計算されたような筋書きで
「で?その山崎みたいな奴が何なの?」
「…今吉原で密かに新しい薬が出回ってるって話だ」
「{emj_ip_0793}」
そんな話は隊のなかでも聞いた事がない。でも、真選組のトップであるとっつあんが安易に信憑性の低い話をするはずもない。しかし、どうしてそんな話を私に?
「おじさん、今からぜ〜んぶ話すからよぉーく聞いておくんなせェ」
それからとっつあんはふざける事もなく淡々と一から話し出した。
とっつあんについている監察が得た情報では、最近、若者を中心にある薬が出回っていると。それは以前にもあった転生郷に似た麻薬だったらしい。出処を突き止めたらしいけど、それが少し厄介な所みたい。
「えー?潰しちゃえば?」
「そんな簡単に出来たらおじさんだってこんな話してないワケでェ。かぶき四天王の華佗を知ってるカナ?実はそこが薬の出処らしいのよ。だが、相手が相手だけに迂闊に行動が出来ーん。うまくかわされたりしたら、そこから華佗の支配下にあるかぶき町の連中とやり合う可能性だってある。そぉーこぉーでぇーだぁー{emj_ip_0792}白羽の矢がたったのがなまえちゃんってワケよォ」
「え?待って待って、全然頭が追いついていかないんだけど」
話がぶっ飛び過ぎ&とっつあんの独特なイントネーションのせいでまったく意味分からん。
「じゃ簡単にまとめます。かぶき四天王の華佗が違法な薬を作ってるところまでは確認取れてますぅー。その薬が吉原で出回ってますぅー。逮捕したいけど、うまくかわされたら華佗の支配下にいるかぶき町の連中と全面戦争になりかねませんー。なのでなまえちゃんには華佗の施設内にうまく入り込み、確実に奴らが逃げられない証拠を掴んで来て欲しいと思いまーす」
「なら最初からそう言ってくんない{emj_ip_0793}つーか、なんで私{emj_ip_0793}山崎とかで良くない{emj_ip_0793}」
私にスパイ的なポジションとか向いてないし。なんか大変そうだし、全然メリットないし。
「そぉーれがダメなのよォ。なまえちゃんを指名したのにはちゃーんと理由があるワケ…なまえちゃんに最近、華佗が密偵を放ってるからしてェ」
「え、マジ{emj_ip_0793}全然気付かなかった」
「…どーいう理由か分からんが、恐らくなまえちゃんに何らかの形で接触してくる。そこをうまーく利用しましょう{emj_ip_0792}ハイ、以上{emj_ip_0792}」
「分っかりましたぁー{emj_ip_0792}って、やるかぁーい{emj_ip_0792}って、やるかぁーーー{emj_ip_0792}ヤだよ{emj_ip_0792}私に何も良い事ないじゃんよ{emj_ip_0792}」
ブーブー不貞腐れている私にとっつあんはポケットから3枚の写真を取り出した。
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