バクよ、食べないで







なまえさん、なまえさん起きてくだせぇ。時間ですぜ。俺からキスされんのと、バズーカで頭吹っ飛ぶのどちらがいいですかぃ?分かりました、バズーカですねぃ。バズーカ発射まで3.2.1。

ドッカーーーーーーン{emj_ip_0792}



「うるせぇぇぇぇぇ{emj_ip_0792}」


頭元にあるスマホを壁に投げつける。
沖田君、何なんだ。朝よく寝坊する私の為だとか言ってお手製の目覚ましを吹き込みやがって{emj_ip_0792}あんまりうるさいから他の目覚ましに設定変えてもまたいつの間にかこれに戻っている。ロックナンバーだって変えても、意味が無い。


「マジなんなんだよー。沖田君とキスとか無理ー。…キス」






キャアアアアアアアアア!


あわわわ、そういえば土方さんとキスした











夢を見たー{emj_ip_0792}

私には天使の羽根の様なものがあって、みんなに「私飛べるんだ」と公言。20階程のビルから「みんな見ててー」と言って、空に飛びだしたのはいいが、羽根が開かず地面へ真っ逆さま。ぶつかる{emj_ip_0792}と思った時に土方さんが私をキャッチしてくれて倒れ込んだ時に偶然唇と唇が触れるという内容だった。

なんちゅー幸せな夢。それを沖田君の声で邪魔されるなんて腹立たしいわ。


「あー、今夜続き見れないかなー」


無意識に指が唇に移動して、輪郭をなぞる。


「?」


下唇に引っかかるものがあった。鏡で確認してみると小さいかさぶたが出来ていた。


「あれー?乾燥して唇切ったかなー。ん?てか何だこのカピカピな髪の毛。そーいえば昨日あれからどうやって帰ったんだろ」


思い出せない。ギリ覚えているのは土方さんが踵を怪我した私をおんぶしてくれる為に背中を向けていたところまでだ。あー、いい雰囲気だったのにどうして記憶無くすかなー。


「はぁ…もったいない。ま、ひとまずシャワーでも浴びよう」


この髪についているカピカピが何かも分からないが、洗えばなんとかなるだろう。朝稽古までまだ時間はある。あー、土方さん見たらニヤニヤしちゃうんだろなー。正夢にならないものだろうか。



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