この痛みはどこから







「おいおい、態度がいいからってそのままにしておくつもりかよ」


眉間にシワを寄せた土方さんは近藤さんに尋ねた。


「あ〜れ〜?あれあれあれあれあ〜れ〜?」


「なんだよ、総悟」


「土方さん、あんたこそ何言ってやがるんでぃ。なまえさんがあんたのストーカーをしなくなるんですぜ?あんなに迷惑そうな顔をしてたのに。頭を打ったおかげで今のなまえさんには悪い所が一つも見当たらねえ。あるとすれば何故が土方さんにだけやたらと冷たいって事だけだ。だが、そんな事は俺達には関係無ねぇ。自分の事も皆の事を忘れた訳でもねぇんだ。このままでいくのが真選組には最適でしょうよ」


「何だとてめぇ!!人一人の人格が変わってんだぞ!?」


「トシ、総悟落ち着け!とりあえずなまえちゃんを医者に見せてみよう!記憶を忘れているとかではないが、はやり打ち所が悪かったとしたら大変だ。今回の出来事を全て話して、医者からの意見を聞こうじゃないか!な?トシ!」


土方さんはその答えに明らかに納得していない顔をしていたが、「…分かった」とだけ言葉を残して、部屋から1人出て行った。


「ねぇ、沖田君。私本当に土方さんが好きだったの?」


何故かそこだけ理解出来ない。私は純粋に銀さんが好き。でも、いつから?って聞かれるとそこが曖昧で分からない。

真選組のみんなは家族みたいな存在で大切。だけど、土方さんだけ何故だか嫌いではないのだけど、無意識に意地っ張りになってしまう。冷たい言葉も勝手に出てしまう。どうしてだろうか。


「さぁね。別にどうだっていいんじゃないですかぃ?」


そう言って「医者の手配しときやす」と残して沖田くんも消えていった。頭に出来た大きなコブに触れてみる。


「痛…」


触るとズキズキするその痛みは、本当にコブから来る痛みなのか。

さっき沖田くんが話した事も本当なのだろうか。そんな事を私がしでかしたなんて。



それから医者に診てもらったが、性格が変わってしまった事に関しては、頭をぶつけた事による一時的なものと判断された。明日戻るかも知れないし、10年後かも知れない、とドラマでよく見る設定と同じ診断だった。そしてあの愛染香についても聞いてみたが、医者は噂では聞いた事があるらしいが、さすがに噂話なのでどういった症状が出るのか、その後についてもさっぱり分からないとの事。結果、何も知り得る事は出来なかった。


戻る
ALICE+