山崎退の御用改めでーす その3







「…え?」




副長の口からポロっとタバコが落ちた。「逢いたかった♪」と、俺には見せた事の無い笑顔で副長に抱きつくなまえちゃん。




「えっと…あのなまえちゃんだよ…ね?」




俺もたまらず問う。すると俺を見たなまえちゃんは無表情で「何だよ、山崎うるせーな」と言った。間違い無い{emj_ip_0792}これは紛れも無くなまえちゃん本人ダァァァァァァァァァ{emj_ip_0792}




「お、お前…何やってんの?」



「土方さん、とりあえず話は後からします。今は時間が無いので皆を連れて付いてきて下さい」



副長の問いかけになまえちゃんはそう答え、走り出した。




「なまえ、待て{emj_ip_0792}」




その場でなまえちゃんを副長は呼び止めた。立ち止まって振り向く彼女に続けて副長はこう告げた。




「お前が…お前が奴等の間者じゃないって証拠はあんのか…?」




副長はすごくこの言葉を言いづらかったと俺は思う。だってあんなに自分に懐いていた仲間を疑うのだから。副長の声は少し震えている様に感じた。その言葉を聞いたなまえちゃんはほんの少しだけ寂しそうな顔をして、いつもの顔に戻った。



「みんななら…土方さんなら…私の事、信じてくれるって思ってます」




そう言ってニコっと笑う彼女を見て、土方さんも小さく笑った。




「いつからそんな八方美人になったんだか…面白れぇ。もしお前が間者だった時は局中法度に従って俺が殺ってやるよ。その方がお前も嬉しいだろ」




副長はミステリアスな笑いで新しいタバコに火を付けた。それを聞いたなまえちゃんは全力の笑顔で「土方さん、ありがとう」と言って走り出した。




「お前ら{emj_ip_0792}目の前の奴等ぶった斬って俺に続け{emj_ip_0792}」



副長は応戦している隊士達に声をかけ、なまえちゃんの後を追った。隊士達もそれに続けと敵を斬り倒した者から副長の後を追う。











複雑に入り組んだ道を走り、なまえちゃんな案内した場所は巨大な倉庫だった。中にはたくさんの段ボールや木箱、そして何かの機械らしき物が広がっていた。



「ここは私達、真選組が探し回っていたあの薬の製造工場です。類似品も全てここから作られた物をベースに作られています。今それにまつわる全ての材料がここに保管されています。ここを壊滅させれば薬の製造、流出は止まります。奴らにこの行動がバレるのも時間の問題です。この倉庫をみんなで破壊しましょう」




その言葉を聞いた副長は「そういう事か」と呟いて、隊士に号令をかけた。




「つー事だ、テメェら{emj_ip_0792}機械諸共ぶっ壊せ{emj_ip_0792}」




その命令にみんなが一斉に動いた。






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