「一目惚れですか。…あ、どなたか来客の様ですよ?」
その言葉と同時に玄関のチャイムが鳴る。扉の近くにいた新八君が立ち上がり玄関へと向かう。
「銀さーん、神楽ちゃーん。ちょっと来てもらってもいいですかー?」
何用だろうか?坂田さん、神楽ちゃんも玄関に向かい部屋には依頼者の女性だけが残った。未だに私を見続ける彼女はあり得ない事を口にした。
「…あなた、私の声聞こえるわね?」
な…なに?私に言っているの?
私にしか分からないのだろうか。他の仲間はゆらりゆらりと泳ぎ続けている。周りをキョロキョロする私に彼女は続けてこういった。
「可哀想な子。人間に生まれていれば想いを伝える事も出来ただろうに…。そうね、少しだけ…ひと夏だけあなたにあげましょう」
右の掌を私にかざし、最後にこういったのを覚えている。
「でもね、よくお聞きなさい。想いを口にした瞬間、水の中に戻ると言う事を」
戻る
ALICE+