山崎退の御用改めでーす その2







「なまえ…」



少しづつ収まりつつある粉塵の中から現れた彼女の姿に副長は信じられないという様子だった。いや、俺たちも信じられない。その姿はどう見ても華佗側に付いている者の行動だ。沖田隊長のバズーカから華佗を守るって…一体どうなってるんだ?




「おやおや見つかってしまったかい」




俺たちの表情を見た華佗はそう言って面白そうに微笑んだ。




「言っておくが、こいつはもうお前達の知っている女ではない。鬼の副長とやら、なまえと殺し合いが出来る事を私に感謝するのだな…なまえ、此奴らを血祭りにしてやれ」



「…承知」




華佗は立ち上がりその場から消えようとした。




「待てコラァ{emj_ip_0792}」




それを止めようと副長は華佗に向かって斬りこもうとしたがその向けられた刀はなまえちゃんによって止められてしまった。華佗は高笑いをしながら消えてしまった。刀同士を合わせている副長となまえちゃんとの間には張り詰めた空気が漂っている。




「なまえ何やってんだ{emj_ip_0792}目ぇ覚ましやがれっ{emj_ip_0792}」



副長のその呼びかけにもなまえちゃんは何の反応も示さない。ここまでになると何かに操られてるとしか考えられない。周辺に居た華佗の護衛隊も俺たちに向かって攻撃を仕掛けて来た。もちろん俺たちも応戦する。この状況はどうなっているんだ。副長を見てみると、ややなまえちゃんに押され気味だ。そりゃそうだろう。相手がなまえちゃんなんだ。副長は本気なんて出せない。遠慮なくしかけてくるなまえちゃんからの攻撃をただ防御しているだけにしか見えない。沖田隊長は好き放題に敵を切り倒していくし、局長も応戦している。もちろん俺も。


敵の数が半分にまで減った頃、なまえちゃんの威力が更に増した。副長との距離もほぼ無い接近戦だ。そして、二人を見ていた俺はある事に気付いた。なまえちゃんの目元と口元が少し笑っている。いや、これはどちらかと言うとニヤけている様にしか…そして今まで無反応だったなまえちゃんがついに喋った。


















「土方さん、お久しぶりでーす♪逢いたかったよぉ〜♪」





と。



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