「なんの話?」
「この本に書いてあったメモに従った事をまるでトム・リドルの日記に従ったみたいに2人が咎めて来るんだ。」
「だって、なんだか判らないのに危険すぎるわ!貴方からもハリーになんとか言ってあげてよ。」
「あぁ、その事。…ハーマイオニー、ジニー。あのメモは人を貶めるものではないわ。少なくとも今日の授業のものは、ね。私の母の調合メモと同じ事が書いてあったもの。とても魔法薬学が得意な人か好きな人か母の友達か何かの卒業生の残しもの、じゃないかしら。それにトム・リドルの日記は書き込んだ事に対して応えてくれるもの。これはただのメモよ。魔法の香りもしないし…するのは薬品の香りだけね。まぁ、例えば自分が編み出した魔法だとかそういった研究とかそんな類が書いてあればそれは危険かもしれないし、この書いた人自身がどんな人かは判らないからそういうのは使うのはお勧めしないけど。」
女性2人はどこか納得がいっていない顔をしていた。
「ハリー。もし其処に意味のわからない言葉の羅列や少しでも教科書の内容とはどうみても違う事が書かれていたら、それには従わないって約束してくれる?貴方を守るものとは限らない物も多いのよ。闇の魔術に溺れたくはないでしょう?」
「うん。気になればレンに相談するよ。」
「なら、私はその教科書を使う事に関しては何も言わないわ。2人も神経質になるのは判らない訳でもないけど、大きく道を外れようとしている訳でもないし、良し悪しが判らない程、ハリーも子供じゃ無いわよ。」
レンはそう言うと席を立ち、図書室で時間まで勉強して来ると、そのまま姿を消した。
「こういう話はレンに協力を仰いでも、レンが危ないと思わない限りはダメよ、ハーマイオニー。だってフレッドとジョージが気に入っていてその2人を応援出来る人で、ハリーの事に対して反対はしない人だもの。」
ハーマイオニーに何処か苛々したように言えば、それにハリーは憤慨した様だった。
「ジニー、それじゃ君達が正常で、レンは危機察知能力が劣ってる、って言いたいのか?2人を応援する人は皆そうだって?」
「それは言い過ぎだと思うぜ。言っとくけど、ジニーが日記の事で様子がおかしくなってた時、初めに気付いたのはレンだぜ?ずっと気にしててくれたし、僕にも気にかけてやってくれって、フレッドやジョージより僕の方が心強いだろうって言ってくれてた。それでもジニーが傷付かないように無理矢理聞き出そうとはしなかっただろ。それとも何か?無理矢理にでも聞き出してくれてた方があんな目にならなかったのにって逆恨みでもしてるのか?」
「僕の意見に対したって、自分がそう思えない事でもちゃんとレンは言ってくれる。反対しない訳じゃない!」
ロンの加勢を受けながらもハリーは眉を顰めてはっきりとそう言うと、ジニーは苦笑を浮かべるしかなかった。
「そういうつもりでは無いわ。飛躍し過ぎよ。…でも、あんなに髪の色がなくなるくらいショックな事があったばかりだもの。判断を誤る事だってあると思う。」
その言葉に、ハリーは苛々しながら「僕ももう行く。」と大広間を後にした。