
「貴様、頭が高いぞ。頭を垂れて這いつくばるが道理だと理解していないようだな?」
「はっは! 私によほど折檻されたいとみえる──なんと傲慢なものよ」
「このポルックスは……むぅ、また我が名を呼んでしまった。もう成人したのだ、こんな子供じみた口調は正さねばならんというのに」
「金星に身を委ねよ、そして寵愛せよ。このポルックスに懸想する権利を貴様にくれてやる。──感涙で前も見えぬだろう?」
【名前】ポルックス(Pollux)
【真名】星来 ホオズキ(Hozuki Seirai)
【性別】おとこのこ
【年齢】16
【死因】生き埋め
【星位置】へそ付近に生えた石
【一人称】私、ポルックス
【二人称】貴様、お前
【詳細】
冬の夜空に爛々と輝いて止まない、冬のダイヤモンドを構成する、双子座に所属する一等星のおとこのこ。額から生える大きく太い一対の角と、夜空を切り取ったような青いマントは彼の矜恃を指すものである。
傲岸不遜な星であり、他者に対して常に驕った態度をとる。頭脳明晰で身体能力も高いため、彼の物言いに何も返せない星も少なくはない。
年齢に似つかわしくない厳格な口調は、生前の血筋が大いに関係しているらしく、そのことを示唆するような発言も多い。
カストルは実の姉であるが弟として認識しており、生前の諍いを理由に奴隷のような扱いを強いる。それを止めようとするとカストル本人が拒絶するため、彼らにしか知り得ないワケがあるのだと推測される。
ミラ・ケーティーに対し強い嫌悪感を抱いている上、その感情を隠そうとすらしない。自身と彼を比較して少しでも劣るものを見つけた際は、ひどく錯乱して暴れ手がつけられない状態になってしまう。
生前の家系である「星来」家は人身御供に根ざした風習があり、カストルはポルックスにとっての生贄でしかなかった。その生贄に抵抗を受け、儀式を完遂できなかった彼は一族の恥として生きたまま埋められることとなる。
「平服せよ。有機物はただでさえ、この私より背丈が無駄に大きいのだ……そうだ、額を地につけろ」
「ふん、このポルックスに願うとはなんとも強欲な人の子よな。──だが聡い、実に聡い。嫌いじゃない」
「お前。……そうだ、そこのお前。私の脚が疲労を訴えている。我が身に触れることを許そう。──後は言わずとも分かるな?」
「……穴を見ると吐き気がする。今すぐに埋めろ。今すぐにだ。早く手を動かせ」
「くじら座のあの星……アレが視界に入ると反射的に頭へと血が上がっていく心地がする。アレよりも私は、ポルックスは優れているはずなのに……何故?」
「カストルは私の所有物だ。妙なことを吹き込むなよ」
「童風情が調子に乗るな。私が誰よりも正しい──そして偉いのだ。この私に意見するには、知性も品格も手腕も不足しているだろう?」
「ポルックスはもう成人している。誰がなんと言おうと、父上と母上の言うことは絶対なのだから。──そう、だよな?」
「刮目して見るがいい。私は大層優しいからな、この身全てを仰ぐことも許容してやろう」
「父上、母上! どうかホオズキをお許しください! お願いします! 死にたくない! 死にたくないんだ、嫌だ! 嫌だ!」