山崎退の監察日記 その2








どーもーミントンの王子さま、山崎退です。

姉さん、事件です{emj_ip_0792}

ねぇ、調べた?つーか結局あのドラマってさ、その姉さんって人は一回も出て来てないんだよね。毎回コナン並みに事件に遭遇してるワケなんだけど。…いや、そんな事はどうだっていいんだけどさ{emj_ip_0792}ちょっと聞いてくれる?












なまえちゃんが居なくなってから10日が経った。あれから隊の雰囲気が少しづつ悪くなってきている。なんていうかみんなに覇気が感じられないって言うか。前にも話したけど、副長のタバコとマヨネーズの摂取量がヤバくなってきてるけど、他の隊士の前ではいつも通りなんだ。いや、いつも通りを演じてた。でもある日、縁側の柱にもたれかかってなまえちゃんの部屋をただ見ている副長の姿を偶然見かけたんだ。俺は何て声をかけていいか分からなくて遠くから見ていたんだけど…











「そろそろこの部屋片付けましょうや」


向こう側から沖田隊長が何の感情にも属さない声と表情で副長に声をかけた。ちょっ、ちょっとー{emj_ip_0792}何言っちゃってんのー{emj_ip_0793}今の副長を傷付けないでぇー{emj_ip_0792}



「…」


何も口にしない副長に沖田隊長は近づいた。



「案外、間者だったのかも知れませんゼ?」


その言葉を聞いた瞬間、副長は鞘に納めていた刀を目にも留まらぬ速さで沖田隊長の喉元に当てた。


「もういっぺん言ってみろ。その口を聞けなくしてやる」


その行動に沖田隊長は微動だにしなかった。



「ちょっとぉー{emj_ip_0792}二人共何やってるんですかー{emj_ip_0792}副長、刀しまって下さい{emj_ip_0792}」



これはヤバイと思った俺は慌てて2人の元へと駆け寄った。副長は静かに刀を鞘へと戻した。


「あのねー、二人共ー…」



「人はいつ消えるか分かりやせん。10年後かも知れねーし、1時間後かも知れやせん。ただ俺はあの時あぁしておけば良かった、って後悔するのはもう御免ですぜ。土方さん、それはあんたも知ってるはずだ。大事な人が居なくなるってのはそう言う後悔を後から知るんだ。死んだ人間にはもうどーする事も出来やせんが、生きている人間なら…」




そう言い残して沖田隊長はどこかへと行ってしまった。そして何も言わず副長も。







ねぇ、気付いてるよね?二人共、俺の事見えてたよね{emj_ip_0793}会話も参加させてくれないの{emj_ip_0793}ひとりその場にポツンの俺、超恥ずかしいじゃん{emj_ip_0792}いや、その存在感の無さが監察方には必要なんだよ、きっと。うん、そうしよう。そう思い込む事にしよう。じゃないと俺が消えちゃいそうだよ。



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