第28話
その後、あの時言っていた様に、ハリーは夜にダンブルドアとの授業があると談話室を後にし、レン達はなるべく待っていたが夜も遅くなると此処に居続ける事も怪しまれると各々寝室に戻っていく。
次の日の朝、レンが目を覚ました時にはハーマイオニーはもう起きて髪をまとめている最中で、レンは起き上がり伸びをした後、ハーマイオニーの方に近寄れば、鏡ごしに「おはよう。」と挨拶をしてくれ、レンも小さく挨拶を返す。
そして髪をまとめていたそこに、シルバーの方の髪留めを付けやれば、ハーマイオニーは驚いた様子だった。
「先日、貴女を置いて行ってしまったお詫び。私と色違いだけれど…気に入らなかったら鞄の肥やしにでもして頂戴。」
「驚いただけよ。有難う、レン。…体の調子はどう?何処か変なところとかはない?」
「少し怠いくらいで問題はないわ。」
「怠いのも続く様ならマダム・ポンフリーに言った方が良いわ。もし呪いの影響だったりしたら…。」
「アレには触れていないから大丈夫よ。それにまだシリウス達の所へ行くつもりはないから大丈夫よ。まずはリーマスとの約束を果たさないと…リーマスが本気で怒るととっても怖いのよ?あっちでお説教タイムになったら大変だもの。」
「約束?」
ハーマイオニーはそんなに怖いの?と可笑しそうに笑い、着替え始めたレンに不思議そうにそう言葉をかけると、レンは小さく頷く。
「えぇ。互いにね、長生きしましょうって約束をしたの。出来るだけ…そういう努力をしないと。」
薬の開発は間に合うと良いんだけれど…どうかしらねぇ…とブツブツと零すレンをハーマイオニーは「私はこれからもずっとレンと親友でいて沢山思い出もつくりたいの。だからそうしてもらわないと困るわ。もしもの時は私もお説教するわね。」と言い出し、レンが心底嫌そうな顔をすればハーマイオニーは声を上げて笑った。
その日の最初の授業は薬草学だ。
温室へ向かっている道すがら、ハリーが個人授業で何をしたか話してくれていた。
授業ではダンブルドアが今より若い頃、ある孤児の少年にホグワーツへの入学案内を届けに行ったそうだ。
その少年は少々手癖が悪く、自分に逆らう者には罰を与え、盗みもしていた。
「僕はなんでも出来るんだ。」そう言っていた彼は、初めはダンブルドアを疑い拒絶していた様子が最後にはダンブルドアを教師として敬うような態度をしホグワーツでは盗みなどもしないと約束した。
そんな彼は蛇語を話せる少年だった。
「ヴォルデモートの子供の頃なのね。」
レンのその言葉にハリーは気まずそうにしながらも何度か小さく頷き、ロンはぞっとするな。とこぼす。
ロンがそう小声で漏らしたのも、ハリーの話が終わった時は既に授業中で、今学期の課題であるスナーガラフの節くれだった株の周りに陣取り、保護手袋をつけながら話していたからだ。
「それにしても、なんだってダンブルドアがそんなものを見せるのか、僕には判らないな。そりゃ面白いけどさ、でもなんの為だい?」
「さあね。だけどダンブルドアは、それが全部重要で、僕が生きるのに役立つっていうんだ。」
ハリーはマウスピースをはめながらそう言う。