全員の飲み終わったコップをレンが魔法で消した頃、大きな灰色のヒッポグリフのバックビークが小屋の前に繋がれていた。
4人が近付くと鋭い嘴を鳴らして巨大な頭をこちらに向ける。
ハーマイオニーは「どうしましょう。やっぱりちょっと怖くない?」とおどおどし、ロンは「いい加減にしろよ。あいつに乗っただろ。」と言う。
ハリーが進み出て、ヒッポグリフから目を逸らさずに時宜をするとバックビークも体を低くしてお辞儀をしてくれる。
「元気かい?あの人がいなくて寂しいか?…でもここではハグリッドと一緒だから大丈夫だろ?」
頭の羽を撫でながら、そうハリーの優しい声が聞こえると、レンも真似をする様にバックビークに挨拶をすればバックビークも頭を下げてくれる。
レンがバックビークの嘴に抱き付き頬を寄せれば、バックビークは目を細めてレンを見つめ、髪を甘噛し始め、ハリーはレンと手を繋ぎ直してから微笑ましそうにそれを見つめていた。
「ちょ、ふふ…擽ったいってば。」
耳を甘噛したり、頬を優しく突っついたりされ、レンは思わず笑い声をもらしてしまう。
「随分懐いてくれたみたいだね。」
「えぇ。私が大怪我した時も良い暇つぶし相手になってくれていたから。…あのお家との繋がりを切る時、一度家の庭に連れてきていたの。」
「それでか。」
「寂しいけれど、一緒に前を向いて行きましょうね。バックビーク。ここにはハグリッドも私もハリーも…みんな一緒だから」
そう言うとバックビークはレンの頬に嘴を擦り寄せ、擽ったいってばとまた笑ってしまい、バックビークはハリーにも嘴を擦り寄せ、ハリーは一瞬驚くも目を細めバックビークを撫でた。
「離れろ!指を食われるぞ!…おっおめえたちか」
そう言う大きな声が聞こえ、そちらを見やるとそこにいたのは花柄の巨大なエプロンをかけ、ジャガイモの袋を下げて小屋の後ろからノッシノッシと近寄ってくるハグリッドだった。
すぐ後ろに従っていた飼い犬の超大型ボアハウンド犬のファングが吠え声を轟かせて飛び出しハーマイオニーとロンにじゃれかかり耳を舐めようとしていた。
ハグリッドは4人を見たが、すぐに踵を返して大股で小屋に入り、戸をバタンッと閉めた。