「ベラ…俺様は知っている。コイツは嘘を言っていない…。」
レンの口を操る様にそう言葉が自然と漏れた時だ。
ホールの真ん中に背の高い痩せた姿で黒いフードを被った蒼白で赤い蛇の目を持った男が此方に杖を構えて立っており、レンの言葉と自分の言葉をハモらせていた。
ハリーは冷たく凍りついた様にヴォルデモートを見つめたまま動かずその杖もだらんと下ろしてしまっている。
「そうか、ポッター、お前が俺様の予言を壊したのだな。…コイツの愚にも付かぬ心の中から、真実が俺様を見つめているのが見えるのだ…何ヶ月もの準備、何ヶ月もの苦労…その挙げ句、我が死喰い人達は、またしてもハリー・ポッターが俺様を挫くのを許した。」
ベラトリックスは自分は知らなかった、動物もどきのブラックと戦ってたと言うが、危険な瞳の色をしたヴォルデモートがベラトリックスを睨む。
レンがその口を塞ぐ様に口と体にロープを巻けば2人の視線がレンに向く。
「黙らせて欲しかったのでしょう?産まれて初めて貴方の意思に従ってあげたわ。」
「ならば今度は父がお前に施してやる番だ。」
そう言いヴォルデモートは固まっているハリーを睨みつけた。
「お前は長年にわたり俺様を苛立たせすぎた。さらばだ、ポッター。」
アバダケダブラ!そうヴォルデモートが唱えるのと同時に手を引き、動けなくなっているハリーを呪文を使って後ろの石像の裏に滑らせる様に追い払う。
「そうさせると思って?…さぁ、貴方がその姿を取り戻したあの時の続きをしましょう。」
「良いだろう。我が娘の我儘に付き合ってやろうじゃないか。」
ヴォルデモートはどこか楽しそうに口を元を歪ませ素早く杖を振り下ろすが、レンもそれを弾き飛ばせば「ほう。また力をつけたようだな。」と嬉しそうな声を漏らす。
「どうだ?俺様と取引をしようじゃないか。俺様はお前を高く評価してやっている。此処で殺すのは惜しい。」
「ものによるわ。」
「俺様がお前を失神させられれば、俺様はお前を連れ帰り、お前は諦めそのまま俺様の元にいる。その代わり俺様はその間ポッターに手出しをするのは辞めよう。お前が俺様を傷付けるか杖を奪えたら、俺様はその身を目撃させてから引いてやろうではないか。」
「良いわ。」
2人は決闘に則るように軽くお辞儀をすると、レンが頭をあげ終える前にヴォルデモートが呪文を放ちハリーが声を上げるが、レンは盾の魔法を唱えそれをヴォルデモートに弾き返せば、ヴォルデモートとベラトリックスの間にそれは落ちた。
幾度となく攻防を繰り返していけば、ヴォルデモートの瞳はどんどんと妖しく輝いていく。