裏設定:優



「母さんは俺を愛してくれなかった。だからなんだって話だけどな」

 父、母、優の三人家族だった。父親は夜逃げし、母は女手一つで優を育てることになる──はずだった。現実はネグレクトの末に祖父母に引き取られることになるが。
 祖父母、特に祖母は優に対し母の分まで愛情を注いで育ててくれたように本人も感じている。感じているが、母から見捨てられた子供としての悲愴感の方が勝ってしまった。


「……わかった。もうしない。誓うよ」

 主な素行症は人や動物に対する攻撃性、慢性的な虚言。特に嘘をつくことに関しては一切の抵抗がない上に、理由なく自然に吐く傾向にある。生命体への攻撃性については何度も指摘されてきたが、ついぞ治ることはなかった(→の監禁に発展する)


「だって、カッコイイだろう? 弁護士バッジ」

 弁護士になりたい理由は特にない。ただなんとなくなりたいと思ったから、というだけ。大学時代のインターンシップでと会ったことがあるが、お互いにその記憶はない。顔を合わせただけなので無理もないが。


「抵抗するなら俺が流産させるから」

 由に堕胎するよう仕向けた経験が多々ある。優自身はあくまで「由が欲しかっただけ」なので赤子の存在は邪魔でしかなかった。


「……言っただろ。俺に帰る家なんてないんだって」

 メビウスが現実ではないと気づいた理由は、母、父と幸福な家庭環境で生活していたことに違和感を覚えたから。その日以来優は帰宅しておらず、友人間の家を転々と渡り歩いていた。
 現在は由と再会したこともあり、彼女の家で羽を伸ばしている。健忘を起こしていることに関してはつまらないと思っており、いつか記憶をこじ開けてやろうと企んでいるようだ。


「母さんに愛されたいって、そんな気持ちでいっぱいで。……だから俺は、こんな心の病になってしまったんだ。笑ってくれよ」

 境界性パーソナリティ障害に関しては自称しているに過ぎない。要は嘘である。




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