memo
2018/11/25
空閑と幼馴染ちゃん
「おまえ、どうしてボーダーに入ったんだ?」
「えー、死にたくないからだよ〜」
「戦うより、逃げる方がしなないだろ」
「う〜ん、そうだよねぇ。そうなんだけどねぇ。でも、いちばんは、やっぱりしにたくないからかなぁ」
「変な奴だな」
「空閑くんに言われたくないけど、そうなのかもねぇ」
戦うのは怖い。痛いのは嫌い。死にたくない。
たくさんいるボーダーの隊員の中で、わたしがいちばん中途半端で、情けなくて、覚悟がない自覚はある。
「それでも、死にたくなかったんだよ」
おまえ、つまんないウソつくね。空閑くんの指摘に、そうだね、と笑ってしまった。
(死にたくないけど、死にたくなかった≠けではない)
Category:wt
2018/11/25
菊地原と幼馴染み
「わたし、菊地原センパイの耳が欲しいんですよ」
「……え、いやだけど」
間があったから、ワンチャンと思ったのに、あえなく否定されてしまった。周囲の音が拾えるのは、こと、ネイバーとの戦闘において重宝できる才能だと思う。現に、それを見込んで風間さんは、しろーくんを自分のチームに誘ったのだから。
「じゃあせめて、わたしも風間隊に入れるようにしてくださいよ〜」
「ぜったいいやだ。それに、お前の実力じゃむりでしょ」
弱いんだから。すげなく付け加えられた。
わたしが強くないことは知ってるけど、正面から言われるのはそれなりに傷付く。いや、どうかな。案外、傷付かないかもしれない。死なない程度に、強ければそれでいい。生き残れるだけの、強さがあれば、それで。
それで、いいんだ。
Category:wt
2018/11/22
一期と
一期は甘えん坊だ。
まふ。わたしのおっぱいに顔を埋めて、腰に腕を回して抱きついたまま動かなくなった、まぁるい頭を見下ろす。指先を滑らせると、浅葱色の髪がさらさらと流れた。
「いちご、いちごひとふり。今日もよく、がんばりました」
よしよし。いつもは彼がしているように、一期の頭を撫でてやる。
腰に回った腕の力が籠ったことには、見て見ぬふり。
だいじょうぶ、だいじょうぶ。
一期はちゃァんと、おにいちゃんできてるよ。
Category:人形
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