSだから気をつけろよ」
坂田さんは沖田さんの姿が見えなくなったところで私の肩から手を離した。
「大丈夫です!沖田さんはこの前私が道に迷った時に助けてくれたんです」
「へー、珍しい。ちゃんと仕事するときもあんだな」
「あと黒髪の方とかもいらっしゃいましたよ。ちょっと目が怖かったですけど」
「あ、そいつも気をつけてね。あんな顔して超ドMだから」
「えっ、そうなんですか!?人は見かけによらないんですね」
あんなに凛々しい感じなのに…ちょっと驚いた。
「ところで今日はどーした?久しぶりじゃないの」
「ちょうど坂田さんの所に行くところだったんです」
「俺のところに?」
「はい。新八君に頼まれた事があって…」
万事屋への階段を上がりながら、そう言うと坂田さんが「…今日何曜日?」と小さな声で聞いてきた。「え?今日は火曜日ですけど…」そう答えると坂田さんは慌てて駆け出し、万事屋へ入って行った。
「坂田さん!?」
私も慌てて階段を駆け上がり、万事屋へ入ると坂田さんが寝室に入って行く姿が見えた。
「お邪魔します…」
一言小さい声で告げて、寝室を覗くと坂田さんが襖の前に立っている。
「クソ…新八のヤツ、なまえを刺客に寄越したな」
この感じからして燃えるゴミの日に坂田さんはいつもジャンプを守っている事が伺えた。
「坂田さん、あのごめんなさい。ちょっとだけでいいんです。新八くんはただ心配しているだけで。ジャンプで寝たら腰を痛めるって」
「絶対嘘!ぜっーたい嘘!」
それからどの位説得しただろうか。最終的に坂田さんはジャンプの半分を処分する事にしぶしぶ納得した。半泣きになりながらビニール紐でジャンプを縛りだした。
「か、勘違いしないでよねっ!なまえだから許したんだからねっ!」
「はい、ありがとうございます」
処分のショックからかちょっと坂田さんがおかしくなった様だ。二人で話しながらゴミ置場へと持って行った。途中、その光景を見ていた近所のおじさんから「銀さん、とうとう彼女が出来たか!」と声をかけられたが坂田さんは「ちげーし!」と返した。その時私は苦笑するしかなかった。
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